海苔アブソリュートってなに?
最近またメンタルがぐしゃぐしゃなので全然記事が書けていない。
でもそんな自分を励まし生かすために、また香水を買いました。そろそろ誕生日だし。うん、至極真っ当な理由だな。
鼻屋。
Nose Shopへ行ってきた。ニッチフレグランスのセレクトショップである。
この日もメンタルぐしゃぐしゃボロカスで、ぶっちゃけた事を言うと、もうこの後帰らずにポイッと身投げしようと思っていたぐらいだった。簡単に書いたがほんとにソレを目の前にしたレベル。
まぁそんな暗い話はどうでもいいんだ。
どんなに暗くても、香水の香りでたちまち気分は一転する。世界が明るく照らされる。
例えるならマッチ売りの少女だ。マッチを一本擦る毎に美しい情景や愛しい人物が浮かび、ありありと体験する事が出来るあのかんじ。
ただし燃え尽きれば終わってしまうが…いや暗い話になるからやめやめ。
とにかくNose Shopで試香用フラスコを嗅いだ瞬間、私は蘇った。闇はすっかり晴れニコニコしながらひたすらフラスコを嗅いでいった。
しあわせ…😊
●Fantomas / NASOMATTO
散々時間をかけて迷った挙げ句これを購入した。
なんていうかね…メロンの香りつき消しゴムみたいな香りだよ!(笑)消しゴムっぽいプラスティックな香りが確かにあるんだよ!不思議だね。
最初青リンゴかと思ったがメロンだ。香りから湧いたイメージでは黄緑の楕円がいたので、青リンゴと思ったのかも。
気になりすぎて買ってしまった。
エキストレド パルファムなのでかなりの持続力。香りが強すぎるというわけでもなく、しかし不思議な甘い香りが、ずっと同じ濃さでフッと香ってくる。
なんか…とにかく不思議で捉えどころのない謎の香りなんだ。怪盗の名前が冠されてるだけある。このブランドは香料公開していないので本当に謎。
Fragranticaには「Plastic」と書いてあって、プラスチックの香りってなんだよ!? と思ったけど…消しゴムの匂いで合ってるってことね。
この香水についてはたぶんいつか書くと思うので、またその時に詳しく語ろう。
ムエットをもらった気になる3つ。
●Teisenddu / FRASSAI
ラム酒がビショビショにしみたパウンドケーキ!
ドライフルーツの香りもしっかり分かる。甘すぎてクドいなんてこともなく、ただラムとドライフルーツの甘さだけがよくわかる。スパイスも入ってるな。
とにかくずっとおいしい。甘さ控えめな大人向けケーキなのがいい。これは今の季節にぴったり。
●Vetiver Overdrive / L'ORCHETRE PARFUM
オーバードライブと言われるとジョセフが浮かんでくる。アニメは見てない。
ベチバーと柑橘のスーン!とした香りがいい。グリーンシトラスで甘さはなく、ただひたすらスーン!としている。結構好き。かっこいい。爽やかさよりも、キリッとまっすぐ突き抜ける力強いスピード感があっていい。
これは限定版で100mlの黄金ボトルしかないらしい。Fragranticaだとなぜか低評価みたい?なんでー…。
●ExpLOud / LABORATORIO OLFATTIVO
スパイスとフローラルな香りの底にウードが鎮座。やたら情熱的で妖しげに誘ってくる。年季の入った木製ステージでキラッキラした赤いドレスのダンサーがキレよく踊ってる感。彼女が激しく動くたびにラインストーンが飛んでくる。
最初はスパイスとウードで、重く分厚い地下室の扉を開いたらむわっとした熱気が…。するとフローラルが現れ華やかで刺激的な演出にビビり、呆気にとられてたら抱きつかれて、パチュリの汗ばんだ肌と髪の匂いを感じてドギマギして…。ムエットでこんだけ楽しめるのも面白いな。
ほか記憶に残ってるもの。
●Cyan Nori / ABEL
タイトルの海苔アブソリュートが使われているシアンノリ。海苔!?えっ!? ってなった。いわゆる潮の香り。マリンというか磯。
爽やかさとフルーティさがある中に海苔の香り。もうわけわからん。すごく面白くていい感じ。香水ガチャで出たら嬉しいやつ。買うかと言われると少し迷う。
●Panorama / OLFACTIVE STUDIO
こっちはワサビ。ワサビ!ってわかるのが凄い。あの独特の細く突き抜ける辛みのインパクト。全体はグリーンノートで、ほんのり甘くパウダリー。
海苔よりもこっちの方が嗅いだ印象がわけ分からなかった。えっあっワサビ!? と衝撃をなんとか理解した後にベルガモットとガルバナムを理解し、その下のムスクやトンカビーンを知る。つまり混ざり合ってない。だから困惑する。でももっと嗅ぎたくなる。
これも香水ガチャで出たら楽しいだろうが買う勇気が出ない。面白すぎるからちょくちょく嗅ぎたい。
●Arancia Rossa / LABORATORIO OLFATTIVO
世界的調香師のジャン=クロード・エレナ神がお創りになったシトラス4種のうち一つ、ブラッドオレンジの香り。現在売り切れのため取り寄せになる。
めっっっちゃくちゃいい香り!!この柑橘すごくおいしくて品があってとにかくすんごくいい。欲しい。もうあの素晴らしさをうまく思い出せなくて説明出来ないのが悔しい。せめてムエットで貰えば良かったと本気で後悔している。とにかくよかった…同時刻に店内にいたお兄さんもどうしてもこれがいいと予約していた。ですよね。
ちなみに4種揃ったディスカバリーセットも販売されている。こちらは在庫あり。
その後マッチ全て摺り終えてまた絶望しながら彷徨った(暗いインタールード)。
神との邂逅。
セミセルフ式のコスメ売り場にLE COUVENT MAISON DE PARFUMがある事に気付き、立ち寄る。
昨今の感染症対策でコスメも香水も店員を呼ばないと触れず、セミセルフじゃないじゃないと思っていたが、脇からニュッと現れた店員が
「どうぞ自由に試してみてくださいね!」
と笑顔で告げた。おさわり解禁らしい…好き放題にムエット作るぞヒャッホー!
