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Happy Birthday マダムマサコ🎉🎊🎂🎁💐

まえがき

鈴蘭と申します。
毎日Clubhouseで脚本家今井雅子先生の作品を朗読しています。
本日2月9日は今井雅子先生のお誕生日。
こちらのお話は今井雅子先生のお誕生日お祝いストーリーとして書かせていただきました。
今井雅子先生のリットリンクはこちら

今井雅子先生の最初の物語『正調膝枕』はこちら

こちらの物語では今井雅子先生が書かれたお話の中のキャラクター達がたくさん出てきます。
楽しんでくださると嬉しいです。

まえがきが長くなり失礼しました。
それでは、本編スタート。


鈴蘭作 Happy Birthday マダムマサコ🎉🎊🎂🎁💐


2月に入ったある日のこと。
ドラキュラさんは一通のメールを受け取りました。
差出人は、膝枕ナビコです。

『ドラキュラさん、こんにちは。
膝枕ナビコです。今日はお知らせしたいことがあってメールしました』

お知らせしたいこと?
ドラキュラさんは続きを読みます。

『今度の日曜日の2月9日は、ものがたりの母であるマダムマサコのお誕生日なのです。それで2月9日にマダムマサコ生誕祭を開催するので、ドラキュラさんにも《ぜひざ》参加していただきたいと思いまして。ドラキュラさんのご都合はいかがでしょうか?』

ドラキュラさんはカレンダーを確認します。
特に予定はありません。

『あまり猶予がありませんので、早めに参加か不参加かお返事くださいますようお願い致します』

ドラキュラさんはすぐ、参加すると返信しました。

ドラキュラ「日曜日だし、夕日の丘のこどもたちにも声をかけてみよう」


同じ頃ー
ダンスわにも膝枕ナビコからのメールを受け取っていました。

ダンスわに「マダムマサコ生誕祭!!それは盛大に祝わなきゃ~だわに!!そうだ、イジラとクルカにも教えるわに!!」

ダンスわには、はるか東の春の海とはるか西の秋の海の境にある四季の海で遊んでいたイジラとクルカに話しました。

イジラ「マダムマサコの生誕祭!!!」

クルカ「行きたいけど…僕たちは丘には上がれないよ」

ダンスわに「そこは心配ないわに。ヒザンド使いの順子さんにマダムマサコの所まで連れてってもらうわに」

イジラ「マダムマサコの所には海はあるのかい?」

ダンスわに「ないわにが…いざとなったらドラキュラさんの魔法でなんとかしてもらうわに」

クルカ「ドラキュラさんって誰?」

ダンスわに「夕日の見える丘でこども達と遊んでるあかいチョコレートが好きなパティシエさんだわに」

イジラ「パティシエって何?」

ダンスわに「美味しいお菓子を作る人わに」

クルカ「マダムマサコの所に行けるなら行きたいな。お祝いしたいし、お礼も言いたい」

イジラ「そうだな。ボクも行きたい」

ダンスわに「決まったわにね。じゃあドラキュラさんに電話するわに」

ダンスわにはスマートフォンを取り出すと、ドラキュラさんに電話をかけます。

プルルルル… プルルルル…

ドラキュラ「はい」

ダンスわに「ドラキュラさんわにか?」

ドラキュラ「はい、そうですが…」

ダンスわに「初めましてわに。私、ダンスわにと申しますわに」

ドラキュラ「おお!あなたが有名なダンスわにさんですか!初めまして。ドラキュラです」

ダンスわに「風の噂で、ドラキュラさんが魔法使えるって聞いたわに。それって本当わにか?」

ドラキュラ「え?なんで知ってるんですか?」

ダンスわに「それは企業秘密だわに。で、本当わにか?」

ドラキュラ「本当です」

ダンスわに「そうわにか。だったら、お願いしたいことがあるわに」

ドラキュラ「お願いしたいこと?」

ダンスわに「ドラキュラさんは、イジラとクルカを知ってるわにか?」

ドラキュラ「知ってますよ」

ダンスわに「イジラとクルカもマダムマサコの生誕祭に行きたいって言ってるわにが、今のままじゃマダムマサコの所へ行けないわに。ドラキュラさんの魔法でなんとかできないわにか?」

