【BL】紅さんを愛しすぎてる眞言さん【R-15くらい】

頑張って頭の悪い話を書きました。わたしが今まで書いてきた人たちのうち、この二人は圧倒的にシリアスです。頭悪くするのにはほんと手間がかかりました…お楽しみいただければ幸いです。

紅さんを愛しすぎてる眞言さん

「俺がお前に勝てるわけがなかろう」
 眞言はこれ以上なくシリアスな顔で言った。
 何かの拍子に、「どっちが先に相手をいかせられるか」という、たいへん頭の悪い話題になった。俺が考えを巡らせる前に、眞言が発言した。
「俺はお前専用なのだ、お前が何をしようと俺は即座に達することができる」
「そんなに誇らしく言わなくても…」
 なかば呆れる俺だが、その視線を眞言は違う風に受け取ったらしい。にわかに赤面して、ぴくぴくと小さく肩を震わせたかと思ったら、息を呑んで大きく痙攣した。その静かな美貌は汗まみれだ。
「……ほら」
「えっ君、何でいったの?」
「お前の視線で」
 白い頬が紅潮して、熱っぽく俺を見つめ返す眞言は可愛い。しかしこれはいささかよろしくないのではないか。
「君、外で俺が見てるだけでこうなっちゃう?」
「そんなことはない。俺とてきちんと時と場合を心得ている」
 眞言は断言するが、どうにも信じがたい。
「さぁ、罰をよこせ。どんなことでもこなしてみせるぞ」
「じゃぁさ、しばらく俺と外出するのはなしで」
「えっ」
 硬直する眞言へ噛んで含めるように俺は言う。
「だって君、俺が見てるだけでこうなっちゃうんでしょ。俺は君を独占したいんだ、こんなになった君を誰にも見せられない」
「そんな、そんな……俺は外の世界をお前と歩きたいのに……!」
「俺の言うことなら何でも聞くんでしょ?」
「前言撤回だ!」
 慌てる眞言に満たされる。俺にSっ気はないはずなんだけどなぁ…と思うのだが、眞言が俺で変わったように、俺も眞言で変わったのかもしれない。
 引き寄せて、赦しのキスを額に施す。その身体は熱く、鼠径部に硬いものが当たる。そんな風になった恋人に無反応でいられるほど、俺は人間ができてはいない。たくましい身体をきつく抱きしめれば、低い声が漏れた。

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