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【即興短編小説】パンティ・エッチーナ教授の多難

 エチダ大学、エッチ学部パンティ学科教授、パンティ・エッチーナ教授が講堂で講義をしていた。
「みなさん、エロティックというのはどういうのを言うかご存じでしょうか?私は全裸の女性より、下着を着けた女性の方がエロティックに感じるのですがいかがでしょうか?全部見えてしまったら、それ以上は見ることはできない。イスラームでは女性は肌を隠しますね?あれは、コーランに女性は体の美しい部分を隠しなさいとあるからです。ですから、ヒジャブと言われる布を被るのです。厳格なイスラームの国ほど女性は体を隠します。超厳格な国では、目まで隠して、全身布で覆わなくては外を歩けない国もあります。さて、女子学生のみなさん。あなた方は今、どんな下着を着けているでしょうか?ブラジャーはいいとして、私の専門であるパンティについて聞きましょう。あなたがたは今、ショーツを穿いていますか?それともパンティですか?それはTバックですか?」
するとある女子学生が手を挙げた。
「先生!」
「はい、君、なんですか?」
「私は今、ジーパンを穿いています」
「ジーパンは下着ではないでしょう?」
「でも、下着を穿いていないんです」
「ぶほっ(鼻血を噴き出した音)。し、下着を穿いていない?では、そのジーンズの下には、直接、オマPコが?ぶほっ」
教授は教卓にあった箱入りのティッシュを鼻に詰めた。
「ジーパンの下に下着を着けていない。それはすごいエロティックです。外見では普通のジーパンです。しかし、その下に何も着けていないと言われると、想像力が刺激されます。そうです。エロスとは想像力です。西洋には昔からヌードを描く文化があります。女性用の水着のビキニも西洋のものです。あれはムスリムには受け入れられないでしょう。つまり隠すということと、その隠れた部分を想像するのはセットなのです。私は全身を隠して体のラインを見せないムスリム女性の方が、肌を露出した西洋人よりエロティックだと思います。あの布の下にはどのように美しい体があるか、想像しただけで・・ぶほっ」
教授はまた鼻にティッシュを詰めた。
「失礼。もし、ムスリムの女性が体を覆う布の下に何も着けていなかったら、などと考えてしまい、興奮してしまいました。では、話をパンティに戻しましょう。パンティは大事な部分を隠しているからエロティックなのです。最近はTバックのみならず、スケスケのパンティや、すごいことに、オマPコを隠す部分が真珠みたいな数珠でできたものもあるようです。あれはほぼ見せているとしか思えないのですが、そこには隠しているということがすでに抽象化されています。しかし、観念上は隠してあるのです」
すると先ほどの女子学生とは別の女子学生から質問があった。
「先生!私は今ミニスカートを穿いていますが、下着はショーツです。さすがに万が一のことを考えて、エッチな下着は着けないようにしたんですけどダメでしょうか?」
「なに?ミニスカートの下にショーツ?色は白ですか?」
「はい、白です」
「ぶほっ。エロティックの下に隠れた貞淑さ!ぶほっ」
教授はまた噴き出した鼻血をティッシュでふさいで言った。
「そのギャップはすごいですね。さっきのジーパンの下にオマPコとは逆ですね。エロスの上に真面目ではなく、真面目の上にエロスを被せるとは斬新な発想です。真面目をエロスで隠す、逆転の発想ですね」
すると他の女子学生が手を挙げた。
「先生!」
「はい、きみ」
「私は今、先生からは机の下に隠れて見えないかもしれないけれど、下半身に何も着けていないんです」
「ぶほっ。な、何も着けていない?それでは立ち上がれば、机の下からオマPコが見えてしまうと言うわけか?ぶほっ」
教授は教壇の上で倒れてしまった。
「だ、ダメだ。また授業中に出血多量で倒れるとは、だ、誰か、救急車を!」
授業は終わり、パンティ・エッチーナ教授は救急車で運ばれていった。
 彼の授業は最後まで続いたためしがない。いっつも、出血多量で倒れ救急車で運ばれ輸血してもらって、次週には教壇に立つ、その繰り返しなのであった。(おしまい)


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