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もう、ひとりじゃないよ〜ドラキュラとあかいチョコレート二次創作ビタースイート篇外伝~
まえがき
鈴蘭と申します。毎朝clubhouseで今井雅子先生の『「ち」に飢えるさみしさードラキュラとあかいチョコレート』『「ち」のつく幸せードラキュラとあかいチョコレート』を朗読しています。
『「ち」に飢えるさみしさードラキュラとあかいチョコレート』はこちら
https://note.com/masakoimal/n/n9d742648aca4
『「ち」のつく幸せードラキュラとあかいチョコレート』はこちら
https://note.com/masakoimal/n/nca3d53a0a684
今井雅子先生の最初の膝枕はこちら
https://note.com/masakoimal/n/ne0dd89815d75
本日2月20日は『「ち」に飢えるさみしさードラキュラとあかいチョコレート』が公開されて1年。
そのお祝いとして『「ち」のつく幸せードラキュラとあかいチョコレート』のその後のお話を書かせていただきました。
今井雅子先生、ドラチョコ一周年おめでとうございます。
こちらのお話は今井雅子先生の『ドラキュラとあかいチョコレート』の二次創作になります。
まえがきが長くなり失礼しました。
それでは、本編スタート。
鈴蘭作 もう、ひとりじゃないよ〜ドラキュラとあかいチョコレート二次創作ビタースイート篇外伝~
みんなでドラキュラを起こした後ー
起きたドラキュラを囲んでみんなで喜んでると、お腹が空いたことに気づいた子どもたち。
ドラキュラが持ってきたチョコレートはなくなったので、それぞれ持ってきたお菓子を出してみんなで食べることにしました。
ひな「ウチ、うまい棒持ってきた!」
テーブルに敷いたハンカチの上に出したうまい棒は10本しかありませんでした。
かける「ひな、10本しかないよ。ドラキュラちゃんの分は?」
ひな「みんな、うまい棒折って。で、ひとつは自分でもうひとつはドラキュラちゃんに」
たくと「ドラキュラちゃんと半分こか!」
ひな「せや!(半分に折って)はい、ドラキュラちゃん」
みんなは半分に折り、ドラキュラの目の前のハンカチには半分になったうまい棒の山が出来ました。
ドラキュラ「みんな…ありがとう」
お喋りしながら食べてると、のどが渇いてきました。りんが水筒を出して全員分のお茶を注ぎ、配ります。
なぎさ「りんちゃん、いつもありがとう」
りん「私は飲み物係だからね」
次は、しゅうが大きめのビスケットを渡していきます。
しゅう「今日はにいちゃんが作ったビスケット持ってきたんだ。これも半分こで」
半分になったビスケットがドラキュラの前に積み上がります。
みんな「いただきま〜す!」
ドラキュラは半分になったビスケットを食べてみました。
ドラキュラ「美味しい」
しゅう「にいちゃんが作ったんだから、美味しいに決まってるよ!」
なぎさ「しゅう君のお兄さんはパティシエだもんね」
ドラキュラ「パティシエ?」
なぎさ「美味しいお菓子を作る人」
ドラキュラ「へえ」
しゅう「そういえば、ドラキュラちゃんはあのチョコレートどうやって作ったの?」
ドラキュラ「美味しいチョコレートの作り方って本見て作った」
わたる「ドラキュラちゃんのチョコレート、すごく美味しかった」
ドラキュラ「ボク、みんなと一緒にチョコレート食べた時、美味しいって思ったんだ。1人で食べるよりずっとずっと美味しいって…みんなで食べるとこんなに美味しく感じるなんて…初めて知ったよ。この味はとてもチャーミングな味だ」
みゆき「チャーミングな味?」
ドラキュラ「すごくすごく美味しいってことだよ」
喋ってる内にビスケットはみんなのお腹の中へ。
あると「ビスケット、なくなってきたね。じゃあ次は、ぼくの持ってきたせんべい食べて」
あるとが出したのは、10枚のせんべい。
手渡されたせんべいは、すぐ半分に割られドラキュラの前に置かれます。
