たのしいサロンドパルファン '23 おかわり編
楽しかった本館での開催が終了し、欲しかったものも買えたし、ムエットもたくさんもらったし、エスプレッソもやれたし…と思いつつツイッターのTL見てると…
あっそうかメンズ館ではまだ続いてるんだよな…アトリエ マテリ気になってたんだよなぁ…あ、カルトゥージアが本館でポップアップするの?えっサドナゾにタバコとコーヒー入ってた?へぇ?
行くか😄✨
●ということで再々訪
本館サロパが終了した翌18日から、メンズ館は一部ラインナップを入れ替え24日まで続いていた。
結局勢いでまた来ちまったぜハハハ。
・CARTHUSIA
これはサロパじゃないんだけど細かいこたぁいいんだよの精神で行こう。
本館の香水フロアでポップアップをしていたカプリ島発のCARTHUSIA (カルトゥージア)。ロゴイラストにはスタバでおなじみの二股人魚が描かれている。かわいい。
いくつか紹介してもらったが、どれもカプリ島らしい爽やかな印象で明るく眩しく華やか。そしてのんびりバカンス、ゆったり流れる空気感がよかった。
惹かれたのはイオ カプリ。スーッと爽やか、タバコとマテの入った素敵なメンズらしい香り。
ユーカリのキリリッとした強い芯、その周りを彩るジャスミンやリンゴの甘い香り、淹れたての芳しいお茶。お茶自体は甘くないってわかるのがいいね。染み出すタバコもかっこいい、派手じゃなく丁度良く苦く美味い。そしてふわっと乗る潮の香り!これは海藻そのものから香りを抽出してるそう。
おひさまサンサン!海岸沿い!タバコふかしながら散歩!お茶しよ!ってな具合だ。夏にこれ良さそうよね。日差しが強いだけで、流れる時間がとっても穏やかなんだ、元気がみなぎってる感じじゃないから疲れない。香ってるだけで島の光景が目に浮かぶね(想像上のカプリ島が)。
腕にも乗せてもらったがすっきりしててよかったなぁ。ユーカリっぽいキューッと引き伸ばされるような酸味が強くて、ほわ…とタバコとお茶がその周りにいて…。
それと1681。古い教会に書かれてた年代のことだっけか?
パウダリーなサンダルウッドがシトラスを纏って明るくキラキラしてる。アイリスとサンダルウッドでとてもお上品なので、柑橘の酸味と水気がギャンギャンしない、甘さも控えめですっきり。青空の下の眩しくカラッとした陽気と涼しい風。
よくあるタイプではあるが、やはりキラキラしたカプリ島の自然のイメージが湧いてくる香りだ。やっぱ私はこの手のメンズ系が好き。
とはいえ「出会ってすぐ買わない」を心がけてるので、申し訳ないが今日はスルー…でも次出会ったら…買う…。
ちなみにカルトゥージアは話題の麻布台ヒルズに店舗ができるんだって。フエギアだのノーズショップだのリナーリだの、いくつも香水のお店が入ると聞いてる。麻布台ねぇ…行ったことない…。オープンの混雑が落ち着いた頃に行ってみよう。
・ATELIER MATERI
さてサロパです!メンズ館です。
お目当てのATELIER MATERI (アトリエ マテリ)へ直行。
画像右側が今年の新作キュイール ニラムとローズ アルドワーズ。とりあえず順に置いてあるムエットを確認…ううっなんかみんないいぞ…!?
キュイール ニラム、ヘヴィなスモーキーレザーにスッときらめくカルダモン、溢れ滴るローズとパチュリ、そして対象的にサラッと乾いたバイオレットリーフ、立ち上るタバコの煙。かっこよすぎません?
