【調査】13歳にして3社の倒産に巻き込まれた白菊ほたるさんはどれほど不運なのかについて、フェルミ推定のような何かを用いて検証する

2019年1月21日、モバゲー版アイドルマスターシンデレラガールズ内に、白菊ほたるさんのキャラクターボイスが追加されました。

僕はほたるPなので、この出来事を大変嬉しく受け止めています。


取り急ぎ追加されたのが、RとR+のボイスです。

急いでゲームを起動し、早速ほたるちゃんのボイスを聞きました。本当に素晴らしかったです。

それと同時に、ほたるちゃんのバックグラウンドについて、改めて考えさせられました。

というのも、以下のセリフです。

「以前所属していたプロダクションが倒産してしまって…すみません…その前も…その前も…。」

……初っ端からなかなかキツいセリフですね。

しかしながら、ほたるちゃんが実装された当初、僕はまだ学生だったので、事の重大さに気がついていませんでした。

せいぜい「ふーん、かわいそうだなあ」くらいです。

ですが、一人の社会人になった今、ようやくこのセリフのヤバさに気がつきました。会社が倒産するって、めちゃくちゃ一大事です。

例えば今日、「明日からこの会社なくなるからね。今月分の給料も払えないけど、もう知らないから。頑張ってね」などと言われたらどうでしょうか? 僕なら間違いなく発狂します。

この先どうすればいいのだろう? 家賃も食費も払えない。いっそラッパーとして生きていこうか。

など、タチの悪すぎる妄想が視野に入ってきます。

それがなんと、3回です。僕なら書き置きを残して失踪します。


ほたるちゃんはおそらく、昔からの不幸体質も相まって、「私のせいで事務所が解散してしまいました……」と、考えていることでしょう。

しかし! 僕はそれを明確に否定します。

ほたるちゃんのせいで倒産したのではなく、これから倒産する事務所に運悪く、ほたるちゃんが入って来ただけに過ぎないのです。

このご時世、会社が倒産することなんて珍しいことでもなんでもないのです。きっと!


というわけで、3社連続で事務所が潰れてしまったほたるちゃんの運の悪さの程度について考えていきましょう。

どうせ、大した確率じゃないですから。

まず、前提の整理から入ります。


残念ながら、ほたるちゃんは今まで潰れた事務所の数は(正確でなないにしても)教えてくれていますが、その在籍期間については教えてくれていません。

いや、普通に考えたら自然です。嫌でしょ、初対面で「前の会社は1年2ヶ月で潰れ、その前は9ヶ月で潰れ、その前はわずか4ヶ月でした笑」とか言い出す女の子。なにわろとんねん。重いよ。そういうのは履歴書に書いてくれ。いや、書かないでくれ。


例えば「1年ごとに会社が潰れました」という人と、「10年勤めて潰れ、10年勤めて潰れ……」という人を同列に語るのは難しいと考えられます。(どっちも不運とは思いますが、まだ後者の方がマシかと推測されます)


というわけで、統計データとの兼ね合いも考え、ほたるちゃんの遍歴を以下のように定義しました。

『10歳で入った最初の事務所が11歳で潰れ、即入った次の事務所が12歳で潰れ、即入った次の事務所が13歳で潰れたところを今のプロデューサーに拾われた』

書いてて泣けてきました。無理です。ほたるちゃんに何の恨みがあるんですか?

10歳……いや10歳て。小4ですよ? 僕、実は小学校の教員免許を持ってまして、4年生の教室に授業見学とかしましたけど普通に子供ですよ?


ちなみに、文部科学省が学習指導要領というもの(要約すると「◯年生には◯◯を教えなさい」というのが教科別に載っている資料)を出しているのですが、それによれば小4の算数で習うのは「分数」とか、「面積」とか、そのレベルです。

周りの子供達が分数とか面積ではしゃいでるのに、ほたるちゃんだけ民事再生法について大人から説明を受けることになります。何の恨みがあるの?


最初は「2年に一回、所属事務所が倒産」という遍歴にしようと思ったのですが、その場合は最初の会社に入ったのが7歳になってしまいます。

とうとう小1ですよ。

みんなが「1たす1は、2!」とか言ってる横で民事再生法ですよ。

民事再生法に恨みでもあるの?

話が逸れてしまいましたが、前述の遍歴なら、考えることは本当に簡単です。

以下のように考えていきましょう。


1.日本にある企業の数を調べる

2.1年間で倒産する企業の数を調べる

3.上の2つから、1年間に日本の何%の企業が倒産するのか調べる

4.それを3回連続で引く確率を調べる


以上です。


ちなみに、このような考え方をフェルミ推定と呼びます。たぶん。

フェルミ推定とは、かいつまんで言えば「絶対に数えられないものを、データから論理的に導く」というものです。

(こちらのサイトがわかりやすいかもです。→ https://wakarukoto.com/?p=743


早速、データをちゃっちゃと集めます。

まず企業数は、下記、国税庁の統計情報のページにある会社標本調査結果を参考にいたします。

https://www.nta.go.jp/publication/statistics/kokuzeicho/tokei.htm

https://www.nta.go.jp/publication/statistics/kokuzeicho/kaishahyohon2016/pdf/kekka.pdf

これによりますと、企業の数は、平成28年のデータで267万2033社となります。

多いですね。


ちなみに、この世には50万人の園田智代子さんがいるので、日本の企業の5社に1人は園田智代子さんが……

なんでもないです。詳しくは1つ前の記事をご覧ください。


続いて、1年間に倒産する企業の数です。

これは、下記ページを参考とさせていただきます。

http://www.tsr-net.co.jp/news/status/yearly/2018_2nd.html

平成30年のデータで、倒産数は8,235社でした。


……あれ、思ったより少ない……???

