【旅行#17】スウェーデンのラップランド、北極圏の玄関口キルナ旅
南スウェーデンで春の訪れを感じる頃。オーロラの時期としてはギリギリのポスクホリデー(イースター休み、のことです)を使って、スウェーデンのラップランドにあるキルナに行ってきました。
期間としては3月28日~31日までの3泊4日。オーロラを見れる確率を上げるために泊数を増やし、移動は飛行機を使いました。夜行列車という手もあったんですが、時間がかかる割に飛行機の値段と数千円しか違わないということで、飛行機を選択しました。
3月28日
Lund to Arlanda airport via Uppsala
出来るだけ移動費を安くする為に、早朝4時発の特急列車に乗りました。この電車が1番安かったんです。寮から駅へのバスやトラムもなかったので、3時過ぎに寮を出て歩いてきました。疲れもあってか、乗り込んだ後すぐに眠りに落ち、気が付けば朝8時のストックホルムに着いていました。
ストックホルムは12月に訪問した際に、観光したいと思っていた場所は粗方行ってしまっていたので、今回は少し足を伸ばして、ウプサラに行ってみることにしました。
ウプサラへは中央駅から電車で一本。アーランダ空港を通り過ぎて数駅の場所にあります。ウプサラの滞在時間は数時間程度だったんですが、別の記事にする予定です。お楽しみに。
Arlanda airport to Kiruna
ウプサラからバスに揺られること1時間弱。アーランダ空港にやってきました。この空港を利用するのはこれが2回目。アーランダ空港は、保安検査の時に水を捨てなくていいよ、と言われる印象が強いです(笑)。
スルッと検査を抜けて、待合室でぼんやりした後はキルナ空港に向けて1時間40分のフライトです。航空会社はいつものスカンジナビアン航空(通称SAS)です。
燃えるような夕陽をみることができました。そこまで大きくはない飛行機でしたが、席はほぼ満席でした。家族連れの方が多かったので、おそらくポスクホリデーを使ってきた人たちなんだと思います。
飛行機から地面に降り立つと、一気に冷たく乾いた空気が吹いていました。国内線しか飛んでいない空港なので、こじんまりというか、全てが小さかったです。簡素な待合室があるだけで、簡単に反対側の駐車場へと出ることができます。
市内へはバスを使いました。飛行機の時間に合わせて運行しているので、飛行機が遅延したらこのバスも一緒に遅延してくれます。乗り場で運転手からチケットを買えます。学生料金はないので、大人料金を払いました。高い。
オーロラハント
宿についてひと息ついた頃、オーロラの予測アプリ上でオーロラが見えていたので慌てて外に。キルナ市内では、キャンプリパンというホテルの近くが標高も高く、比較的照明も少ないらしく、撮影しやすいという情報を得たので、それを信じて行ってみました。確かにその辺りは明かりも少なく、実際に何枚かオーロラを撮ることができました。
肉眼では見えづらく、カメラでISO感度や露光時間を調節してようやっと分かるオーロラがメインでしたが、ほんの少しの間だけ激しく動くオーロラも見ることが出来ました。よく写真で見るような空一面に広がる色の濃いオーロラは見ることは出来ませんでしたが、それでも大満足でした!
3月29日
Spill saluhall & eatery
せっかくLaplandに来たのだからトナカイの肉が食べたいね、という話になり、宿から数十分歩いて行ってみました。中に入ってみると、北欧らしい洗練されたオシャレな雰囲気のレストランでとてもびっくりしました。
平日のランチメニューはトナカイ肉のシチューがあるとWEBサイトに書いてあったのでそれを目当てに行ったのですが、私がキルナにいた期間はちょうどポスクホリデーの期間で、休日メニューになっていました。休日のブランチメニューには、トナカイの肉を使ったパスタがあり、それを食べることに。人生初のトナカイの肉。クセのある味かと思いきや、意外と美味しいのでまたびっくりでした。少し硬くて乾燥している牛肉がおそらく1番近い味かと思います。リンゴンベリーも添えられていて、またかよと思いつつも、とてもおいしかったです。
kiruna new central
バス停を探すついでに新しく建設途中のセントラルに行ってみることにしました。大きな時計塔や町役場、ショッピングセンターなどがありました。(まあほぼ全部ポスクホリデーで閉まっていたんですけどね。)
本来ならもう少し賑わいのあるエリアとは思いますが、この時は本当に閑散としていました。再開発の途中のようで、あちこちが工事中でしたが、おそらく冬の期間はあまり工事は進められないのでしょう。カバーをかけて放置されているところを何ヶ所か見かけました。こんな北の果ての地にも、Espresso Houseがあって、スウェーデンらしさも感じることができました。
キルナ教会
バスステーションで下車し、キルナ教会へ。サーミ族はスウェーデンへの帰化政策の過程で、キリスト教への改宗を迫られた背景があるので、どんな雰囲気なのかと少し緊張しながらの訪問でした。
思ったよりも縦にも横にも広い空間に、北極圏の厳しい日差しを和らげるようなガラス窓が施してあって、教会という場所の普遍の神秘性を感じました。
