【北欧留学】①きっかけ編:ウプサラでの院留学(心理学)~なぜ私はスウェーデンへ?~
Hej, hej!
今回から、2023年8月から2025年6月まで約2年間、ウプサラ大学の大学院に正規留学をしているメンバーYから、その体験記を【きっかけ編】【準備編】【院留学生活編】の3編に分けて、時系列順にお届けします!
今回の第1弾は【きっかけ編】。そもそも私がなぜ、どんな想いでスウェーデンに来たのか、幼少期から大学4年生までの個人的な経験からお話します。
これまでのSweätersのnote投稿とは少し毛色が違う、より個人的な経験や想いを綴った投稿をお楽しみいただければ幸いです。
スウェーデン行こう!と思い立つまでの経緯(2022夏)
幼少期:いつかスウェーデンで暮らしてみたいという夢
私がスウェーデンという国を知ったのは小学1年生で、全ての始まりは、スウェーデンから東京へ仕事の転勤で近所に引っ越してきた、スウェーデン人家族との出会いでした。
彼らが帰国するまでの約1年、スウェーデンの人や言語、食、文化にどっぷり触れ、スウェーデンがぐっと身近になりました。長身で金髪のスウェーデン人(今でこそスウェーデンは多民族国家だと実感しています)、スウェーデン語、クレープのように薄いパンケーキや、チーズとキュウリのシンプルなサンドイッチ、ジンジャークッキーやKEXというチョコ、長靴下のピッピのパソコンゲームなどなど、それまで触れてこなかった世界観にたくさん触れ、毎日が新鮮だったのを覚えています。
彼らの帰国後も、私は文通で交流を続け、スウェーデンらしい自然の素材を使ったあたたかいデザインの手作りのポストカードを受け取ったり、向こうの暮らしぶりを聞いたり感じたりする中で、スウェーデンに対する好奇心が増していきました。
そして遂に、小学生と中学生の時、夏とクリスマスに、スウェーデンへ遊びに行ったとき、夏と冬、都市と田舎で違う顔を見せるスウェーデンの魅力に衝撃を受けました。
ストックホルムはさすが「水の都」と言われるだけあり、街のどこにいても水や緑の自然が感じられ、石畳が多く、今と昔が融合したすっきりした街のデザインや、駅ごとに違うデザインを楽しめる洞窟のような地下鉄駅、可愛らしい小物やスイーツなどが豊富なのが魅力的でした。
初めてストックホルムを訪れたときはクリスマスで、街は雪をかぶり、実際には氷点下なのに街に灯る暖色の灯りがとても心に暖かく、しんと静かで、厳かな、美しい雰囲気がとても綺麗でした。
一方、スウェーデン人の友人家族が住む郊外は、隣の家が見えないほどどこまでも鮮やかな緑の草原が広がり、遠くには林が見えます。
夏には、子供達だけで離れの小屋で寝たり、庭のツリーハウスに上ったり、庭で実った野菜やフルーツを収穫したり、近くの牧場に行って馬や牛を眺めたり、トラクターに乗せてもらって近くの森で大人たちが用意してくれた宝探しをしたり、野生のブルーベリーを摘んで、起こした火でパンケーキを焼いて一緒に食べたり…東京生まれ育ちだった私には、まさに絵本のような暮らしが嘘のように素敵すぎて、衝撃的だったのです。
2回目に友人宅を訪れたときはクリスマスで、心地いいデザインの温かい室内でろうそくを灯し、家族、親戚、友人とゆっくり過ごしました。
何日間にもわたってお互いの家を訪れ、クリスマスビュッフェを食べ、伝統衣装を身にまとい、サンタの仮面をつけた親戚のおじさんが再登場し子供達にプレゼントを配ったり、チェスをしたり、トランプをしたり…ちなみに、このクリスマスビュッフェでは、“Julbord”(読み:ユールボード、直訳:クリスマステーブル)というクリスマスの伝統料理を頂きます。
こうして、中学生の頃には、私はいつかスウェーデンで暮らしてみたいと、漠然と、けれど強く思うようになっていました。
大学生:コロナ禍での交換留学と就活、諦めきれなかったスウェーデン
大学に入学した当初から、1年間の交換留学でスウェーデンに行けたらいいなと思っていましたが、先の見えないコロナ禍(特に学部2,3年)に突入し、学部3年の夏からの交換留学と就活の両立は、あまりに負担が大きいだろうという不安から、交換留学を断念しました。
同時に、私たち学生はオンライン授業ばかりであるのに対して、社会人は比較的早い物理的な「社会」復帰を果たし、従来に近い「社会」生活を送っている様子を見て、就活に対する意欲、興味が沸き、典型的な就活生として学部3年の夏頃から就活を始めました。
