魔法が解けちゃった
↓のエントリのつづき……のようなもの。
バーチャル系コンテンツというものは、一度サ終すれば最後、ほぼ跡形もなく消えてしまう存在。その瞬間だけ、彼女たちはシンデレラになれるのだ。
そんな“12時の魔法”が解けた後、彼女たちは一体どうなるのだろうか。そもそも、シンデレラになる前の彼女たちにはどんな物語があったのだろうか。
まあ前置きはこれぐらいにしといて、本題に入ろう。僕が追っていたVアイドル『リブドル!(战斗吧歌姬!)』の話は、先述のエントリで書いたわけだが、まあ簡単に言うと「パフォーマンス力がめちゃくちゃ高い中華系バイリンガルアイドルが突如活動終了した」ということである。(正確には「日本での活動停止」だが、どのみち“中の人”は辞めてるんで語弊はないだろう)
そんなこんなで喪失感を抱いていたある日、bilibili動画のタイムラインにこんな動画が上がってきたのだ。
驚いた。初投稿の「歌ってみた」動画でこれほど歌唱力の高い新人投稿者が2人も出てくるとは珍しい。それに、なんだろう、自分はこの高揚感と似た感じを以前味わったことがある。
……そうか、“あの時”だ! あの『Pre-STAR』を初めて聴いた時と同じなのだ!!
それからはもう居ても立ってもいられなくなった。日々bilibiliを開いては、彼女たちのタイムラインを覗き、彼女たちのカバー曲を聴いて、とある生主さん経由でなぜか増えていく新人投稿者をチェックしては、情報を集めていくのがここ最近の日課となってしまった。
ということで、今回のエントリでは「僕がオススメする今注目のbilibiliうp主」を紹介していく。かなりニッチな人選となるが、僕が単純に“見守っていたい”と思った子たちを紹介するのであって、別に他意はない。たぶん。
・Sakula❀小舞
bilibili
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萌娘百科
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「萌娘百科」 (日本で言うところの「ニコ百」) で記事になるぐらいには知名度のある生主兼声優。Weiboでは普通に顔出ししてる。キズナアイが活動し始めたばかりの頃に、中国語吹き替え動画(あくまで“吹き替えしてみた”動画である)を投稿して人気となったらしい。基本的にアバターによる生配信(しかも週に複数回)のスタイルで、チャンネルにアーカイブは残らないが、有志でアーカイブしてたりする。
声優としては、『戦艦少女R』や『クローバーシアター』というスマホゲーの本国版CVなどを担当。割とコンスタントにお仕事をしているイメージ。(補足すると、『クローバーシアター』には、これから紹介する子たち全員がCVで出演してたりする)
そして、彼女こそがこのエントリを書くこととなった「全ての元凶」でもある。これから紹介する方々の大半は、なぜか彼女の生配信経由でbilibiliデビューしている。なんでだろうね。あれ、でもよく考えたら、“旧き”白狐Vドルと声が似てるかも……?
……まあ多分気のせいだろう。名前に「Sakula」ってあるのも“偶々”だ。
・么耶咩咩咩
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はじめに紹介した動画で歌ってる子。歌唱力お化けなヒツジ。
彼女の歌声は、パワフルなんだけど繊細という、一見相反するような要素を併せ持っていて、こう、聴いた人の感情を揺り動かすような声なんですよねぇ。当時のグループ内でも随一のボーカル力を誇ってた彼女の歌が僕はやっぱ好きで、いつも元気を貰ってて……って、あれ?俺は一体誰の話してるんや???
