ニルスの不思議な旅とは

私は1998年から北欧スウェーデンの首都ストックホルムに暮らしています。スウェーデンで暮らすことになってまず始めたのは、スウェーデンを知ることです。その時代はネットはつながるものの、まだブログもなく、htmlを駆使したウェブサイトや掲示板で情報を得ていました。2002年に、海外在住日本人同士の情報交換も兼ねて、海外コラムのスウェーデン情報を担当することになり、その時に書いたコラム「ニルスの摩訶不思議な旅」をリライトしてみることにしました。

タイトルの元になった「ニルスの不思議な旅」をご存知でしょうか。この物語は、スウェーデンの国民学校教員協会が、スウェーデンの子どもたちに地理を知ってもらうことを目的に、女性作家セルマ・ラーベルレーヴに依頼したのがきっかけで1906年に作られた児童文学です。

セルマは女性初でスウェーデン人初のノーベル文学賞受賞者(1909年)として有名な作家です。2016年6月30日で廃盤になりましたが、20スウェーデン・クローナ紙幣には、表にセルマの肖像が、裏にニルスが描かれています。当マガジンの表紙画像は、20クローナ紙幣の裏面の画像です。

「ニルスの不思議な旅」は、14歳の少年ニルスがトムテ(スウェーデンの架空の妖精)によって小人にされ、ガチョウのモルテンやガンの群れとともにスウェーデンを旅するという物語です。ニルスとガチョウのモルテンが立ち寄るあちこちの地域を知ることで、子どもたちがスウェーデンという国に馴染んでいきます。

「ニルスの摩訶不思議な旅」は、未知の国スウェーデンを知るためにも、ちょうどいいタイトルとなりました。

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