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老人ホームに住む九十九歳の女性との合作

上の絵は、私が下書きを描き、その上に九十九歳の女性が折り紙を貼って作った物だ。
私は特別養護老人ホームで介護職員として働いていて、この女性はそこの利用者である。
この女性は非常に聡明な方で、車椅子の生活だが、ほぼ自立している。明るい人柄で、誰からも好かれる方だ。昔は薬剤師をやっていたらしい。そのような職業の方は思考が明晰なのだろうか?老人ホームでは、毎日貼り絵をして過ごしている。おしぼりを巻いたりする作業も積極的に手伝ってくれる。
九十九歳だ。
美人である。
美人と言うと、みなさんはどのような人をイメージするだろうか?アイドル歌手とかだろうか?女優だろうか?(ここで私は女性を念頭に置いている)。ファッションモデルだろうか?たぶん多くの人は若い人を想起するに違いない。すくなくとも九十九歳のおばあさんをすぐにイメージしないだろう。
もし、人生が美しくなるためにあるのだとしたら、人は老いるごとに美しくなっていかなければならない。
若さとは美しいものだが、人間は歳を取るものである。いつまでも若さにしがみついているのは生き方として美しくないような気がする。
美人とは生き方が美しい人のことを言うのではないだろうか?
外出するには化粧が欠かせない、という女性がいたとしたら、それは美しい生き方だろうか?上の絵の作者であるおばあさんは毎日化粧をしているわけではない。すっぴんで美人なのだ。そう言うと、それはよほど恵まれた容姿に生まれたのでしょうね、などと言う人もいるかもしれないが、そのような「カタチ」の美しさを私は言っているのではない。このおばあさんは顔の「カタチ」は普通だと思う。とくに美しくてモデルのスカウトが来るような顔ではない。
美しさ、とくに顔の美しさは歳を取ってから、はっきりと違いが現れると思う。もしこれを読んでいる若い人がいたら、現在の自分の「カタチ」ではなく、生き方が美しいか考えて欲しい。九十九歳になってもキラキラした顔でいられるかどうか考えてみて欲しい。二十歳を輝かせるものは九十九歳を輝かせるものと同じものだと私は思う。

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