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源氏物語ー融和抄ー

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『源氏物語』を独自の視点で掘り下げ、紫式部という女流作家の思想にアプローチしています。
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2023年1月の記事一覧

源氏物語ー融和抄ー高藤の恋

源氏物語ー融和抄ー高藤の恋

 あまりにも気の遠くなるような話は抜きにして、日本の飛鳥時代、西暦でいえば650年前後に中臣鎌足という人物がいました。天皇家のお血筋ではありませんが、昔から神様をお祀りする神事を司るお家柄でした。第38代天智天皇の側近として活躍し、亡くなる間際、天皇から藤原の姓を与えられました。

 藤原不比等というのは、この鎌足の子供です。不比等の子の中に、4人の男子がいました。武智麻呂、房前(ふささき)、宇合

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源氏物語ー融和抄ー序2

源氏物語ー融和抄ー序2

本題に入る前に少し、私のことをお話しさせてください。
とあるきっかけがあり、自分の人生を振り返ることになりました。
数年前のことです。
近年よく耳にする「本当の自分」。
本当の自分とは何だろう?
不思議探検隊の血が騒ぎます。
どんどんどんどん、深く探究していきました。
気がつけば、ひとりぼっちになってしまうほどに。

それで分かったのかといえば、正解かどうかは分からないものの、世間のパターンのよう

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源氏物語ー融和抄ー序1

源氏物語ー融和抄ー序1

大和に雪が積もる朝

かすかに響く 声はうたう

まだ醒めぬ誰かの夢に

光る結晶を灯すように

わたしに灯されたわずかなしるべ

さやかにゆれる花をかすめる

どこか遠くから口笛がきこえる

誰かの愛が目醒めるように

かけられた虹に 触れてみようと 想う

女神 ムーサへ捧ぐ