「背伸び」とお酒の思い出
さてまた今回から自分の飲みの思い出話やら自分語りなんかをしていこうか
今でこそ「スコッチウイスキーが大好き!」と胸を張って言えるぐらいになった僕だけれど、「茶色いお酒の入り口」はウイスキーではなく別のお酒だった、今日はそんなお話。
まだ僕が20代だった頃、学生時代の友達4~5人で年に一度TDRに遊びに行くということをしていた。
その時の楽しみの一つにその年の幹事が持ち回りで「ホテルでのバーでの飲みを奢る」というのがあったのだけれど、舞浜にあるリゾートホテルなのでやはりそれなりのお値段はするのだがそこはそれ「年に一度のお楽しみ」ということで皆気前よく払い、飲んでいたのを覚えている。
その時に僕が飲んでいたお酒は今のようにウイスキーではなく、ジントニックやブランデーだった。
学生時代からオッサン顔だった僕は、友人から「ダンディな飲み方が似合うんじゃないの?バスローブで膝で猫を撫でつつブランデーとかクルクルしてそうw」なんて冗談半分で言われていて、自分でも「それも悪くないな」と思ってしまい「じゃあブランデーを」なんて、味も良く分からないのに背伸びして飲んでいたものだ。
そういう「ちょっと拗らせた」エピソードがあるせいか、ウイスキーを飲むようになってからは実はブランデーを少し避けていたことがある、というかつい最近まで避けていた。
そんなブランデーと邂逅を果たしたのはかつて通っていたバーで
「クルボアジェ VSOPルージュ」を飲んだ時だ
マスターからのお勧めで飲ませて頂いたのだけれど、その時に「ブランデーってこんなにいい香りで美味しかったっけ・・・」と感じ驚いた
なにせそれまでの僕の記憶にある「ブランデー」は舞浜のシェラトンで飲んだ物だったけど名前は忘れてしまい、味も正直なところ「アルコール度数の強い酒だな」という感じ方しか出来なかったからだ。
クルボアジェの優雅で繊細な樽と葡萄の香りを味わいつつ
「これが年を重ねるということなのかな・・・」
と思いその一杯を楽しんだ。
そういえばつい先日、いつもオールドボトルを扱っている古着屋さんで特級時代のアルマニャック「モンテスキュー・ナポレオン」を手に入れた
その日の晩、グラスに注いでゆっくりと飲んでいたのだが
その姿がバスローブと膝に猫はいないものの、「ちょっといい椅子に座ってブランデーの入ったグラスをクルクルしながら飲んでいる40代のオッサン」そのもので思わずクスッとしてしまい
「やっとこういうお酒が似合う年になったのかな」
と独り言ちたのだった