……なんだかよくわからんけど、ちょっと懐かしくなっちゃったわね。
あ、あとこの子も声優としてのお仕事をやっていて、さっきも出てきた『戦艦少女R』で複数キャラのCVを担当している。どんなCVをやってるかは、この人が動画でまとめていたりする。(いやユーザー名よw)
以前は“华礼亚”という名前で声優をやっていたのだが、bilibiliデビュー時に声優名義を現在のbilibili垢の名前に変更している。
・夏南柯Nicole
bilibili
※鍵垢です。→ 公開垢になりました。
pick up
既出の動画のもう一人の方。いろんな楽器が弾けるし、いろんな媒体で情報と写真が出てくる。
それもそのはず、彼女は学生時代からバンドのボーカルとして活動してきたらしい。
↑の動画がうpされたことをきっかけに、彼女の過去がいろいろと解き明かされていくこととなる。
中国のロックバンド情報をまとめたデータベースによると、2017年に結成された「Nicole Bucker」(通称「肉馬鹿」)というバンドで2018年まで“Neco”名義でボーカルとして活動。(“山下乃口”という名義は恐らくWeiboで使われていた垢名の模様、現在は削除されているため詳細は不明。また「日本人」という記述は間違いである。)
……ん?肉馬鹿?? あれ、確かお肉が大好きなVドルがいたような……。
……まあ偶然よ偶然。
それはさておき、このバンドについて調べていく中で、当時ドラムを担当していた“はやP”氏のブログを発見した。
この方は中国在住の日本人ということだが、ブログには「肉馬鹿」の活動に関しても多くの記述がある。例えば、先ほどの Nicole 自身が上げた動画の後半に出てくるライブ映像は、彼女がそのバンドでの最後の活動となった杭州MAOでのライブなのだが、その件に関する内容のエントリもある。
厨ニメイクの Nicole もかわいい……青いわ……。
このライブの映像は、YouTubeにフルで上がっていたりする。
一番“ロック”だった子は実は彼女というね……。
ちなみに僕は「We are the Future」という曲が好き。
この動画の投稿者“Ken Igarashi”氏は「肉馬鹿」のリーダーだった方である。
また、ブログでは Nicole の脱退理由についても書かれてあり、「日本留学」のためだったことがわかる。
これ以外のエントリにも、「肉馬鹿」の活動記や Nicole の写真と情報が多数出てくるので、Nicole の過去をもっと知りたい方は氏のブログを隈なく探してみることをオススメする。
さて話は戻り、上述のデータベースにも書かれてある通り、Nicole はこの「肉馬鹿」が結成される前に、上海海事大学の学生バンド「A-Crush」のボーカルとしても活動経験がある。(つまり、彼女は上海海事大学出身ということになるだろう)
そして、このツイート主である“老寸”氏もまた Nicole と同じく「A-Crash」から「肉馬鹿」へ、そして日本留学という同じ道を渡り歩いた人物なのだが、この方も情報収集の過程において鍵となる人物だったのだ。
Nicole は先の動画を投稿した後、今度は自作の日本語詞の楽曲動画をbilibiliに投稿したのだが、この動画のサムネに写ってる人物に見覚えがあったのだ。
右から2番目の人物。そう、彼こそが“老寸”氏その人であり、この曲の制作にも関わっていたのである。
そこで、氏のツイートを遡ってみると……
ビンゴ。(にしても、メロイックサインの Nicole も流石であるw)
さらに引用元ツイートから、この曲の制作風景も掲載されていた。
この曲は「SCRAMBLES」という楽曲制作プロダクションが2019年に行った無料レコーディング企画時に収録したものなのだが、時期的に考えても、その後すぐに“転身”することを考えるとなかなか面白い話である。
まあ何に“転身”したのか、僕はよく知らんけど……。
素のイメージが分かった上で“この声を出してた”ってのを知ると、そのギャップで萌える。いや、知らんけど……。
・鱼一YY
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歌もダンスもハイパフォーマンスな魚ちゃん。重度のゲーマー。あと『パズルガール』の歌詞がなぜかめちゃくちゃ刺さる。
……君日本語上手。てかもうパーソナリティとかほぼそのまんまじゃね? あっ、いや、ええっと、ナンノコトダロネ。
とにかく、何でも卒なくこなすイメージだった彼女だが、それは今も昔も変わらないようだ。
・小豆芽安雪璃
bilibili
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可愛らしいボイスが特徴のもやしちゃん。日本のマンガ・アニメが大好きで、当然日本語はペラペラ。かねてより日本で声優として活動することを夢見てた節があった。