3月30日
Kiruna in Swedish Lapland
キルナの観光案内所で、北極圏を訪問したという証明書を販売していると聞き、それはぜひ欲しい!と行ってみることに。Google maps上の情報では20sekとありましたが、実際は40sekと言われました。値上げは辛いぜ。WEBサイトにも絵柄や詳細は一切載っていなかったので、存在自体半信半疑だったんですが、無事にあってよかったです。名前は自分で書き込むタイプでその場でサインペンを貸してもらえます。
Nutti Sámi Siida
実はここが1番楽しかったかもしれません。サーミ族に関する展示とトナカイの餌やりができる野外博物館です。入場料が学生で200SEK(=約3000円)という北極圏価格で、行くかどうか渋っていたのですが、結果としては大満足でした。ちなみに餌やりは別途でお金がかかります。確か50SEKだったと思います。
少し奥の方へ行くと、囲いの中でトナカイが放牧されているエリアがあります。間近でトナカイを見たり、餌をやったり、撫でたりできます。中に入ってくる人間が餌を持っていることを知っているので、入り口付近にトナカイが集中しています。まあまあな勢いで追いかけてくるので最初は少し怖かったんですが、途中から慣れてきました。トナカイの背中を撫でながら、そういえば昨日トナカイの肉食べたんだよな……と一瞬考えて、サーミ族だってそうやって暮らしてきたんだからそういうもんだ!と思うことにしました。
この日はずっと吹雪いている+寒すぎて、野外の展示をじっくり見ることは出来ませんでした。とはいえ、トナカイに会えたのは本当に楽しかったです。キルナ市内からは少し離れているので、しっかりと公共交通機関の時刻表を見て計画を立てることをオススメします。
Jukkasjärvi church
キルナ市内へ戻るバスを待つ間、野外ミュージアムの横にあった教会に来ました。可愛らしい外観とは打って変わって、少しラテンな雰囲気を感じる絵(めちゃくちゃ雪積もってるけど)が描かれていました。
こじんまりとした教会でしたが、野外ミュージアムと併せて行ってみてもいいかもしれません。
3月31日
Kiruna to Lund via Stockholm
この日は移動でした。13時頃に出発する飛行機だったので、昼ご飯をバーガーキングで食べてから空港へと移動しました。行きと同じように空港へ行くシャトルバスを利用しました。
少し遅延したものの、ストックホルムで夜行バスへ乗り換える数時間が短くなるだけなので何も問題はありません。アーランダ空港から市内へは、まずバスに乗り、それから電車に乗り換える方法で行きました。この方法のいいところは、安さです。乗り換えなしの電車で市内まで行けるんですが、追加料金を取られるので、バスを使うことで安く済ませることができるんです。
ストックホルム中央駅に着いた後は、いつも通りFlixBusを待つだけ。どうせ寝れないと分かっていたので、この時は大量に動画をダウンロードしていきました。翌朝、定刻より20分ほど早くLundに到着しました。
まとめ&おまけ:大変だったこと
以上、学生の貧乏旅行で叶えられる最大限のキルナ旅行でした。とはいえ、この旅行を再現するのはかなり難しい上に上手くいくとも限らなそうなので、一応今後行きたいなと思っている方向けに注意書きを残しておこうと思います。
移動手段が限られてる
正直、車がないとかなりキツイです。一応、バスを使って移動できるようになってはいますが、予定がかなり縛られます。
スウェーデンのバスは他のヨーロッパの国々と比べて、まだ時間通り来ることが多いとは思っていますが、それでも日本と比べたら来ないことも多々あります。また、基本アナウンスや貼り紙はスウェーデン語です。今回のようにポスクホリデーなどの祝日や連休にぶち当たると、バスの運行スケジュールが変更になっていたりします。もちろん、運転手さんに英語で質問すれば、教えてくれるのでその度胸が大切です。
バスの時刻表に関してですが、一本逃したら次がない、なんてこともキルナではよくあることなので、時間に余裕を持って行動することをオススメします。あとは、歩ける範囲は頑張って歩きましょう。私は40分の道のりを往復で歩きました。遠かった……。
ツアーの値段が高すぎる
北極圏価格なのか、全部高いです。オーロラツアーは基本2万円越え。これを毎日やろうとすると、数万円が数日で飛んでいきます。悪天候でのキャンセルの可能性もありますし、ツアーに参加したからといって、オーロラが必ず見えるというわけでもありません。学生からしたら、1回2万円の大博打です。ちなみに犬ぞりツアーやトナカイそりツアーも基本このくらいの価格orそれ以上出さないと何も出来ません。
リゾート地として知られる場所なだけあって、他のエリアのスウェーデンとは、いろんな意味で一線を画す場所でした。
そもそもキルナに行くまでの交通費で6万弱、宿代に2万弱かかっていたので、他の国へ旅行に行くよりもかなりお金がかかりました。お金の余裕は心の余裕なので、今度は社会人になってある程度の稼ぎを得てから再訪したいです。
以上、キルナ編でした!