「生きていく」
私には人に言いにくいコトがある。
夏になると隠しにくい、左腕の傷跡。
まさか自分がこうなるなんて考えてもなかった。
当時のことは全く覚えていない。
そう、記憶が無い。
痛かったろうにどうやってお風呂に入ったんだろう。
確か何かに怒っていたっけ?
何に怒ってたんだ?
もう10年も前の話。
病院で働き始めて7年目。
息が苦しいと感じたのは、2年目の春。
担当していた患者さんが亡くなったことがきっかけでした。
それから電車に乗れなくなった。
座っているのに血圧が下がっていくのが分かる。
しゃがみこみないと目の前が真っ暗になる。
これじゃあ仕事に行けない。
人生で初めて “ 心療内科 ” に行った。
ドクターの言ってることに納得がいかなくて、3ヶ所も回った。
3人とも “ それはパニック障害だね ” と言った。
「息が苦しくなって死ぬかもしれないと思うでしょう?」
いや、それは思ってないんですよ。
息苦しくて仕事しにくいんです。
「仕事辞めた方がいいですね」
収入が無くなったら、どうやって生活するんですか。
仕事辞めなくていいように、病院に来たんですけど。
当時はそんなことばかり思っていて、通院するのを、服薬するのをやめた。
ここ最近は、「生きていたくない」と思うことが増えた。
死にたいわけじゃない。
生きていたくないだけ。
死ぬだなんて、そんな度胸ありません。
家族や仕事に迷惑がかかります。
これはパニック障害じゃないな。
なんでこんなことになってるんだ?
あ、おばあちゃん鬱っぽかった。
あ、母は躁病かもしれない。
遺伝?
だとしたら、私が出産したら
子どももそんな思いをするのだろうか。
それはかわいそうだ。
「気持ち悪い」
「あほちゃうか」
すみません。
気分を害してしまって。
どうして、私は
こんな風になってしまったんだろう。
私なりに考えてみた。