![見出し画像](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/53385995/rectangle_large_type_2_a84d61690cb3f2434190fb6f919124e5.jpg?width=1200)
映画『明日の食卓』みてきました
私には子どもがいないので、子育ての経験がない。子を想う親の気持ちも想像はできるけれど、実感をもってわかるということはできない。いわば、この映画に登場する母たちを、自分のことのようには真に感じられない境遇といえるかもしれない。けれど、同じ社会に生きる一人の人間として、この3人の女性と子どもたちの現実をはらはらしながら見守るような気持ちで、みた。
自分の役割をまっとうするために必死にがんばる母親、どの家庭もぎりぎりのところで保っていた平穏がある出来事から崩れていき、抱えていた問題が姿をあらわす。そして追い詰められていく母親。だれがいったい子どもを殺してしまうのだろうか――。
ここに登場した母親たちには、おそらくこれからもなにかしらの試練はあるだろう。問題はなにひとつ解決していないのだから。彼女たちがあそこまで追い詰められないためには何が必要だったのかも考えたりした。でも、最後のシーンには救いがあった。乗り越えていくあらたな力が予感できた。
菅野美穂、高畑充希、尾野真千子という実力のある3人の俳優たちの演技もパワフルだった。目に焼き付いた場面はいくつもある。菅野美穂が夫の暴力から子どもたちを守るシーン。高畑充希が朝昼晩とクルクルと3つの仕事を掛け持ちして必死な毎日のなか、自転車をこぎながら泣き出してしまうシーン……。
尾野真千子はある意味で尾野真千子のこれまでのイメージとはかけ離れた役だったのかもしれない(そんなに詳しいわけじゃなく、私個人の感想です)が、今はこの役は尾野真千子以外は考えられないという心境となった。(尾野真千子の「茜色に焼かれる」もみたい)
子役たちの演技も心に残った。子どもはみな10歳。親たちをじつはじっくりと観察していて、親の悩みやがんばりに胸をいためたり、ときに批判的にとらえたりしながら、自分と親との距離をどうとろうかと考えている。その不安と、親を求める気持ちを3人の子役は見事に演じていたと思う。
6月1日からはシネコンもあくようなので、ご興味あればぜひ!
監督は「糸」「菊とギロチン」の瀬々敬久さん、脚本は小川智子さんです。
#瀬々敬久
#明日の食卓
#菅野美穂
#高畑充希
#尾野真千子
#アップリンク吉祥寺