個人的な感覚では、もっと沢山の企業が潰れているイメージ……

と、思って調べていたら、下記の言葉を発見しました。


「倒産と廃業は違う」


!!!!!!!!!!


「廃業とは、経営者が自主的に会社経営をやめることです。事前に計画を立てて廃業することで影響を最小限にすることができます。」

「倒産とは、資金繰りがつかず、取引先への代金や従業員への給与が支払えなくなり、これ以上、会社経営が続けられないことです。
お金が足りませんので、取引先や従業員に多大な迷惑を掛けてしまいます。」


衝撃です。(出典は下記ページ)

http://kubo-cpa-office.com/blog/blog-2933/


確かに、企業としての歩みを止める決断をする企業はいくつもありますが、それは倒産ではなく、自主的な廃業と呼ぶに過ぎません。

おかしいと思ったんですよ。どこかで「年間起業数10万突破」みたいな記事を読んだ記憶があるので、それに対して無くなるのが8000社ちょっとだなんてありえません。毎年9万もの企業が増えていくことになるんですから。


これが、「以前所属していたプロダクションがなくなってしまって」とか「以前所属していたプロダクションの資金繰りが危うくなってしまい、倒産したわけではないのですが自主的に廃業の道を選ぶことになってしまって。いえ、倒産したわけではないのですが」とかならまだよかったんです。よくないけど。

残念ながらほたるちゃんは『倒産』と明言しています。


さて、雲行きが怪しくなってきました。

ですが、データは揃いました。計算していきましょう。


2672033社のうちの8235社が無くなるということは、その割合は0.31%になります。(小数点以下第3位で四捨五入)

既に、ソシャゲのSSR率なんて目じゃありません。例えばデレステの場合、恒常追加でピックアップされているアイドルは0.75%の排出率なので、一点狙いよりも2倍以上のキツさです。


ほたるちゃんは、これを3回連続で引き当てたことになります。計算したくないです。助けて。


ちなみに、本当は、芸能業界内での倒産率を調べたり、倒産した企業の平均従業員数などを調べて加味する必要があるのですが、面倒なので気にしません。

数値上、3日前に起業されたような従業員たった数人の会社だろうと、天下の任◯堂さんだろうと、この世界では平等に毎年0.31%の確率で死が訪れます。

業績や業種や従業員数なんて知ったことではありません。

一寸先は闇です。油断しましたね(?)

〜〜〜〜〜ここからちょっと脱線〜〜〜〜〜


フェルミ推定の世界は、パラメータを論理に全振りしているため、このように倫理観のカケラもない状況が出来上がってしまうことが多々あります。

有名なフェルミ推定の問題に

「アメリカのシカゴには何人(なんにん)のピアノの調律師がいるか?」

というものがあります。(先ほど紹介したページにも例として載っていますが)

これについて考えていく中で、下記のような想定が生まれます。

「ピアノ1台の調律は1年に1回行うとする」

つまり、この世界のシカゴの住人は、年に一度の調律の日まで絶対にピアノの調律をお願いできません。

どんなにピアノが壊れていても、ピアノからこの世のものとは思えないような異音が放たれても、残念ながら調律は年に一度までです。

「娘の発表会が近いの」だとか「祖父の思い出のピアノが壊れてしまって」だとか、そのようなエモいエピソードだってこの街ではなんの効力も発揮しません。ここはシカゴ、優しさを忘れた街。

住みにくいなあ。


〜〜〜〜〜脱線おわり〜〜〜〜〜

では結論に急ぎます。0.31%の確率を3回連続で引き当てる確率は、

0.000002979%

です!


は?


言い方を変えれば、

33567185分の1の確率となっています。


は?


何が「どうせ、大した確率じゃないですから」だよ死にてぇのか?


約0.000003%とか、もうゼロが多くてよくわかんないですもん。

いつのまにか1つくらいゼロを消しても絶対バレないでしょ。僕のキーボードのバックスペースキーが火を吹くだけで、ほたるちゃんの運が10倍になるんですよ? やらない理由があるだろうか? いや、ない。

やらないですけど。


数値だけだとよくわからないので、比較となりそうな他の確率も調べてみました。


飛行機で死亡事故に遭遇する確率:0.0009%

※アメリカの国家運輸安全委員会 (NTSB) の行った調査

( https://toukeidata.com/seikatu/hikouki_jiko_kakuritu.html )


これ、なんと偶然にも、2社連続倒産の数値とほぼ同じです。なんだか得した気分ですね♪うるせぇ帰れ。

もう一つ例を


宝くじの1等が当たる確率:0.000005%

( https://camatome.com/2013/06/takarakuji-1tou-tousenkakuritsu.php )

えぇ……

宝くじ低っく……


結論:宝くじなんて買わないほうがいいと思います。

おわり


※こちらの記事は、2019年1月にニコニコチャンネル内のブログサービス「ブロマガ」へ投稿した記事と同じものになります。
ブロマガ終了に伴い、noteへ転記を行いました。


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