素敵だけど時間が経つと…ローズとパチュリがあんまり目立たなければイケると思うが、私にはちょっと難しいかもしれない…。
ローズ アルドワーズ、いかにもなローズっぽさはあまり出てこない。スタッフによると「水に浸かったローズ」なのでとってもウォータリー、キラキラ光る水中の雰囲気が強い。このキラキラはカルダモンかと思ったらナツメグとセージなのか。爽やかで強くない、柔らかで透明感溢れてる。やさしい。
ああ、グラース産ローズなんだ。レ スール ド ノエのノマド ソウルでも思ったけど、ローズの中でもグラース産ローズって香り方が優しくて結構好きかも。
キュイールはダメっぽいと思ったくせに、こっちのローズは私でもいけそうな予感。かわいらしくフレッシュで、かつ官能的。
そして大注目のカカオ ポルスレナ!これ凄い、カカオバターの風味がしてびっくりした。なかなか「チョコの香り」を謳うやつでこの芳しさは感じたことないぞ…!お高いチョコレートみたいな上質な香り。同じように上質な洋酒も、タバコの葉の香りも…。
ううっ…これめちゃくちゃいいじゃん…甘すぎず苦すぎず、一粒口に含んだだけで芸術作品を堪能するように様々な感覚を呼び覚まし感動し、時間をかけて大満足してしまうやつ。
ちらっとディスカバリーの値札を見たら5500円とあり、はっと気付いたらレジで紙袋を受け取っていた。
さっき言ってた「『出会ってすぐ買わない』を心がけてるので」って言葉はなんだったんですかねぇ…。
デヘヘ…とニヤついてたら
「これ6種セットなんでローズとレザーの2つは入ってないんですよ」
「えっ」
「2つも欲しいですよね!ムエット入れておきますね!^^」
迂闊でした…私のウッカリぶりを察知したお姉さんナイスアシスト、ありがとう。
・SERGE LUTENS
本館会場からメンズ館に移動してきたSERGE LUTENS (セルジュ ルタンス)。サロパ初日以来、いいよなぁ…でもなぁ…とずーっともんもんとしてたのでエクラン ドゥ フュメを肌乗せしてみる。
トップはほろ甘いチョコレートの香り。そしてドライに立ち上るタバコの苦み、目立ちすぎずに下から伸びてくるラム。
苦みは少なめ、だんだんインセンス風味が増す。ギラギラせず静かに熱いアルコール。ローズっぽい香りがしっとり。最後はパウダリーになり、ビロードのようにずっとなめらか。
このローズとインセンスみたいなのはなんだろ…ラム? グルマンなイメージよりローズみたいな酸味の膨らみがある。それにあまりラムらしいギラつきがないんだよね、アルコールっぽいクラクラ感も。あくまでおしゃれな仕上がりでだらけない。風味をうまく利用するだけで酔わせないんだ。
本館レポでも書いたのだが、やっぱルタンスの香りって纏って彩る演出感が強いよな。「何かの香りを表現」とか「光景やストーリーを表現」とかっていうだけじゃなくて、「纏わせてその人を変身させる」っていう目的の方がでかい…って思う(個人の意見)。
なんていうんですかね…太く長いリキッドブラックのアイラインを引いて赤リップを付けたつよつよなメイクすると、自分自身のキャラが変わったりしません?強い人間になったようで堂々としていられたり。そういう感じの「変身」をさせるアイテムなんだよな。魔法少女ステッキか特撮変身ベルトかな。
他にルタンスの香りっていくつか試したけど、正直ドンピシャに好きって思わない。でもなんか付けたくなるんだよ。不思議な魅力がある。
このタバコ・カカオ・ラムの香りもそうなんだ。ルタンス節が効いてる(ルタンス香水によく感じるローズとアルデヒドっぽい調香のことを勝手にそう呼んでる)から、どうにも「私じゃないな~」っていう、はっきり「これ好き!」と言えないものがある。でもかっこいいし美しいし素敵なんだよ。ゴシックな雰囲気があるんだ、中二病やバンギャな心が刺激されるんだ!(笑)
だから他にもいいな…でもな…とずっともんもんとしてる香りがある。ドゥ プロファンディスとカニバル。お金の悩みがなければポイポイ買ってる。
ウダウダ言ってるけどつまり、憧れちゃうんです。いいなぁ…。
あ~…
とりあえず今日はこの肌乗せでもんもんとしてよく考えよう…。
・NASOMATTO
はい、切り替えて次は3度めのノーズショップ。購入もせず何回行くんだよ。
NASOMATTO (ナーゾマット) のサドナゾも思い切って肌乗せ。あれ!? トップにはあのたっぷりまったりした甘さがあんまりしない?それどころかむしろ苦い!ほんとだ!タバコだこれ!コーヒーもいるかも?苦みがとっても重く響いてる!
