ベンチタイム
およそ3年ほど前、絵描きになろうと決めてから、可能な限りの財と時間を費やして絵に向き合ってきました。
何を描けばいいのかわからず、どう描いたらいいのかもわからず、答えを探して来る日も来る日も朝から晩まで夢の中まで、絵のことを考えてきました。
今年の梅雨が明ける頃でしょうか、何となく少しだけ描く技術が上がったような気がしたのです。いい絵がかけるとかそう言うのではなくて、あくまで技能面です。
すると、それを誇示したくなってきたのです。それまで自信がなかったことの反動です。描くスピードが早くなったのもこの頃です。そうなったら、どんどん描きます。描いては投稿。SNSの罠にはまってしまったというのもある気がします。振り返るとなかなか危ない感じです。絵を描くことに全身全霊状態だったので、日常のアレヤコレヤもなおざりになっていました。
いくぶん残暑も和らぎはじめたかという9月の終盤、流行病にかかりました。
しかし、描くことをやめませんでした。
結果、絵を見てもらえる大事な機会を逃し、通っている画塾の皆勤賞も逃し、家族は冷凍食品生活、周りにはハンパ作が量産されていました。
治るまでおよそ10日くらいかかりました。かなり酷かった。
健康管理してても避けられないんだと気も弱り、どんより落ち込みました。
ようやく元気になって、歌のレッスンに行きました。日ごろ話し相手は動物くらいな世捨て人のような暮らしなので、少しでも下界とつながるために音楽スクールに通っているのです。
ひと月ぶりぐらいでした。加えて病み上がり。
そしたらですね、楽ににスッーっと声が出たんです。
先生曰く「しばらく離れるとね、力が抜けて声が出しやすくなる人がいるんですよ。練習も大事だけど、うまく歌えないと思ったらちょっと離れるのもいいんですよ~」だそうで。
その日から、他のだいじなこと、だいじだったことに向き合い始めました。
長らく澱んでいた空気が澄み、そよそよと風がふいてきたような感じがします。
ゆっくりじっくり描いていきたい。
そんなわけでnote始めてみました。
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?