見出し画像

コロナ禍で提案された北欧インテリアの最新トレンド

スウェーデンでは、2月9日にすべてのコロナ規制が解除されました。

感染拡大は広がったままですが、重症化しないとの判断から、これまでの生活に戻ろうということです。

スウェーデンはこれまでもロックダウンすることなく、人々は自分たちで行動を決めることができました。

それは有り難いことでもあり、自己責任が問われることでもあります。

私の場合は、ロックダウンとまではいきませんが、なるべく人に会わない生活をしていました。

まわりのほとんどの人が感染している中、まだ一度もコロナにもオミクロンにも感染していません。

規制も解除されたことですし、これからは、もう少し外に出てみようと思います。


さて、1月と2月はインテリアフェアやファニチャーフェアといった、北欧最大のデザインイベントが目白押しの季節です。

しかし、インテリアフェアFormexは中止、ファニチャーフェアは9月に延期され、どちらともに、オンラインイベントが開催されました。

インテリアフェアFormexはスウェーデン語での開催であり、ファニチャーフェアは英語での開催でした。

画像12

ファニチャーフェアは、オンラインを通して、海外デザイナーの登壇も多数あり、グローバルなディスカッションも積極的に行われました。

スウェーデン語のみで発信するインテリアフェアFormexは、国内向けに発信することで、より北欧の強みが強調されたように思いました。

オンラインによってグローバル化が加速され、それぞれの国らしさがますます分かりづらくなっています。

北欧デザインっていったいなんだろうと、改めて考えさせられる機会となりました。


今回のオンラインイベントでFormexが発表した、2022年春夏のトレンドを解説しましょう。

画像12

メインテーマは昨年に引き続き

「ネクスト・マインドセット」。


終わりの見えないコロナの時代を、どう過ごしていくかに焦点が当てられています。

希望が見えづらい中、身近にある楽しみを見つけよう、というヒントもあります。

長引くコロナ禍の中、以前の価値観はもう完全に捨て、気持ちを切り替えて、次のステップに進むことを提案しています。

さまざまなイベントが中止になり、旅行ができなくなり、人と会う機会が減ってしまい、何もかもが変わってしまってから、もう2年になります。

私たちは直接顔を合わせたいし、直接見たいし、感じたい。

でもそれができない。

できないことによって「共感」することや、自然に対する感謝の気持ちが強まりました。


コロナが落ち着く、なんて日は、永遠にこないかもしれません。

いつまで待っていても、事態はよくならない。

ならば、今できることをするしかありません。

次に進もうとしている人たちを応援するために、Formexは人々を元気付ける

3つのトレンドとトレンドカラーを提案しました。

トレンド1
心地よい暮らし/JOY OF COMFORT

キーワードは、ホーム、静けさ、ソフト、ハーモニー、自然、ガーデン。

画像8

コロナ禍で外出がままならなくなった現在、「ホーム/家」の存在の大切さを、実感しているのではないでしょうか。

日々の生活は少しずつ元に戻りつつありますが、ライフスタイルに対する考え方は、以前とは変わりました。

都心から地方に引っ越したり、生活を大きく変えた人もいました。

そして、多くの人が「物質的ではないもの」の価値に気づいています。

例えば、家族のために、子どものために、ペットのために、もっと時間を作れるのではないか、と考えるようになりました。


ホームは自分にとってのお城であり、安心していつでも戻れる場所です。

ホームをきれいに掃除し、花や植物を飾り、美味しい食事を作り、自分自身が生き生きできる場所として、居心地のいいホームづくりを目指しましょう。


Formexが提案した「心地よい暮らし」のカラーパレットは、アースカラーを取り入れた落ち着いた色合いです。

そこに、暖かいわら色や、ピーチを取り合わせて、調和のとれたカラーコーディネートを生み出しています。

画像3

インテリアは、木、石、ガラスなどの天然素材。

同じ色合いのトーンを合わせ、テキスタイルは、柔らかいものがよく合います。

時間とともにより美しく成長する、快適な天然素材を選びましょう。

スタイルのキーワードは、リラックスと地球にやさしいこと。

古いものと新しいものを上手に組み合わせます。

