山メシ。コンビーフごはん
本日は近場の低山に登ってきた。
静岡市と焼津市に跨がる高草山という標高五百メートルほどの山だ。
一年に何十回と登っている。
理由は家から近く、無計画で登れるからだ。
今日も登って山頂でレトルトのごはんを温めて、コンビーフと混ぜて食べるということを楽しみに登った。
さすがに毎回、同じ山なので変化をつけるために、山頂での食事が主な目的になる。
そして、他にも目的があって、登山中に考えたことを、noteに書くことだ。そのために今日はよく考えながら登った。
それと今日はいつもより荷物の重量を重くしてテントをザックに詰めて登った。今年の夏はテント泊で山に行こうと思っているからそのトレーニングである。
私はこの高草山をいつも一時間で登る。
今日は荷物が重いから少し時間がかかるだろう、と予想していたが五十九分で登ることができた。「俺もまだまだやるな」と体力的に衰えていない四十代の体にほくそ笑んだ。
山頂でいつものベンチに座り湯を沸かし、ごはんを温めた。
待つこと十五分。この十五分は長かった。寒かったのでジャージを羽織った。くしゃみを何度もしたので風邪を引いたかな、とも思った。
ごはんが温まると、それを器に移して、コンビーフを空け、かき混ぜた。
さっそく食べると美味かった。美味かったが、以前、ツナ缶で食べたときと比べたら、ツナ缶の方が美味い気がした。
私が人生で初めてコンビーフを食べたのは高校の山岳部の山行の時だ。カレーを作るために材料を買ったが肉はナマで持って行くと傷むので、コンビーフを持って行った。コンビーフのカレーは香りがよくて美味く、未だにあのときの感動は忘れない。だから、最近パスタの料理にハマったときに、カルボナーラやペペロンチーノにコンビーフを使うというアイディアが浮かんだ。
というような思い出が今日の登山中思い浮かんだ。
私はひとりで登山するので、話し相手がいない。だから、ものを思うしかない。
しかし、そこが思想の源泉にもなっているような気がする。
そして、やはり今日は、今年の夏山の計画について考えた。
あまり難易度の高くない山でテント泊をしたい。
ふたつ候補がある。
ひとつは、常念岳と蝶ヶ岳である。このふたつの山は、槍ヶ岳や穂高連峰を見るには絶好のロケーションだと言えると思う。常念岳にいつか登ろう、と思ったのは槍ヶ岳に登ったときだ。私は山の知識がなく、登った山から見えた山を近い将来に登る山とすることが多い。槍ヶ岳は有名で雑誌を見て登ろうと決めた。その際、上高地の魅力にも惹かれ、涸沢カールというものの存在を知り、奥穂高を意識するようになった。奥穂高は一昨年登っている。それから去年、剣岳に登ったが、それは昔、叔父に連れられて、後ろ立山連峰縦走をしたときに見えた一際かっこいい山が剣岳だったから、そのときからいつか登ると漠然と意識していた。それから二十年以上時を超えて、去年登った。次はジャンダルム、などとも考えていたが、難易度の高い岩山よりも今は、歩きやすくテントが張れて、景色のいい山に登りたいと思っている。で、常念岳、蝶ヶ岳だ。
ふたつめの候補は、八ヶ岳である。ここもテント泊で行きたいが、叔父によると日帰りで登れるらしい。まだ、コースを決めてないからなんとも言えないが、コースを考えるのも楽しみである。
そんな山のことを考えながら、今日は低山、高草山を登った。
山で山のことを考えるのもまた楽しみである。