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【北欧留学】交換留学生の授業ってどんな感じ?~ウプサラ大学~

Hej, hej!

今回はスウェーデン、ウプサラ大学での学部交換留学生の授業についてです。
交換留学を考えている・もしくはこれから行くという方で、授業について気になっている方は多いのではないかと思います。

「グループワークやプレゼンテーションが多いって聞いたことがあるけど本当?」
「論文をたくさん読まないといけないのかな?」
「スウェーデンの大学の授業にはどんな特徴があるの?」

そんな疑問を持っている方におすすめ!
この記事では、スウェーデンのウプサラ大学の授業の特徴や日本との違い、2種類の異なるタイプの授業を受けてみた感想などを書いていきます。


スウェーデンの授業の特徴

授業は集中講義が基本!

スウェーデンと日本の大学の最大の違いは、授業のスケジュールです。日本の大学では半年かけて複数の科目を並行して取るのが一般的ですが、ウプサラでは「5週間かけて一つの科目を集中して学ぶ」スタイルが基本でした(ウプサラ以外にもストックホルム大学などがこのスケジュールを採用しています)。

例えば下の図のように、「経済1、法1、政治1、歴史1」の4つの科目を取るときに、日本の場合は各科目を学期の初めから終わりまで「細く長く」学ぶのに対し、ウプサラでは初めの5週間で経済1、次の5週間で法1、、、のように「太く短く」学びます。

この履修スタイルの良いところは、一つの科目に集中できるため授業内容を理解しやすいこと、学期末にいくつものテストやレポートを詰め込まなくて良いところだと思います。

一方で、数週間の中でイントロダクション〜最終試験/レポートまで行うので、授業内容を短い期間できちんと理解する必要があり、少し忙しさも感じます。クリスマス休暇・夏休み以外に長期休みは無く、試験を終えても次の日から新しい科目の授業が始まるため「試験が終わった!解放された!」というような感覚も日本ほど強くはないように感じられます。

取る科目によって異なる1週間のスケジュール

日本では1学期の間「月曜は⚪️限で火曜日は⚪️限で、、、」というように、平日のスケジュールは常に同じ事が多いと思います。スウェーデンでは集中講義のスタイルを採用しているため、1週間のスケジュールが一定ではないことが多いです。

ウプサラでは5週間のスケジュールは受ける授業により異なっていました。例えば私が以前受けたある授業は「1週目は毎日講義、2週目はセミナーを2つ、3週目にまた講義、、」というスタイル。一方で「出席は1週間に1-2回のセミナーのみ、あとは各グループでレポートの作成」というようなスタイルもありました。

講義とセミナーで受ける教室が違うこともよくあり、突然日程が変更したりすることもあるため、常にスケジュールをチェックして時間や場所を間違えないようにする必要があります。

「双方向」の授業

スウェーデンの大学の授業の特徴として、双方向性の高さも挙げられます。多くの授業は講義だけでなくセミナーやプレゼンテーションなども含んでいて、生徒同士が意見を発表したり議論をする時間がたくさんあります。

グループでプレゼンテーションをすることもあり、準備は大変ですが、他の学生の意見や経験などから学べることもたくさんあり、貴重な体験ができているなと感じます。

また、講義中にもディスカッションの時間が取られることがあります。講義内で教授が質問を投げかけ、近くの学生同士が2、3分の間話し合います。

日本と比べて全体的に発言する機会が多いので、慣れないうちは大変に感じますが、その分授業に参加できている実感が強く感じられる良い仕組みだなと思います。

履修を組む時の注意

授業のレベルによって受けられない場合もある

留学生として履修を組むときに、いくつか気をつけなくてはいけないポイントもあります。
まず、授業のレベルによって受けられないものもあるということです。

私の場合は全学交換留学で留学していたため、基本的にどの学部の授業も取ることができました。しかし、実際はレベルの高めの授業を取る際には、事前に関連科目の単位を30〜60単位ほど取っている必要があり、こうした条件を満たせない授業も多くありました。

