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精神病(統合失調症)でもテント泊ソロ登山ができます。

統合失調症になって、二十九年が経った。
十六歳で罹った私はそれ以降のこの病気のない人生を知らない。
最初はヤバかった。
将棋の一手を指すのに、なぜ生きるかを考えて、なぜ将棋を指すのかを考えて、なぜこの一手を指すのかを考えるような思考の回り道をする異常さだった。
そんな私は大学(哲学科)を卒業し、パートタイムの肉体労働から始め、三十四歳でパートの介護士になった。そのときからソロ登山を始めた。毎年、夏に宿泊の登山をするのだ。
小屋泊をしてきたが、数年前からテント泊にも挑戦するようになった。
そんな趣味にはカネがかかる。
統合失調症だと、働くことが難しく、そんな趣味を持てませんと言う人もいるかもしれない。
しかし、私はできる。
二十代の地味な肉体労働は私の誇りだ。それがあったからこそ、今、登山が出来るのだと思う。

私の二十代
狭い工場で園芸用肥料の袋詰めをしていた


若い統合失調症になった人に言いたいのだが、絶望してはいけない。
人生にしがみつくと良い。
生きることにしがみつくと良い。
どんなに苦しくとも明日の太陽は上がる。

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