【下編】電動キックボード、運転のポイント
前回のおさらい
前回は、直進と右左折について、安全に走行するための注意点を掲載しました。
総括したポイントは、急な動きをしないこと、相手の死角に入らないことの2点です。
前回の記事はコチラ→【上編】電動キックボード、運転のポイント
今回は、もっと基本に立ち返った4つのポイントで、電動キックボードを運転する時に注意したいことをまとめてみます。
電動キックボードの特徴
電動キックボードは、公道を走行する乗り物の中でも、車輪が小さい乗り物です。
したがって、段差や、道路のひび割れなどが、比較的苦手な部類の乗り物になります。他には、バイク同様に雨の日が苦手であったり、幹線道を常時走れるような乗り物ではないといえます。
今回は、その対応や見極めについて話していこうと思います。
1.雨が苦手
電動キックボードは雨が苦手です。防水対策や、多少の水に対しては対応出来していますが、バッテリーや内部基盤の保護の観点から、室内保管が推奨されるものがほとんどです。
これが、電動キックボードが雨を苦手とする最たる理由ですが、もう一つ。
雨の電動キックボードは、左側を走る特性上、ゴミが流れてきたり、深い水たまりがあるなど、転倒の原因になるものが晴れの日よりも多くなります。極力避けるのが無難です。
とはえい、輪行袋などがあれば、バスや電車で移動も可能ですので、組み合わせて使うとよいでしょう。
2.小さな段差にも注意
段差は、小径タイヤが苦手とする最たるもので、要注意です。
細かい旋回に優れる小径タイヤですが、その反面となる特徴です。理由は、小径がゆえに衝突角度が大きくなり、衝撃が強く伝わります。
衝撃の強さを比較するために、その角度を概算してみると、4cmの段差で計算してみたところ、8インチではおよそ50°、自転車など26インチではおよそ29°と、大きな差が生まれます(概算なので参考値ですが)。
壁のように、衝突角度が90°というわけではありませんが、4cm前後でもそれなりに注意しましょう。
3.道路のひび割れには注意する
道路のひび割れに注意するといわれると、目の前を横切るようなひび割れを想像しがちです。しかし、最も厄介なひび割れは、進行方向と同じ向きにひび割れた縦溝です。
縦溝は、通過に時間がかかるうえ、車体が左右に振られるような影響が加わります。
速度が高いほど影響がでるので、速度を落として通過するなどの対応が必要です。
似たようなものでは、山道にありがちなグルーピング工法の縦溝がされた道路があり、車輪の大きなバイクでも苦手という人が多い道路の特徴です。
4.幹線道は、走らない方が無難
小径タイヤは、細かい旋回や、加速力に優れた形状です。その反面に最高速の維持が苦手という特徴があります。
そのため、高速巡行となる幹線道では、速度の上下が起きやすい小径タイヤにとって、苦手な道路のひとつです。
高速域で不安定になりやすい要因として、タイヤを支えるフォークの短さや、フォークが地面に対しどれくらいの角度かというキャスター角にも要因があり、高速巡行が苦手という特徴があります。
電動キックボードは、現在は原付扱いですので、幹線道が走れないわけではありません。
スキルが向上して、周囲や路面の状態を余裕をもって確認したり、安定した速度維持などが出来る、結果まっすぐ走れるようになるまでは、出来る限り幹線道には出ないほうがいいでしょう。
しかしながら、電動キックボードはもともとラストワンマイル問題を解決するために発展してきた乗りものなので、高速巡航が必要な幹線道路などには不向きであるということは念頭に置いたほうがいいでしょう。
まとめ
電動キックボードの走行を安全に行うために、注意するポイントはこの4点です。
その他のポイントとしては、マンホールや、横断歩道などの白線といったグリップが低いものに乗るときは注意するなども挙げられます。
キックボードの特徴をよく知って、その乗り物にあった乗り方をするのが安全運転の近道です。転ばぬ先の杖とよく言いますが、この記事がその杖になってくれればと思います。
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