「高いお酒」=「美味しいお酒」ではなくその逆もまた然り

部屋にバーカウンターを作り、自分の好きなお酒を並べて、「シングルモルトが好きです」ということを公言しているとよく言われるのが

「居酒屋で飲むみたいな安いお酒やっぱりは美味しくないんでしょ?」

という言葉。

まぁ、確かに世の中のイメージとして「安酒=まずいお酒」というのが広く認知されているのは否定はできない。

でも、安いお酒が決して不味い訳ではなく高いお酒が必ず美味しいということでもない、と僕は思っている。
今日はそんなお話。

さて、Twitterのフォロワーさん諸氏には「RTさんはいつもいいお酒を飲んでいて安いお酒なんて飲まないんだろうな」なんてひょっとしたら思われいるかもしれないが、実のところ僕は「安いお酒」大好きな酒飲みだ。

ここで気を付けてほしいのは「安いお酒」であって「安いお酒」ではないということ。

ちょっと前にとあるバーテンダーさんの主催するオンライン飲み会にお邪魔したときに話されていたことだけれど、詳しいニュアンスは失念したが

「お酒を楽しむには自分のお酒の物差しの「下の目盛り」と「上の目盛り」の基準があればあるほど良い」

ということを聞いたと思うのだが、全くもって僕はこれはその通りだと思っていて、たくさんのウイスキーやお酒を飲んできたから「高くて良いお酒」も知っているし「安くて良いお酒」も知っている
もっと言えば「高くてもそれほど自分には合わなかったお酒」もあるし「安くて自分に合わなかったお酒」もたくさんあった。

そうやって培った「RTの物差し」の中で色々なお酒を「美味しい」とか「合わないな」思えるように最近はやっとなってきたように感じるのだ。
何度も言うが、これは決して値段の話ではなく、極端に言えば「合うか合わないか」という話で
ひょっとしたら「山崎50年」が僕の舌には合わなくて「サントリー角」の方が合うかもしれない。

色々なお酒を飲んで色々な「合う」と「合わない」を自分の中にストックしていくことで「このお酒の飲み口は「合わない」けど後味や、料理とのマッチングは「合う」な!」という感じで「よかった探し」が出来るようになるのは自分のことながら幸せなことだと思っている。

だから、地元の安い居酒屋で出てくるゴリゴリに氷が詰まったハイボールもジャンクなメニューと合わせりゃ最強に美味しいし、ホテルバーやオーセンティックなバーで出される上品なハイボールもまた最高に美味しいと感じられるのだ。

よくクイズを趣味にしていると耳にするのは「知らないことを知るのは「世の中の解像度」を上げる事」という言葉だが、これはそっくりお酒にも、料理にも当てはまることだと思う。
お酒好きな皆様、家飲みの機会が増えているご時世だけど、これを機に自分の中の「お酒の物差しの目盛り」を増やしてみてはどうだろうか。


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