ソーシャルメディア線香花火説

2015年7月1日 20:38

線香花火というと一般にはパッと咲いてパッと散るということでイメージは良くない。

しかしよくよく線香花火を調べてみるとパッと咲いてパッと散るわけではない。

線香花火は火が付いてから散るまでの間に4態の変化をするらしい。

筒井時正玩具花火製造所:線香花火:

http://www.tsutsuitokimasa.jp/issyou.html

蕾→ 牡丹→ 松葉→ 散り菊と変化していく。

http://www.tsutsuitokimasa.jp/issyou/3_matsuba_big.jpg

さらに線香花火の形体も西日本のスボ手牡丹と東日本の長手牡丹に分かれる。

私はこの線香花火の4態を知った時にすぐにソーシャルメディアに似ていると思った。

線香花火の儚い(はかない)感じもソーシャルメディアに似ている。

さて、当然対局にあるのが打ち上げ花火である。

これがマスメディアのイメージ。(ソーシャルメディアの対義語はマスメディアなのだ)

派手にドカーンと打ち上げられ大輪の花火を咲かせる。

新聞の全面を使った広告キャンペーンなどまさに打ち上げ花火だ。

話を戻して線香花火の話。

蕾で仕込み。ぱちぱちと牡丹になって発信を始める。まだ一次発信の状態。

これが松葉になると連鎖が起こる。口コミが広がり、インフルエンサーと呼ばれる人に情報が伝わると拡散力はすごい。

2ちゃんねるやtwitterでの炎上は6時間くらいかかるといわれている。小さな情報が次々に伝播されインフルエンサーに伝わると急に拡散されはじめもはや止められない「祭り」「炎上」という状態に突入する。

都市伝説などは自転車くらいの速度で日本列島を北上するという言い方も聞いたことがあるが、真偽はわからないし、今はスマホの普及によりもっと

速くなっている気がする。

このように悪い情報の伝わり方は良い情報よりも早いようだ。古来「悪事千里を走る」と言うとおり。

また人の噂も75日というように話題に登る期間は短いと言われるが、いまはだいたい週刊誌の発行タイミングで1週間くらいだろう。

英語のことわざに

A wonder lasts but nine days.

というのがあるが、こちらは現代に近い。(wonderは私の好きなことばの一つ)

一方、よい知らせ(=福音またはエバンゲリオン)というものは伝わりにくく、時間もかかる。

よい口コミを醸成するにはじっくりと取り組むことが大切。

一旦、「良い」ということが伝わると息が長い。

評判を取るというのは難しいが、これが結構、息が長い。

ロングライフ、ロングセラー商品となるのだ。

私はそういう広報のお手伝いをしている。

これがソーシャルメディア広報だと思っている。

3ヶ月くらいかけてじっくりと取り組むとじわりと効いてくる広報ができる。

ロングセラーを狙うなら、ソーシャルメディアでの広報が欠かせないと思っているし、場合によってはリアルな場面での井戸端会議ならぬアドバタ(イジング)会議もやる。使ってみるとか体験するというのが不可欠な場合が多いからだ。

ファン層を作ってしまうとしめたものなのだ。

この夏、線香花火を楽しみながらソーシャルな広報を考えてみたいと思っている。

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