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八ヶ岳、赤岳鉱泉にてテント設営に難儀する

八ヶ岳に登って来た。
赤岳鉱泉にテントで一泊して、中日にテントをその場に残し、赤岳、横岳、硫黄岳と縦走し、また赤岳鉱泉でまったりと、ビールを飲んだり、昼寝をしたりして過ごして、テントに泊まって翌日下山する、という二泊三日のまったり時間を過ごす予定だった。
そう、予定だった。
私にとって八ヶ岳は初めてである。
テント泊も片手で数えるほどしか経験がない。
今回は登山アプリ「ヤマップ」を使った。これは自分の現在地と向いている方向、歩いた時間など、登山で必要なデータを示してくれるありがたいものだ。今回はこれに非常に助けられたが、それについてはまた別の記事にする。
で、私は重い荷物を背負って、登山口の美濃戸口から林道を歩いた。この林道は、舗装されていないが、一応車は美濃戸という場所まで通れる。しかし、車高の高いSUVなどでなければ入れない。私の軽自動車ではとても無理だ。無理だということは、実際に歩いてみてわかった。もし、私の車で乗り込んだら、絶対に車の底を擦ってしまい、故障して帰れなくなるだろう。いや、SUVでも難しいのではないかと思った。


林道が終わると、登山道に入るが、きつい登りもなく、沢に沿って登っていった。


途中から沢の水が赤かったので、いよいよ赤岳に登るという実感が湧いてきた。


そして、美濃戸口から二時間三十六分で赤岳鉱泉に着いた。十一時二十分である。この時間は「ヤマップ」の記録を見てここに記載した。便利だろ?


で、私はテント泊の受付を済ませた。しかし、荷揚げのヘリコプターが来るから、テント設営はしばらく待ってくれとのことだった。たしかにヘリが来ると、辺りに暴風が巻き起こり、あらゆる軽い物は飛ばされそうになった。


私は最初から当てにしていた、小屋でカレーライスを食べることにした。


カレーを食べて外に出ると、ヘリが来ない場所ではテントを張っていいとのことだったので、私はテント場の一番良さそうな所にテントを張った。中に入って昼寝をしようとすると、日の当たるその場所ではテント内は蒸し風呂のように暑かった。とても昼寝などできない。しかも、斜面であって足の方が低くなっている。これでは夜寝ている間に、テントの下の方に体がずり落ちるのではないかと思った。そこで、私はテントの場所を変えることにした。
近くの木陰に建てようとした。しかし、そこはよく見ると、水が近くを流れていて、雨が降ったらテントの所まで水が来そうなので、また場所を変えることにした。次に張った場所は木陰だが、テント内に入ると斜面で、寝ていると左側に落ちていくのがわかった。また場所を変えることにした。もう、最初の場所にしよう、蒸し風呂でも夜ならばいいだろう、斜面もなんとかなるだろう、そう思って最初の場所にテントを立て直した。それから私は当然蒸し風呂の中で昼寝することはできず、小屋の外にある自炊場で、持ってきたビールをツナ缶をつまみに飲むことにした。しかし、頭の中はテントのことでいっぱいだ。
「眠れないだろう。そうなると明日の登山は寝不足の中ですることになるだろう。それは危険だし安眠ほどいいものはない」


私はビールを飲み干すと、もう一度テントの場所を変えた。
今度は、トイレ近くの通り道に近い場所だった。結局四回もテントの場所を変えた。暑い中、しかも、酒の入った体でそれをやるのは重労働だった。
テントを建てて中に入ると、平らで寝心地が良かった。私は平らな場所で寝ることがいかに贅沢かをこのとき初めて知った。


しかし、蒸し風呂であることは変わらないので、日没まで外で過ごすことにした。
結局、その日の夜は十九時に寝袋に入り、いつ眠りに就いたかもわからないくらいすぐに眠りに入ってしまった。熟睡でき、深夜一時半頃に目が醒めた。そのときはもう元気いっぱいで、「今から登れば赤岳山頂で日の出を見ることができる」と思い、コーヒーを淹れ、パンを食べて出発した。そのあとのことと、テント設営のあとどう過ごしたかは、また別の記事に譲る。
 
教訓
 「テントは木陰の平らな場所に張るべし」

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