ナーゾマットは香料非公開なので正確には謎のままだが、Fragranticaのレビューや香水沼の皆様のツイートなどで幾つか挙げられてる。それがバニラ、ムスク、そしてタバコだ。
漏斗でもムエットでも、アンブレットやムスクをたっぷり含ませたようなバニラがとっても甘かったのだが、意外にトップは苦くスモーキーでぎょっとさせられた。
しかしその苦さや重さはすぐ沈んでいってしまう。底に残り滓はあるが…あとはひたすら甘い、グルマンなほどに甘い。それも脂っこさがないためサラッとしている。そしてムスクによる沸き立つ肌の匂い…少しお酒っぽいのかなぁ…? 嫌味のないアニマリックさというのかな、厭らしさはあるけど。
この手の甘いムスクが好きな人からしたら、うっとりすること間違いなしだ。
ただFragranticaのレビューを見ると、この甘いムスクのことを「お小水の匂い」と書いてる人が多い。いや…うん…本当に君のそれがこんな匂いするならそれって糖尿じゃないかな…?ってぐらい甘いんだけどな…普通もっとアンモニアの刺激の方が目立つよね?泡立ってたりしない?心配になるぞ。
テーマのいやらしさに対し、割と秋冬らしい香りだ。タバコ・コーヒーのヘヴィなベースに体温であま〜く香るタイプ、結構そういうのってあるよね。
これはムンムンしてるけど最後はパウダリーにサラッとしてるし、甘さが重くベタッとしないので案外付けやすい。いや、このムンムンが苦手な人はそばにいるだけで「ちょっと…」って思いそうだから、付ける量は注意したいところだな。
BDSMなPVだったからもっとラテックスとか蝋とか体液の匂いが交じるのかと思ってたよね(人によっては体液ではあるようだが)。テーマ知らずに嗅いだ方が素直に「甘くて素敵」って思えそうだ。
ちなみにナーゾマットの香水はすべてパルファン。濃くしっかり残るぞ。
・肌乗せ経過
気になるもののチェックは出来たしディスカバリーも買っちゃったし、満足して帰宅。
その間何度も何度も肌乗せした香りを嗅ぐ。そして今更気付く、3つともタバコの香りだったわ…。こういうのが私の好みらしい。
イオ カプリはメンズらしいユーカリ強めな香りがずっと続く。お茶の落ち着きもあるしタバコの苦みも底に残る。トップ以降はあまり変化しないのでずっとすっきりしてていいな。
エクラン ドゥ フュメはやはり高貴なおしゃれ感。非常に落ち着いていて、しかし近づくとそのカリスマ性にハッとさせられる。パウダリーでベルベット調。やっぱかっこいいな…いいよなぁ…。
サドナゾはむーんと酔いそうに甘いムスク、そこに残るコーヒーとタバコの影。アンブレットっぽい透明感があるが甘みが強いので、人によってはもったり感じるかも。じっと動かなくてもむーんと香ってくるくらいだ、隣のルタンス様を差し置いて(笑)。
イオ カプリを左腕に、残り2つを右腕に並べて付けていたのだけど、じっとしてるとサドナゾがむーんと魅惑的に妖しく漂ってくる。これはサドナゾだよな?とエクラン ドゥ フュメの方も確認すると艶やかさにクラクラするので、イオ カプリで鼻リセット…スーハー、すっきり!(繰り返し)
●ATELIER MATERI / ディスカバリーセット
・Cacao Porcelana(カカオ ポルスレナ)
なんて素敵なチョコ香水。これは時間と手間をかけて作られたきめ細やかでなめらかな高級チョコレート。油分がベタッと残らず口の中でスッ…と消え、芳醇な香りだけを残す上質な仕上がり。気品と優雅な笑みを湛えた紳士のような洋酒とタバコ、乾いた花の香り、最後に残ったココアパウダーまで舐め取りたい。
もう!これは!「サロパも行くけどサロショも行くよ」っていうチョコ好きさんは是非試してほしい!めちゃくちゃおすすめだぞ!