リサイクルアイテムとシンプルなデザインは、これからやってくる季節のインテリアデザインの重要なポイントになります。

画像4


トレンド2
深い川は静かに流れる/STILL WATERS RUN DEEP

キーワードは、ラグジュアリー、ボヘミアン、瞑想、書物、エレガンス。

画像9

「深い川は静かに流れる」ということわざがあります。

思慮深い人はゆったりしていて、やたらに騒がないという例えです。

中身がある人は悠然としていて、出来ていない人ほど騒々しいものだ、という意味です。

インテリアデザインは、飽きが来なくて、品質の高いことが重要です。

一生使えるものを選び、次の世代に受け継ぎ、中古品としても、価値があることが理想です。

消費に関して、環境に優しく、長く使えるものなど、現代の人々は、賢明な選択をするようになりました。

日々あふれかえる情報の中で、表層的なものが増えてきました。

その結果、人々は疲れ果て、心は栄養を求めるようになりました。

ここ数十年に渡り、持ち運びに便利な文庫本を買ったり、オーディオブックを聴いたり。

デジタル書籍を買うことが増えて、ハードカバーの書物が、家の中から姿を消しています。

とはいえ、劇場や映画の原作は、そのような書物が強いメッセージを発していることに気がつきます。

書物はふたたび、家庭での知識の象徴となるでしょう。

本棚を見直し、並べ方にもこだわりたくなるかもしれません。

家の中には、書物が増えていく予感です。


そこで提案されたカラーパレットは、クールブラウンの洗練された色調と、

グレースケールの調和が特徴的な配色です。

ニュートラルな色調をベースに、ブルーやブルーグリーンを加えています。

新鮮でありながらクラシックで正統派な印象を与えます。

画像5

インテリアは、控えめでラグジュリーさを感じさせます。

このスタイルを好む人は、自分の家を休息や瞑想のための落ち着いた場所と考えています。

家具は布張りで、吸音や遮光のためのテキスタイルが使われ、全体として調和が取れています。

画像6


トレンド3
幸せな逃避行/EUPHORIC ESCAPISM

キーワードは、カラフル、リラックス、奇想天外、個性、喜び。

画像10

予想外なこと、奇想天外なこと。

それこそが、私たちが今必要としていることかもしれません。

奇想天外なことによって、人々の笑顔を見ることができるかもしれません。

ちょっと奇抜な提案が、人々を楽しませるかもしれません。

だから、普通では合わせないような、喧嘩しそうな色合いも、思い切って合わせてみます。

クリエイターたちは、あえて大胆な色合いを選びます。

強烈なパステルカラーを、ピュアな色との組み合わせたり、あるいはグラフィックな白と黒と組み合わせたり。

本物とニセモノを組み合わせるクリエイティブなメドレーも。

アナログとデジタル、アートとテクノロジー。

モダンとロマンティック。

奇想天外なハーモニーを奏でると、人々はワクワクした気持ちになります。

ヴィンテージとして、世界中にファンのいる、スティグ・リンドベリの陽気なプリントやデザイン。

グラフィックと花や葉を組み合わせたリンドベリの色遊びは、人々の魂に永遠に刻み込まれています。

そこで提案された「幸せな逃避行」のカラーパレットは、クラシックではっきりしたパステルカラーと、明るい系の原色を合わせています。

ピンクとグリーンのハツラツとしたパステルカラーに、深紅色や青などの明るい色を加えています。

このトレンドカラーは、春と夏に先駆けて、ファッションとインテリアデザインの両方で見られます。

画像7

無機質な日用品に、色付きのガラスや、カラフルな再生プラスチックなど、明るい色の素材を加えると、新しい個性が生まれます。

遊び心があり、色の冒険や、大胆な表現により、楽しくて新しいスタイルが生まれます。

個性を映し出すアイテムとともに、オリジナリティを表現しています。

今シーズンは、なりたかった大胆な自分をカミングアウトしてみましょう。

画像8

Formexが提案する3つのトレンドは、それぞれが個性的であり、好みが別れます。

ぜひ、自分がいちばんしっくりいくと思うトレンドを選んでみて下さい。

もしくは、気分によって選んでみてもいいですね。

このトレンドは、部屋のインテリアの参考にもなりますので、どうぞ試してみて下さい。

そして、身近にある楽しみを見つけて、元気に過ごしましょう。


いいなと思ったら応援しよう!