このブランドはさっきも名が出たエレナ神が監修しており、ご自身の作品もある(たぶんちょっと高めなのがそれ)。ヴィーガン処方、しかも安価、手を出しやすい10mlサイズからある。
神の香りがこんなに簡単に買えることを知らなかった。死の淵にいた私に神が新しいマッチ箱を授けてくだすったのだ。
神よ感謝する!(ショーシャンクのポーズで)
●Agapi
これが噂のアガピか…。新作である。パッションフルーツのキュパッと弾ける爽やかな甘さが一瞬で溢れ出す!びっくりするほど鮮やかにフルーティで感動した。しかも甘ったるくない、きちんと品がある。
だんだんと鮮やかさが落ち着いてきても、いつまでもジューシーに甘い。加熱なんかされてない生の香り。
●Hattai
ぼわぁ…とした乾いた甘さの影にカカオ。甘さと苦みのバランスめちゃくちゃいい、というか2つが分離してないからどっちがどっちと明確に感じられない。でも確かにどっちもいる。すごい融合ぶり。暖かい毛皮(生きてる)に包まれるかんじ。
だんだんカカオが強くなっていったと思ったら、まろやかな甘さになっていく。変化に嫌味がないのでずっと満足できそう。
●Aqua Amantia
ハイビスカスの派手だが優しく艶やかな香り。うっとりする。好き。
豊満な美人だが知的で嫌らしさがなく、かわいいという表現が似合う人。おっとりうふふという魅惑的な笑顔。髪はロングのゆったりウェーブだ。結婚してくれ。
●Ambra
上品なアンバー。と思ったらアンバー入ってないの…!? セントジョンフラワーってセントジョンズワートの花?あの安眠グッスリのハーブ?
ジーンと痺れるようなスパイスとグーンと地響きのようなラブダナムとバニラの甘さ、それが足元で平面に層になってズーンとどこまでも広がっていくかんじ(擬音多すぎ)。
そこからだんだんとブワーと上に立ち昇っていくラブダナムの粉け。歴史の重みみたいな。
これかなりいい。
あとNubiaとLysandraもヨカッタヨ…(思い出せない)。
Arancia Rossaもだけど、あんまり素晴らしすぎるとマジで言葉を失う。説明ができない。
完成度の高い芸術とは絶妙な大きさの材料が絶妙な配置につき継ぎ目は一切見えず、まるで最初からそういうひとつの物だったかのように出来ている。無駄がない。隙がない。どの角度から見ても完璧に仕上がってる。かなり削ぎ落とされてシンプルに仕上がっている。何をどうしたらこんな事になるのかが分からない。凄すぎる…。
●Mimosa
そして一番感動したこれの10mlサイズを購入した。
これ、ほんとに凄い!生のお花の香りがする!一面ミモザの花畑の中心にワープした気分になる。それか店頭にミモザがたっぷり並べられた花屋さんの前。思わず足を止め近寄って見惚れちゃう。晴れやかな幸福感に満ちていく。
しあわせー!
だんだんシダーウッドで落ち着いてきて、ああミモザを腕いっぱいに抱えて木造のおうちに帰ってきたんだなぁ…みたいな気持ちになる。
玄関入ってこの香りしたらたまらないだろうな。
ちなみにAmbraとMimosaはエレナ神の創りたもうた香りだ。帰ってから知った。それを買った自分は偉い。
とりあえず以上です。
これぐらいのゆるーい文章なら書けるので、今後も「買ってないけど試した」、もしくは「サンプルサイズで買った」ものはこんな感じで書いていこうかな。
ああ、気持ちが少しでも回復してくると、香水は本当にいい薬になる。
君たちのおかげで私は生き延びてるぞ!