「映え」が分からないオトナたち。
ここ数年で日常用語とまで化した「映え」という言葉。
元は言えば、Instagramでオシャレに見える写真を指す用語として「インスタ映え」というワードがどこからともなく出現しましたが、最近は「インスタ」という修飾語は忘れられ、見た目がオシャレなもの、カワイイもの全般を「映え」と呼称するようになってきたと思います。
しかしこの「映え」である、という感覚は、全世代が持ち備えるものではないのかもしれないと最近気付きました。
キッカケは、父親と同年代の50代半ば位の男性と話していた時のこと。
話題は有名なインスタグラマーのことでした。
その人の写真はどれを見ても「映え」であるという話をしていると、その男性が一言。
「映え」の写真と、「映え」ではない写真の違いは何?
私はこの言葉に衝撃を覚えました。
なぜなら、「映え」か否かは、「犬」か「ネコ」かを見極めるくらい明らかで、誰にでもその違いが容易に分かるものだと思い込んでいたからです。
おそらく(私の感覚ですが)、学生時代からインスタ等のSNSが身近にあったミレニアルズ~Z世代には、「映え」リテラシー(今思いついた造語です笑)なるものが定着していると思います。
「映え」な写真を撮れる(または加工できる)腕があるかはまた別の話ですが、一般的に「映え」という抽象性が指すものがどんなものかを理解しているでしょう。
しかし、40~50代以上の方々にとっては、そもそも若者が言う「映え」が分からないという方も多いのかもしれないという気づきを得ました。
これは、この男性のみならず母親にも「どうしてこの写真がいいの?」と言われた経験があることから、個人的なものというより、世代的なものがあるのかもしれないと思いました。
(もちろん全ての方が「映え」が分からいとは言いませんが)
しかし、今やアパレルブランドをはじめとする多くの企業が、インスタでのPRを行い、「映え」な投稿が消費を生む時代です。
そういう中で、そもそも「映え」が分からないと辛いものがあるだろうなと思います。
そして、同じことは自分自身にも年を重ねていく中で起こることだろうと思っています。
現に、中高生が多用する「あげみざわ」なんて言葉を知ったのは流行してからだいぶ時間が経ってからでしたし、イマドキの中高生が使う流行語リストみたいのを見たときに分かる言葉がほとんどなく・・・
あっ、わたし年取ったんだ・・・と思いました。笑
流行語は別に頑張ってトレースして使う必要もないのですが、20代も半ばに差し掛かったので、今後はビジネスを考える上では自分の世代の流行だけを追っていくのではいけないなと思っています。
モスキート音が聞こえなくなるのと同じように、新世代の感覚が分からなくなるオトナにはなりたくないものです。
完全に理解できなくなったとしても、理解する努力はし続けていきます。