ドラキュラ「これは?」
あると「せんべいっていうお菓子だよ。食べてみて」
ドラキュラが食べてみると、食べたことのない味です。
ドラキュラ「甘くないお菓子は初めて食べた」
あると「どう?」
ドラキュラ「このお菓子も美味しいね、すごくチャーミングな味だ」
あると「気に入ってもらえてよかったよ、ぼくの大好きなお菓子なんだ」
あるとはホッとしたように笑います。
お菓子を食べながらのお喋りは楽しく、テーブルの上のせんべいはあっという間になくなってしまいました。
みゆき「じゃあ、次は私ね。私はドーナツ持ってきたの」
少し大きめのそのドーナツも半分こ。
ドラキュラの前には半分になったドーナツがいっぱいです。
甘さを抑えたそれも、とてもチャーミングな味がしたのでした。
その後も、子どもたちはそれぞれのお菓子を半分こし、ドラキュラはお腹も気持ちもいっぱいになったのでした。
辺りが少しずつ暗くなり、空には星が輝き始めました。
楽しいおやつパーティタイムもそろそろ終わりの時間のようです。
ドラキュラ「ごちそうさまでした。みんなと半分こしたお菓子のおかげで、ボク、お腹いっぱいになったよ、ありがとう」
かける「ドラキュラちゃんが起きてくれてよかったよ」
ドラキュラ「…チョコレート食べてた時のみんなのほっぺがすごく美味しそうだったから、ボク、我慢出来なくなって噛みついて血を吸ってしまったんだ。そしたらみんな起きなくなって…。
また、ひとりぼっちになっちゃったって思ったら悲しくていっぱい泣いて…泣きくたびれて寝てしまったんだ。ボク、吸血鬼だから体が勝手に動いてみんなに噛みついてしまった。ごめんなさい…でも、起こしてくれて嬉しかった。ありがとう」
ひな「吸血鬼?じゃあドラキュラちゃんって、蚊みたいなもんやな」
ドラキュラ「え?蚊?」
かける「そうだよ、蚊と一緒だ」
たくと「そうそう、だから気にすることないって!」
蚊と一緒にされたドラキュラは、ちょっと不満そうです。
ドラキュラ「じゃあ、君たちはボクのこと怖くないのかい?」
わたる「ぼくはドラキュラちゃんに噛みつかれるより、注射のほうが怖いかなあ」
なぎさ「あ、あたしもそうかも!」
ひな「ウチもウチも!この前連れてかれてんけどめっちゃ痛かったわ〜。看護師さん怖かったしもう行きたない〜!」
ドラキュラそっちのけで、盛り上がっています。
ドラキュラ「ボクって、注射より怖くないのか…」
たくと「そりゃそうだよ。友達なんだから怖くないって」
ドラキュラ「え?友達?」
りん「そうよ、チョコレートみんなで分けて食べたでしょ?」
かける「友達なんだから起きなかったら心配するし、みんなで「ち」のつく言葉出し合ってドラキュラちゃんを起こしたのも友達だからだよ」
あると「ぼくたち、もう友達でしょ?」
みんなの言葉に、ドラキュラの心が温かくなります。
ドラキュラ「ボク、みんなと一緒にいていいの?」
なぎさ「もちろん!!」
みゆき「ドラキュラちゃんは、私たちの仲間よ」
みんなの言葉を聞いたドラキュラの目から涙が流れます。
ゆず「ドラキュラちゃん…もう、ひとりじゃないよ」
ゆずがドラキュラに優しく微笑みかけます。
ドラキュラ「みんな…ありがとう」
りん「明日もここでみんなで遊びましょうね」
りんに言われ、嬉しくなったドラキュラは大きく頷きました。
暗くなっても帰ってこないこども達を心配して、母親たちが迎えに来ました。
それぞれドラキュラに挨拶して帰っていくこども達。
ドラキュラの心とほっぺたは温かくなっていました。
ドラキュラ「ボクはもう、ひとりぼっちじゃない」
終
あとがき
お読みくださりありがとうございました。
こちらのお話は今井雅子先生の『「ち」に飢えるさみしさードラキュラとあかいチョコレート』の一周年記念のお祝いストーリーとして書かせていただいた二次創作になります。
タイトル画像はみんなのフォトギャラリーからお借りしました。
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