見出し画像

ドーテイ・ヨンジュウ⑧少年時代、愛の告白

俺は四十三歳で彼女いない歴四十三年の童貞男子だ。
俺は中学生のときに好きな女の子がいた。
卒業までに好きだと告げなければならないと思っていた。
告白できれば、日常が、人生が、すべてが変わると思っていた。
言えなければ、一生後悔すると、自分に言い聞かせ、
勇気を奮い起こそうとした。
でも、ダメだった。
勇気が出なかった。
そのまま俺は中学を卒業し、彼女とは別の高校に進んだ。
俺の人生は終わったと思った。
高校に入ってからは抜け殻のような毎日だった。
高校二年生で俺は統合失調症という精神病に罹った。
本当に人生が終わったと思った。
高校では好きな子はいたが遠くから眺めているだけだった。
俺はもう人生を眺めるだけの死人のようなものだった。
大学に進学したが、恋などできなかった。
精神科に掛かり、デイケアで女の子と話ができるようになった。
しかし、女の子との間には常に壁を感じていた。
中学時代の告白できなかった悔いをずっと引きずっていた。
四十代になるまでずっと、悔いを引きずっていた。
これを読んでいる、告白できないでいる少年に言いたい。
勇気を出せ。
たった一言で、世界を変えるんだ。
人生を
すべてを変えるんだ。
それは少年時代にしかできないことだ。
明日があるさ、と言うな。
今、言えなければ
明日も言えないだろう。
十年、二十年、三十年後の自分のために、
今、動け。
 
 


*今回でこの赤裸々すぎる恥ずべき『ドーテイ・ヨンジュウ』シリーズは辞める。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?