甘すぎず苦すぎず、ミルキーにトロトロしてる。あとたぶんサンダルウッドのせいだと思うが、箱の匂いすらしてきた気がする(笑)。
タバコも葉の香りが深く苦く漂っていて大変美しい。洋酒の香りも上等。美味しすぎて美しすぎて、芸術品を鑑賞するように一粒食べ、蓋を閉じてそれのみを堪能。そして一服。ずっと上品だ。素晴らしい出来。
あんまり素晴らしいので、香りものはあまり得意じゃないけどチョコは大好きな家族にもちょっと試してみてもらった。
わぁっという表情ののち、「お高いチョコの香り。お酒の香りとともにふわふわ漂ってきていいね!」と好評だった。よかった~。ただラストになるとタバコとレザーの苦みが目立つみたいだ。「ちょっとおじさん臭い気はするけどね、ダンディなかんじ。いいんじゃない?」とのこと。
ま、「やっぱやだ」とか言われずに楽しんでもらえて良かったぜ。
暖かい部屋や、体温が上がる活動時間だとタバコやレザーって目立ちやすい気がする。気温が低いと静まっていて、ミルキーさが残っていた。
・Narcisse Taiji(ナルシス タイジ)
甘いチュベローズにグリーンな空気、ジンジャーのジリッとしたアクセント。じゅわっとした甘さと乾いた草の香りがバランス取ってる。ヘイの優しい包み込む香りがいいかんじ。かわいらしい花の香りを中心に、パチュリが暗い湿度を、レザーがほんのりと重厚さを演出。
この手の甘いフルーティフローラルってよくある感じだけど、これはジンジャーによる炭酸のような刺激が広がるのがいい。なんだかトップの甘い香りに懐かしさを感じるなぁ、なんだろ。
ジンジャーのチリリッとした熱い感触ってほんと好き。加えて香ばしいような優しいヘイと、水分たっぷりのスイセンでドライかウェットかのバランスをうまく取ってる。ワクワク活動的だが品性はちゃんとあるんだぜ、という紳士淑女のイメージだな。
チュベローズの甘くかわいらしい香りが目立つけど、それ以外の香りはむしろ落ち着きのある大人な演出で、花の周りを囲んでいる。かわいすぎず幼すぎず、頼もしいメンツがしっかりバックアップ。この塩梅がいい。
行動的で元気いっぱいで、チャーミングさも持ち合わせてるけどきちんとした大人です!という雰囲気だ。かわいい香り付けたいけど子供っぽくしたくないしチャラチャラ出来ないってときに良さそうだね。
・Santal Blond(サンタル ブロンド)
トップはカルダモンが効いてる。サンダルウッドの穏やかな丸み、変にインセンスっぽくむわむわ立ち昇って来ないでとても落ち着いてる…ヒノキか!そうそう凄く品のある落ち着きなの。代わりにジャスミンが弱めに昇ってきて指をちらちら動かし密かに誘ってる。キレイ。だんだんサンダルウッドとヒノキが強まってく。
Fragranticaの
「Really great sandalwood fragrance not to dry and very well mixed with the cardamom and a touch of jasmine.」
という短いレビューが一番的確に表してる。その通りだ!もうこれ以上言う事ない(笑)。
時間経つとやはりサンダルウッドがしっかり残る。苦手な私にはちょっときついか…。遠めに付けて外出したらちょうど良さそうだな。ラストに来るまではとても好き。
・Bois d'Ambrette(ボワ ダンブレット)
アンブレットのふわーんと優しく甘い香りを想像してたら、アーシーでウッディ!へぇー!なんか少し懐かしさがある。
トップはじゅわっとマンダリンとジンジャー、からのほっこり暖かなサンダルウッドとアンジェリカ。柑橘の爽やかさはアミリスにバトンタッチしてアンブレットとムスクと合わさり柔らかくなる。土と木のドライでもそもそっとした感じがある。おいしく甘い。
最初は知的で図書館にいるみたいだったが、途中からとてもゆったりプライベートな雰囲気似。柑橘風なアミリスでキーが高くなってくのがちょっと難点ではあるかな。
正直、ノートだけ見ると全くピンと来なかったんだ(笑)。Fragranticaでも評価二分してて、印象が異なるから付けてみないとわからないタイプだと思う。メゾン クリヴェリのボワ ダチャイにちょっと似てるというコメントもあった。確かに!
