「花と雨」試写会レビュー
長くつぼんだ彼岸花が咲き
空が代わりに涙流した日
2002年9月3日
俺にとってはまだ昨日のようだ
先日12月17日に渋谷のヒューマントラストにて、映画「花と雨」の試写会に行ってまいりました!
「花と雨」といえば、あのレジェンドラッパー、SEEDAさんの名盤が浮かびますが、今回の映画ではそんなSEEDAさんの、幼少期からラッパーになり、様々な問題を抱えながらも成長していく過程が描かれています。
「花と雨」のリリックにもあるように、今回の映画ではSEEDAさんの姉の死についても大きくフォーカスしており、SEEDAさんと姉の関係性や、人間の脆さ、近くにいても気づくことの出来ない孤独などが痛々しく描かれていました。
映画自体の公開は1月17日なので、みなさんぜひ見に行ってみて欲しいです!
SEEDAさんのことを知っている人も、知らない人も楽しめると思います。
また、今回の試写会では主演の笠松将さん、監督の土屋貴史さん、ラップ指導の仙人掌さん(!)が映画終了後に登壇し、司会の渡辺志保さんを進行に、トークのコーナーも設けられていました。
監督は、この映画のこだわりについて、「言葉の映画なので言葉だけで表現せずに映像で表現したかった。」と語っていて、ラップの中ではリリックとビートで表現されていたものが、映画の中では彼らの空気感であったり、表情を通して「花と雨」を感じることが出来ました。
また、仙人掌さんは、「音楽は少数で動いていることが多いが、映画だとたくさんのスタッフがいて、自分の中ですごく良い刺激になった。」と語っていました。仙人掌さんといえば、MONJUのメンバーでも有名ですが、今回のようにラップ指導をしているのは初めて知りました。実際に主演の笠松さんも仙人掌さんのライブへ行ったらしく、そこで彼のステージに衝撃を受け、自分でリリックも書くようになったそう。
試写会の最後には自分の気持ちをラップに乗せて披露していました。
内容は、正確にここに描き起こせるほど記憶に残ってはいないんですが、ラップ初心者の彼が堂々と観客の前で自分のリリックを披露していて、その立ち振る舞いも自信があり、知らない間に私は涙ぐんでしまいました。
こんな風に堂々と自分の気持ちをリリックに乗せることのできて、聴かせることができる、それには彼の度胸もあると思いますが、仙人掌さんにラップの指導をしてもらったり、映画の中でSEEDAさんがモデルの「吉田」に触れることが彼の中で大きな変化になったのではないかと感じました。
なんだか羨ましい気持ちになってしまった。私もいつかあんな風に自分を表現できるようになりたいな。
公開したらまた見に行こう...
みのり
画像:Abema HIP HOP TIMESより引用