煽らない、煽られない

今日Bloombergから、アメリカ食肉市場が品薄になるかもしれない、というニュースが流れてきた。家畜の数が減っているわけではなく、もともとロックダウンにより外食産業が縮小することを見越して生産量を抑えていたところに、食肉加工場で働く労働者で感染者が出ることにより加工場が閉鎖されるケースがあると、農家の卸先がなくなり、市場により出回らなくなる、ということらしい。

以下参考記事

調べてみると、今月中旬くらいから各紙で同様の記事が上がっていたが、今日のこの記事は、より食肉市場がひっ迫する状況になる、と強調する内容に感じた。

在宅命令が起こった直後にはスーパーからきれいに肉が消えていたけれどまたそれが起こるのだろうか。

スーパーに行くと、品薄なものが替わっていくのが興味深い。在宅命令発令直後はパスタ、豆、肉、冷凍食品がきれいになくなった。先に品薄状態になった地域の写真や動画を取り上げ買い占めの不安を煽るかのようなニュースが出るたびに次々と近くのスーパーが品薄状態に陥った。実際、友人がSNSに上げる投稿も、空っぽの棚や入場制限による長蛇の列の写真が増えたが、行ってみると空っぽなのはその棚だけ、など拍子抜けすることもあった。

最近は漸く紙類の品薄状態が緩和されつつあり、食べ物の供給も落ち着いてきている一方、発令から一か月経つと家でお菓子やパン作りをする人が増えたせいか今度は小麦粉と無塩バター、砂糖が手に入らなくなった。小麦粉を今ネットで買おうとすると業務用の大袋しか手に入らない上1ポンド当たりの値段は2倍は超える高騰ぶりだ。

買い占めが起これば起こるほど、欲しい人のもとに渡らなくなり、値段が高くなっていく。自分の首を自分で絞めないためにも、報道を聞いて不安になってたくさん買いたくなる気持ちをぐっとこらえる、という冷静さを皆が持たないといけない。しかし、買い占めが起こるのであれば自分も買いだめないと困ってしまう。実際、普段からパンを焼いているのに小麦粉が足りなくなり、先日近所の方から小麦粉が入荷したと聞いたときに久々に見た小麦粉に興奮して2袋買ってしまった。家に帰ったあと、小麦粉がないとSNSでぼやいている人の投稿を見て、やっぱりまずかったかな、と後悔した。

どうすれば集団で非効率的なパニック行動を抑制できるのだろうか。私はまだその解決策はわからない。とりあえず、近所のスーパーの状況がSNSで上がっていても、きっと反応欲しさに大袈裟な写真をあげてしまうこともあるだろうから、まずは信じない。そして自分も煽るようなことは発信しない、というのが鉄則だろう。

本当に肉が買えなくなったら豆でタンパク質を取ればいい。ここの魚を食べるよりはおいしくできそう。今度の友達とのオンライン料理会は豆料理をやってみよう。


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?