シトラスではないしグリーンでもないがハーバルでウッディではあり、しかしインセンスではないしフローラルとも違う、落ち着いるがキーが高く、湿度は高いがムッとせず、甘い。不思議な香りだ。うん、ボワ ダチャイと似てる…
…と思ったけどノート比べると全然違うな?一個も被ってない(笑)。ボワ ダチャイはベリーの香りもいるもんなぁ。
・Poivre Pomelo(ポワーヴル ポメロ)
シトラスじゅわじゅわ!めちゃくちゃ清々しい!苦みが走るぐらい果汁がほとばしるのがいいね。スパイスも効いてる。
ティムトペッパーって初めて聞いたけど、「柑橘に似たフルーティな香辛料」だそう。へー。カルダモンとは違い爽やかさより甘酸っぱさがあるかんじ。
スパイシーさにグレープフルーツの酸味がじゅわっと、土の匂いするウッディのじわじわ伸びる刺激も合わさりとてもシャープ。それを少しだけ和らげる甘く美味しいフローラルとマテ。
なかなか刺激的だな…。でもトップ以外は穏やかな雰囲気をしてる。こういうスマートな落ち着きってこのブランドに共通して感じられる香調だ。
ただ、ずっと柑橘がビリビリー!!としてるからちょっと頭痛誘発系かも。付ける位置を顔から遠めにした方が良さそうか。
・Iris Ebène(イリス エベーヌ)
これまた不思議な香り…アイリス…ペッパー?ベチバー?グリーンな香りも…とても香辛料っぽい…。ピメント!? 唐辛子か!
そして大きく目立つスウェード。ムスクもレザー由来とある。スモーキーさに加えてサンダルウッドが立ち昇り、アイリスがまるく包み込む。アイリスの香り自体は感じられないが、すべての香りをキレイにつなぎ合わせ、角を取ってなめらかにまとめている。
ムスクやバルサムの甘さは唐辛子の熱さに吹き上げられ、ふわふわ漂ってる。面白い。下はレザーのズーンと沈み込む香りが埋め尽くしてるけど、これもあくまで煙であってふわふわしてるんだ。
なんとも不思議で他に感じたことのないタイプ。Fragranticaのレビューを読むとかなり高評価を受けているが、人によっては「馬糞臭くない牧場」「馬具の匂い」だと言ってる。ああなんか伝わる(笑)。スパイシーだし、レザーの上品さが馬っぽいんだ。
だんだんピメントも落ち着いてくると、サンダルウッドとムスクの優しさにアイリスが降りてきてとても上品になった。こうなるとスモーキーさも非常にオシャレでリッチ。もう牧場とは言わせないぞ。
ラストに近づくと甘さがやっと染み出す。アイリスとスウェードは永く美しく煙ってる。品があるなぁ…!美術館にいるような気分だ。めっちゃいいわ。
甘さは控えめ、とにかくこのスモーキーレザーが強い。かっこよすぎずダンディすぎず、上品でスマート。素敵すぎる。かなり好き。
どの香りからも「落ち着いた余裕のある暮らし」というイメージが浮かんだ。上質なものの本質を理解し、知性を備えた上流階級。派手にするのではなく品性を保ち、欲望に流されず広い視野を持ち、さじ加減はきっちり見極める。頭のいい人ってはっきり断言したり極端な言い方ってしないじゃない、それと育ちのいい人って人を傷つけるような事も言わないじゃない。ああいうかんじ。
香りの強さも少し控えめな印象だったかな。この落ち着きっぷりからも同じ品性を感じさせる。
どの香りもかっこよすぎず、甘すぎず、かわいすぎず…と何かを目立たせるものがない点から言えば、「ユニセックス」なのではなく「ノンバイナリーな香り」だ。非常に私好みであった。大満足。