一応、“AiriS”という名義で声優デビューはしており、『いわかける』や『エビシー修行日記』というアニメで出演している。(余談だが、両作とも ABCアニメーション の制作である)
元はと言えば、リブドルのアニメ第2期に出てくるアイ・キルドルフ(愛教官)というキャラクターのCVが“AiriS”であり、当時は正体不明の声優だった。
その数ヶ月後、リブドルと同じ制作会社のコミックPVにおいて、例の“AiriS”が出演することとなる。しかも、“あのVドルの声”そのまんまというオマケ付きで。
つまり、ここで「愛教官 = AiriS = カティア」という等式が完成してしまったのである。
終いには内輪でこんなネタ動画がつくられる始末に……。
何というか、会社の管理の甘さなのか、それとも彼女のシナリオ通りなのか、まあ知る由もない。
ともかく、これから声優としての活躍も期待したいところである。目指せ、劉セイラ。
・兰笛Saku
bilibili
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Sakuちゃんも声優目指してるっぽいね。日本語も当たり前のように流暢。ダンスもいける。コスプレもOK。
※高坂穂乃果の大正ロマンコス写真はWeiboに登録してフォローしないと見れません。
じゃあ、こっちの“新しい”コスプレで……。
※中に誰もいませんよ?(そろそろ怒られそう……)
なんだろう、報われて欲しいなぁ。真面目な子だと思うし。まあ個人的な願望だけどね。
・Bambi
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※鍵垢です。
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すんません、バンビちゃんはYouTubeで投稿してる子なんですが、まあ例外ということで。
まず『[A]ddiction』と言ったらコレ↓
ダンス上手い組、やっぱかっこいいわね……。
他にも、なんかAdoの新曲も即興で踊ったりしてるし。
『踊』いいよね……。Giga曲が好きなんかな。僕は『ギガンティックo.t.n』とか好きよ。
あと、うさピヨが好きらしいね。全然関係ないけど、↓の子が着てるTシャツのキャラクターは“うさロック”らしいよ。
……んなことはどうでもよくて、彼女もまたいろいろと活動歴のある子だ。
台湾出身の彼女は元々ダンスが好きらしく、確認できた範囲では、2012年頃からニコニコ動画でボカロ曲を中心に「踊ってみた」動画を投稿していたようだ。(以下はbilibiliに転載されたものの一部。彼女のニコ動垢は既に削除済み。)
その後、2015年頃から1~2年ほど台湾の地下アイドルグループ「CANDY☆STAR」に参加していた。
また、2017~2018年にはニコ動に投稿されたラブライブのコス衣装で「踊ってみた」動画に、南ことり担当で出演している。
彼女の南ことりコスの姿、実はCANDY☆STAR所属時代にもステージで見せていたりする。
そういや、ラ!のダンスは“こっち”でもやってたような……
なんか、みんなラ!のコスプレしてるし、いっそこの6人でやってみたら面白いんじゃね? てか見たい。
CANDY☆STARはちょくちょく日本でも活動していたようで、彼女も「くまフェス」等の出演のためによく来日していたらしい。
その後はお察しの通り。何やかんやあって今に至る。
ギターの練習めちゃくちゃ頑張ったんやろなぁ……とか、ストイックな食事してるんやなぁ……とか、インスタは“あの子”の口調の練習場でもあったんだなぁ……とか、いろいろと思うことはある。
何よりも、ダンスがピカイチに上手い子なんで、そっち方向で売れて欲しいよなぁ……。
はい、というわけで、いまイチオシのbilibiliうp主特集でした。調べていく中で、まさに“人に歴史あり”というのをヒシヒシと感じてきて、僕としては結構興味深かったね。そして、何の因果か、この6人が“一つの場所”に集まったという奇跡に感謝したいと思った。
あと、なんだろな、こう、ちゃんと努力したり、実績残したりした人には、それ相応にちゃんと評価されて欲しいというのが、ファン心理以上に、一人の人間としての願いだね。正直、彼女たちをこのまま野に放ったままでいいのか? と思う次第なのだが、まあそれも「現実」という難しさなのかもしれない。
なにはともあれ、これからの彼女たちに幸あらんことを。
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