説明会やインターン、面接参加、ES提出などを通して、なんとなく自分が関わりたい業界や職種は分かってきたものの、就活の殺伐とした競争的な雰囲気や、本音と建て前のギャップ、水面下で情報戦が動く様子、画一的な雰囲気に圧倒され、自分がどのように就活を続けたいのか迷うようになりました。なにより、留学もしないまま、特に念願だったスウェーデンに行かないまま、就職してしまうのは人生つまらなくないか?自分は後悔しないだろうか、と思うようになりました。
本選考を控えた私が出した結論は、インターンや座談会に参加したことで今年度の選考過程で他の学生よりも有利に進んでいる企業だけは最後まで頑張り、もしダメなら、スウェーデンに行く方法を模索しようということでした。その結論を出すうえで自分の軸となった考え方は、人生を長期的に見て、「今」やった方がメリットが大きい事から順番に達成していこうという考え方でした。その他の企業は今でも来年以降でも、選考での有利性は変わらなさそうなこと、一度就職して働きだせばスウェーデンに行く機会が先延ばしになりそうなこと、結婚や子育てなど他人に責任を持たない若くて身軽な今だからこそ「スウェーデンで暮らしてみたい」という自分勝手な夢を叶えやすいことなどを考慮して、自分で納得して決意できたと思います。今振り返れば、この決断が、就活のストレスやわずらわしさからの現実逃避では全くなかったと言えば、嘘だと思います。でも、自分で考えて決断したことは自信にもなりましたし、「人生のレールから外れたこと」は後悔はしていません。
結果的に、企業から内定を頂きましたが、いま自分が一番やりたいこととは違う気がして、学部4年の6月末に内定を辞退して、さぁここからどうしようと考え始めました。
その際、もう一つの夢である心理カウンセラーになることも検討しました。大学入学前から心理学に興味があった私は、学部でも心理学を専攻していて、こころの悩みを抱える人が再び前を向ける後押しをしたいと常々思っていました。内定辞退後の7月は、まずは心理カウンセラーの現状(民間資格の臨床心理士、国家資格の公認心理師など)について、大学の教授やカウンセラーに話を聞いたりして、情報収集をしました。
詳細は割愛させて頂きますが、結論としては、カウンセラーを目指すことよりもスウェーデンに行くことを目指す方が、今やるメリットが大きいと考え、学部卒業→スウェーデンに行く→就職する→カウンセラーの資格を取る、という人生設計を今のところは立てることにして、学部4年の7月末にはスウェーデンに行く方法を模索し始めました。
まとめ
今回はウプサラ大学での大学院・2年間の正規留学の体験記の第1弾【きっかけ編】をお届けしました。幼少期の偶然の出会いから、自分の人生に「スウェーデン」という軸が加わり、その軸がいつでも心のどこかにあった結果、紆余曲折ありつつも、今スウェーデンに来れていることを、私自身、とてもありがたく、運命的に感じています。
何か、自分が人生で叶えたいこと、好きなこと、頑張りたいことは、自分自身を形作る、自分らしさの魅力の一つだと思います。それらを今すぐに叶えることは難しくても、人生を長期的に見て、パズルのピースをはめるようにやりたいことを並べてみると、案外叶うかもという気がして、ワクワクしてきませんか?そして、自分はこれが好きなんだよね、いつかやってみたいんだよね、と周りになんとなく日頃宣言しておくと、なんだかいつか叶う気がする、叶えなきゃと、自分の考え方や行動にも変化ができてきて、自分が思い描く人生に近づくかもしれません。
次回は【北欧留学】②準備編:スウェーデン・ウプサラでの院留学(心理学)~フォルケホイスコーレとの比較、出願と卒論の両立~をお届けします。
次回もお楽しみに!tack!
もっと知りたい方は、こちらのInstagramへ!@sweaters_jp
https://www.instagram.com/sweaters_jp/
定期的にスウェーデンに関する魅力的な情報を投稿しておりますので、ぜひご覧ください!
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?