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【長編小説】『空中都市アルカディア』有料化しました。五百円です。
『空中都市アルカディア』という長編小説を有料化しました。
五百円でマガジンを購入できます。
いつか紙の書籍として世に出すことを目標にしています。
しかし、電子書籍が当たり前になろうとしている時代、紙の書籍にしたいという理由は何でしょうか?
私は四十代で、インターネットが始まりパソコンが急激に流通した九十年代末には大学生でした。それゆえにパソコンのことをよくわかっていません。
電子書籍を購入したこともなければ、販売したこともありません。
ダウンロードという言葉の意味も理解しているか怪しいものです。
ダウンロードとは、ネット上の作品を自己の端末にコピーして、端末内の記憶装置に保存することでしょうか?
しかし、電子書籍は、端末を失った場合(水に落とすなど)、内容が消えてしまうのでしょうか?クラウドとかいうやつで、どこかのスーパーコンピューターに保存されているのでしょうか?いずれにしろ、紙の書物とは性質が違います。
今、私は「書物」という言葉を使いました。
書物とは、「物」です。電子書籍は「物」でしょうか?端末は物であるとは思いますが、そこにダウンロードされた作品は物とは言えないと思います。
人は「物」を大切にしたい気持ちがあると思います。
たしかに、書物の「物性」にこだわって、たくさん集め、書斎を作ってそこに溢れるばかりの書物を詰め込む時代は終わりだと思います。書斎はすっきりさせたいとも思います。
しかし、大事な本は、書物として書棚に並べたい欲もあります。
私は自分の書いた小説を書物にして自分の棚に並べたいと思います。
書物とは、印字された文字が、この世に物としてあるという、電子書籍にはない特徴があります。そういえば、音楽のレコード、CDは物ですが、再生を必要としています。これは電子書籍と同じような気がします。私は未だ、好きなミュージシャンのCDを購入しています。これは単に世代の意識だと思います。スマホにダウンロードしたり、サブスクで聴いたりするのは、所有している気がしないのです。
書物はCD以上に、物性が強くあります。
まず、その歴史が古い。
歴史とは文字で残されたものを言う、という定義もあります。それゆえに文字で残されていない時代は「先史時代」と言います。
その人間が作り出した、「物」としての「書物」は電子書籍に比べ、魔力を持っているような気がします。
聖書などはこれからもずっと紙の書物であり続けようとすると思います。
コンピューターは神になれるか、というSF的な発想もあると思います。しかし、コンピューターがどんなに進歩しても、紙の書物はその物神性を持つ以上、ある一定の数は出続けると思います。
私の物語が、「紙の書物として所有したい」というように読者に欲望されるようになることを願っています。
そのためのひとつのステップとして今回、代表作と自分が考えている作品を有料化しました。
ぜひ読んでいただきたく思います。
そして、紙の書物として出たらそれを買って欲しいと思います。
私の書物が世界中の店頭に並ぶ、それは私の夢であります。