見出し画像

大学生の子をUSに残して帰国する際の注意点

はじめに

 子供がこれからUSの大学に入学する、またはすでに学んでいる状況で、親が日本へ帰国する場合に考えておかない注意点に関してまとめておきます。あまり一般的ではないですが非常に重要なことだと思うのでまとめておきます。
 私はこの手の専門家でもないのであくまで公開されている文面等を読んで理解したものをまとめているだけですので、実際に自分で読んで行動に移すことをお勧めします。

自己紹介

 日本とUSで合計20年近く働いてきました。家系を調べると65歳以上まで元気だった親族が少ないので、50歳でセミリタイアを考えています。今の生活拠点がUSなのでこの資産を上手く活用し日本への帰国準備をしています。


前提条件

 自分が想定した前提条件を書いておきます。ルール等は各州や学校によって違っていたりするので、全てが一般的であるとは限りません。状況に合わせて読み替えていただければと思います。

  • 親と子がカリフォルニア州に同居しており合法的に居住している

  • 複数年に渡り在住しTax Returnをしている

  • 子供の名前がTax Return上に記載されており、IRAまたは州が子供の居住を確認できる状況になっている

  • 子供が州立の大学(カリフォルニアだとUniversity of California XXXX)に進学を希望している、または在籍している

  • 子供は大学卒業まで在籍することを望んでいるが、親は都合により日本へ帰国することが決まっている。

UCのResidence割引を得るには

 UCは州に在住して納税をしていると、UCの大学費用が割引されます。要するにResidence割引というものです。親または子供がResidenceでない場合は全額負担となるため、かなりの負担額となります。それを回避するにはどうすかです。

 一番簡単で何も心配がないのは、子供と共に卒業まで同居することです。前提条件のところにも書きましたが、親が帰国してしまうのでそれはできません。ではどうすれば良いかのヒントがUCが公表している資料を参照しましょう。

https://www.ucop.edu/uc-legal/_files/ed-affairs/uc-residence-policy.pdf

Financial Independenceの証明

 18歳以下(成人していない)の子供が経済的に独立して、CA州に居住していることを示す必要があります。入学前であれば、一年以上前からCA州に居住している。入学しているのであれば、一年のほとんどをUSで過ごしているということが重要です。これを満たしていればUCのResidence割引が適応されます。
 つまりUCに通学するための資金は事前に準備してあるし、大学で学ぶためにCAにいる。というのを証明しろということです。以下が重要な部分かと思います。

UTMA, UGMA, and 529 Plansによる資金サポート

 UTMAとUGMAはよく知りませんが、529 planは時々聞きます。これは子供が小さい時から積み立てるPlanですね。資料にも明記されていますが、子供が14歳以上になってから積み立てるのはNGです。税制優遇があるので子供が小さい頃から積立していればそれなりの金額になっているかと思います。
 この529 planは子供の学費を払うことを前提としたものなので、それ以外には使用できないという制限がありますが、名義が子供の名前になっていればResidence証明として使用ができます。

Irrevocable Trust Accounts

 子供が14歳以後に渡米した方や、529 planを知らなかった、積立していなかった方はこちらになります。Trustに関しては別でまとめたいと思いますが簡単にいうと、学費目的で名義が子供の変更不可能なTrustです。なので親はお金を拠出するだけで変更や引き出しは一切できません。しかも子供が18歳になったら完全にTrustの権限が子供に移行するという制限もつきます。こちらのTruestに4年間と生活費の合計に相当するお金を入れて子供に私、子供はそこから自立してお金を引き出して学費と生活費を賄うというものです。
 Trustからは毎年K-1の発行が義務付けられるので、それをTax Return時に提出することでCA州もResidenceであることが追跡できるようになります。

その他注意点

 主に学費に関して注意点を今回は書きましたが、それよりも重要なことは、

子供が楽しんでそして自分の未来を大学で作れるか

です。親のエゴで無理やりUCに入れても、Domeでずっと遊んでいたり危ないものに手を出したりしては意味がないです。この点はしっかりと子供と話しておかないとダメですね。

まとめ

 今回はResidenceとしてステータスを維持しつつ子供だけをCAに残し学費を払うにはどうすれば良いかを公式資料を読み込みまとめました。現実的な方法としては2つあり、それらに関して簡単にまとめました。


いいなと思ったら応援しよう!

USAEng
アメリカSilicon Valley在住のエンジニアです。日本企業から突然アメリカ企業に転職して気が付いた事や知って役に立った事を書いています。