ただ、教授にメールをしたら履修を許可してもらえたという話も聞いたので、どうしても受けたい授業があったら教授や学部に連絡をとってみるのが良いと思います。

例えばこの授業では、教育学や政治学の授業をあらかじめ受講していることが求められます。

受けたい授業が被る場合がある

日本においても言えることですが、受けたいと思っていた授業が被ってしまい片方受けられなかった、という場合もあります。

私の場合も、面白そうだと感じた授業の多くが始めの5週間に開講されていて、次の5週間は興味のない授業ばかり開講されていた、ということがありました。

こればかりはどうしようもありませんが、履修のシステムをよく理解して、計画的に履修を組み立てることをお勧めします。

2つの授業を受けてみて感想・比較

次に、私がスウェーデン・ウプサラ大学で実際に受けた二つの授業を紹介しようと思います。この二つの授業は内容だけでなく、規模や人数、雰囲気も異なり受けていて興味深かったです。

Peace and Conflict Studies A (平和学)

この授業は、主にスウェーデンのコース生向けに作られている授業です。A、B、Cのレベルに分かれていて、Aは初学者向けでした。この授業は、基本的に8月の末から1月のはじめまでの1学期をまるまるかけて受講するコースです。ただし、コースは4つのモジュール(各5週間)に分かれており、留学生やコース生でない他の学生は好きなモジュールだけをとって受講することもできます。各モジュールは、主に講義やセミナーで知識をインプットするタイプのモジュールと、その知識を使ってレポートを書くモジュール、というような内容でした。各モジュールによって評価方法は分かれていますが、セミナーへの出席・発言、レポートの出来などが評価対象でした。

この授業の特徴は、規模が大きいことと、受講生の大半がスウェーデン人であることです。正確な数は分かりませんが、70-100人ほどが受講しており、講義は大きな教室で受けていました。セミナーでは各10人ほどのグループに分かれ、ディスカッションをしたりレポートのフィードバックをしたりしました。

授業やディスカッション自体は英語ですが、大半の学生がスウェーデン人ということもあり、授業前や休憩中にはスウェーデン語が飛び交います。スウェーデン人の友達を作るにはピッタリですが、留学生にとっては少しアウェイ感がある気もしました。もちろん、スウェーデンの人は親切なので、英語で話しかけたらちゃんと英語で話してくれますし、セミナーなども穏やかな雰囲気で進むので、困ることはありませんでした。

授業を受けていて面白いと思ったのは、教授や生徒同士の話の中にスウェーデンの事例が出てくること。「例えば、スウェーデンはこんなことをしたことがあるけど、、、」などと、日本にいるとなかなか見聞きすることのないスウェーデンの事例を多く聞くことができるのは、興味深かったです。

平和学の講義を受けた大学の建物

Changing Geography of Sweden (スウェーデンの変わりゆく地理)

この授業は、留学生のみに開講されている授業です。スウェーデン社会について知るための授業で、特に事前知識もいらないため、文系理系問わずさまざまなバックグラウンドを持つ学生が受講していました。受講者はおよそ20人ほどで、アットホームな雰囲気でした。講義とセミナーが週に2-3回ほどあり、セミナーの場合は事前に指定文献を読んで参加する必要があります。

この授業はスウェーデンの社会に対する様々なトピックを扱い、その度に教授が変わるオムニバス形式の授業でした。教授がみな非スウェーデン人で、批判的に鋭くスウェーデン社会を分析していたのが印象的でした。

留学生が受ける授業ということもあって、ディスカッションの際にはさまざまな国の事例を聞いたり比較したりすることができたのが、とても良かったと思います。人種差別や移民問題、森林政策など、普段はあまり話すことのないトピックについて他の国の事例を聞くことで、日本のことについても改めて考え直す良い機会になったと思います。
ちなみにですが、こちらの授業はそこまで成績評価が厳しくないように思いました。レポートの内容や最後のプレゼンテーションの内容も比較的自由で、みなのびのびと受講しているような雰囲気でした。

まとめ

今回は、スウェーデンの大学の履修システムや授業について紹介しました。海外の大学には、日本の大学ではなかなか受けられないような授業がたくさんあると思います。みなさんも、留学の際にはさまざまな授業を調べてみて、面白いと思えるような授業を受講してくださいね!

次回は、「ウプサラでの院留学(心理学)~なぜ私はスウェーデンへ?」」です!お楽しみに!Tack!
もっと知りたい方は、こちらのInstagramへ!@sweaters_jp
https://www.instagram.com/sweaters_jp/
定期的にスウェーデンに関する魅力的な情報を投稿しておりますので、ぜひご覧ください!


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