「独り占め」では生きられない $01
💲「モノポリー」の起源
「モノポリー」をご存知だろうか。毎年世界選手権も開催されるほどの有名ボードゲームだ。
双六の要領で盤上を周回し、止まったマスの不動産を得て、高額な賃料をほかのプレイヤーから徴収することで破産させていくというゲーム。「モノポリー」は「独占」という意味だ。
その原型は1904年、エリザベス・マギーによって作られた「ランドローズ・ゲーム」に遡る。彼女はヘンリー・ジョージの著書「進歩と貧困」に影響を受けて、経済の教材としてこのゲームを考案したと言われる。
土地の私有が社会の公平を妨げているという考えから、地価単一税による収入で、年金やベーシックインカムなどの富の再分配を行い、社会的公平を保とうというのがこの著作の内容だ。この考えは、著者の名前にちなんでジョージズムと呼ばれている。
ジョージズムを支持していたマギーが、なぜこのような資産が資産を産むゲームの原型を考案したかはわからない。こうした社会の不公平さを体感させることで警告したかったのだろうか。
いずれにせよ、この「ランドローズ・ゲーム」はいくつもの亜流ゲームを生みながら、チャールズ・ダロウよって1933年に翻案される。更に1935年に版権を買ったパーカーブラザーズが、髭とシルクハットのキャラクターを付けて量販することで、人気ボードゲームの地位を得ることになる。