発言できる資格は?
会社生活において、建前では
「自由に発言してよい」
と言われますが、実際は調子に乗って発言すると
「分をわきまえない」
と顰蹙を買うことが多くあります。
さて、このような「発言資格」について、17世紀末から18世紀頭に、デカルトに対立したイタリアの社会学者ヴィーコは
「聴講生は聴くだけで発言は許されない、しかるべき力を示した後に発言が許される」
と言う大学の仕組みについて述べています。
私は、この問題について、ルーマンの社会システム記述に対する
トートロジー:今あるモノは正しい
パラドックス:今あるモノは間違い
の発想が、上手く説明できると思います。つまり
現状肯定のトートロジー姿勢なら
現状を把握できないなら発言できない現状否定のパラドックス姿勢なら
誰でも意見を言える
そこで、現在の会社などでは、多くの場合に心の底に
現状は正しい!
と言う思いがあります。そのため
現状を理解していない人間は
口出しするな!
と言う対応になってしまいます。
若い人は、このからくりを知っておくと、失敗も少なく出来るでしょう。