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英国の旅がくれた小さな種

Story:

前回は、子供のころの絵本のStoryをエッセイに綴りました。
今回は少し大人になったFruitful-seedのストーリーです。最後まで読んでいただけると嬉しいです。😊


Air Mail


父から届く異国の風景

船乗りだった父は、世界中を旅しては、異国の街並みや人々の姿が描かれた絵葉書やエアメールを送ってくれました。その手紙を受け取るたびに、まだ見たことのない広い世界を想像し、夢を膨らませた子ども時代。
絵葉書の中の風景やそこに描かれた肌の色の違う人たちに、私は心をときめかせていました。

物語の中で出会った異国の風景や文化は、私の空想の翼をさらに広げてくれました。そしていつしか、『赤毛のアン』が暮らしていたカナダのプリンスエドワード島にも憧れるようになり、いつか自分の目でその世界を見てみたいと願うようになりました。

海外文通で広がった世界✉️

15歳のころ、本屋で見つけた「海外文通 ペンパル」の本
海外に友達ができるなんてすごいな!英語はまだ未熟だけど・・・
初めて海外の同世代の女の子と文通を始めました。
 相手はイギリス・ブリストルに住む女の子。
辞書を片手に自己紹介や日本のことをつたない英文で伝えました。今思えば、噴き出してしまいそうな文章だったと思います。💦

 私が絵本が好きだと伝えると、彼女はクリスマスに、イギリスの湖水地方の写真と一緒に、『ピーターラビット』の絵本を送ってくれました。💐

湖水地方の緑あふれる風景の中で描かれる、小さな動物たちのかわいらしい物語。その絵本を手にした時、私はまるでその場所にいるかのような気持ちになりました。

また、誕生日には『The Tiger Who Came to Tea(おちゃのじかんにきたとら)』という絵本を贈ってくれました。
「もしある日突然、オレンジと黒の縞模様のトラが家にやってきて、『お茶の時間にご一緒させていただけませんか?』なんて言ってきたら、どうしますか?」――そんなユーモアあふれる一文を添えた彼女の手紙に、思わず笑顔になったのを覚えています。

その絵本の中で描かれる、ちょっと不思議であたたかな世界観に、私はすっかり魅了されました。

children's book
 

イギリスへの招待状…初めての旅

「世界を見てみたい・・・」憧れを手紙に込めてお互いに夢を語り合う、「Dear my friend」と書き始めるその喜び。書き綴られるかわいい丸い英語の文字。私への贈り物…そう感じていました。
そんなある日、彼女から「イギリスに遊びに来ませんか?」というお誘いが届きました。とてもうれしくて、でも、無理かもしれない。少し緊張しながら、両親に相談した。母は心配顔、父の「次のステップの時なのだろう。もう、18歳」と英国行きを理解し、私を応援してくれました。
 アルバイトをして旅費を貯め、生まれて初めての海外旅行に挑戦しました。


イギリスの旅

異国の地、イギリスの空気を吸い、湖水地方の自然を歩きながら感じたのは、物語が現実に息づいている感覚でした。小さな村々、古い建物、そして地元の人々との交流。すべてが私にとって新鮮で、心を豊かにしてくれるものでした。

Book Trust/Book startとの出会い

イギリスでの旅の中で、私は「ブックスタート」という活動を知りました。これは、赤ちゃんが生まれた時に本を贈り、絵本を通じて親子の触れ合いを支える取り組みです。地域の図書館や保健センターと連携して、子どもたちに本の楽しさを伝える活動をしていることを知り、とても感動しました。

特に印象的だったのは、この活動が赤ちゃんだけでなく、すべての子どもたちに本を届けているという点です。
本が子どもたちに与える影響や、その背後にある「本が未来を育てる」という考え方に、私は深く心を動かされました。その時、「いつか私も絵本を通じて、子どもたちの未来を育てる活動がしたい」と、
心の中に小さな種が芽生えたのです。
https://www.booktrust.org.uk/what-we-do/programmes-and-campaigns/bookstart/

絵本がつなぐ未来への願い

イギリスでの旅は、私にとって単なる観光ではありませんでした。
 絵本や人々との出会い、そして「ブックスタート」のような取り組みは、私に未来への希望を与えてくれました。

絵本を通じて、子どもたちが想像力を育み、自分で考え、未来を切り拓く力を身につけてほしい。そんな願いを、小さな一歩として、これからも絵本の魅力を伝え続けたい、少しずつ形にしていきたいと思っています。

次回は、Fruitful-seedが大人になって出会うエッセイをお届け

いつもありがとうございます


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