思い出

一億年ぶりに中目黒に降り立った。

上京するとき、オシャレな街に住みたい!と恵比寿や代官山で物件を見るも想像以上の価格と狭さ、そして駅から遠いことに絶望したわたしに不動産屋の担当が中目黒の部屋を提案してきた。

中目黒、よく知らないし駅からも遠いしこれだけ出してもこれっぽっちの部屋にしか住めないのかという気持ちに変わりはなかったけど、内見後すぐに契約した。

というかすぐ決めなければならなかった。

なぜなら大阪の部屋はすでに解約申し込み済みで、一ヶ月以内に出ていかなければならなかったから。



都心とはいえ建物は低くスーパーや飲食店も多いからか、地方都市とのギャップも特になく住みやすかった。

雨が降るとドブの匂いがする目黒川も、桜の時期は美しく夏は新緑に癒された。

あまり知らない街だったけど、どうやらいい場所と認識するのに時間はかからなかった。


東京の人はとにかく住んでる場所を聞きたがる。何がそんなに気になるの?不快。これがマウントってこと??と、最初の頃は慣れなかった。

大阪に限らず、近畿地方は初対面で住んでる地域を聞く習慣はない気がする。当時は深く考えなかったけど、それは結局のところ部落問題があるからかな、と最近なにかのツイートを見て思った。



その後ヤドカリのように23区内を転々としてすっかりこちらには来なくなったけど、今住んでるエリアが一番好きだな、と思った。


余談だけど、2020年ごろは「将来は郊外の一軒家に住みたい」などとツイートしてました。撤回しておきます。


おわり

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