ドラキュラ「イジラとクルカは、確かイルカとクジラでしたね」

ダンスわに「そうわに。海を移動させるとか出来ないわにか?」

ドラキュラ「いや、さすがにそれは無理です」

ダンスわに「ダメわにか?」

ドラキュラ「海を移動させるのは難しいですが…イジラとクルカを人の姿にすることは出来ますよ」

ダンスわに「人に?そんなこと出来るわにか?」

ドラキュラ「ただし、1日だけです」

ダンスわに「マダムマサコの生誕祭は日曜日だけだから充分わに!!じゃあ、当日迎えに行くわに。よろしくお願いしますわに」

ドラキュラ「こちらこそよろしくお願いします」

電話を切ったダンスわには、イジラとクルカにドラキュラさんとの話を伝えます。

ダンスわに「イジラ!クルカ!マダムマサコの所へ行けるワニよ~」

話を聞いたイジラとクルカは大喜びです。

イジラ「ドラキュラさんのお陰でマダムマサコと話せるぞ!!」

クルカ「嬉しい!!ダンスわにさん、ありがとう。日曜日、楽しみにしてるね」

ダンスわにはイジラとクルカに手を振り、躍りながら帰っていきました。


また同じ頃ー
さすらい駅わすれもの室のパソコンに、膝枕ナビコからのメールが届きました。
メールを見た駅員さんはすぐ駅長室に駆け込み、お休みをもらったのでした。

駅員「マダムマサコへのお祝いは何にしようかなあ」


また同じ頃ー
MCフジモトは、膝枕ナビコからのメールを受け取っていました。

MC フジモト「マダムマサコ生誕祭か。なら、司会やらなきゃな」


また同じ頃ー

新島「ん?ナビコちゃんからメール?……マダムマサコ生誕祭!!それはお祝いに行かなくては!!!」


ナビコはたくさんのメールを一斉送信すると次の準備にかかります。

ナビコ「ナビ主さん、お願いがあります」

ナビ主「マダムマサコ生誕祭の会場探しだね」

ナビコ「ナビ主さんにしては、察しがいいですね」

ナビ主「…いつも思うんだけど、僕の扱い雑過ぎない?」

ナビコ「そんなことはありません」

ナビ主「そんなことあるよ。我ながらよく耐えてんなって、いつも思うんだ。膝枕してもらったこともないのに」

ナビコ「…ナビ主さんはナビコのこと、嫌いですか?」

ナビ主「嫌いだったらとっくに処分してるよ。さ、会場探しだっけ?ナビコちゃんも手伝ってね」


ドラキュラさんは、隠し本棚から一冊の本を取り出します。

ドラキュラ「またこの本を使うことになるとは思わなかったな」

その本には、イジラとクルカを人の姿に変える魔法の呪文が書かれていました。

ドラキュラ「さっさと覚えて、マダムマサコのバースデーケーキ作る準備しないと」


パーティー会場は、ナビ主さんの知り合いのレンタルスペースを経営してる人が場所を提供してくれることになりました。

ナビコ「ナビ主さんもたまには役に立ちますね」

ナビ主「ナビコちゃん、こういう時はありがとうって言って欲しいな」

ナビコ「お友達がいないナビ主さんですが、助けてくれる知り合いの人はたくさんいるのですね。ナビコびっくりしました」

ナビ主「友達いないって決めつけないで。タケシがいるんだから」

ナビコ「たった1人のお友達のタワシ君ですね?」

ナビ主「タワシじゃなくてタケシだって。まあ、そんなことより会場決まってよかったよ」

ナビコ「そうですね。ナビ主さんのお陰です」

ナビ主「後は…ケータリングも必要かな?」

ナビコ「バースデーケーキはドラキュラさんが作ってくれます」

ナビ主「そうなの?ナビコちゃん、いつ依頼したの?」

ナビコ「返信が来た時にお願いしました」

ナビ主「ドラキュラさんって、有名パティスリーのオーナーシェフじゃなかったっけ?」

ナビコ「そうです。参加費の中にケーキ代も含まれてます」

ナビ主「じゃあ、ケーキ以外の食事の準備はしないとね。あ~それから、マダムマサコに連絡した?」

ナビコ「はい、しました。楽しみにしてるとの事でした」

ナビ主「後は…」

ナビコちゃんとナビ主さんの打ち合わせはその後も続くのでした。


マダムマサコ「ナビコちゃんからメール来てびっくりしたわ」

さっき届いたメールを見直し、ナビコちゃんが誕生日を覚えてくれてたことを嬉しく思うマダムマサコ。
そこには、『来る2月9日にマダムマサコの生誕祭を開催します。《ぜひざ》お越しください』と書かれています。

マダムマサコ「私自身も誕生日のこと忘れてたのに、覚えてくれてたなんて嬉しい。私が主役なんだから、ここはもちろん参加よね」

マダムマサコは、もちろん伺います。楽しみにしていますと返信しました。


次の日、ドラキュラさんのお店。
ドラキュラさんは、2月9日がマダムマサコのお誕生日であること、その誕生日ケーキを依頼されたこと、作らないといけないケーキの数などスタッフのみんなに伝えました。

ドラキュラ「ゲストはとても多いそうだ。だから、個別ではなく大きなスクエア形のケーキをいくつか作ろうと考えてる。切り分けるのも楽そうだし」

女性スタッフ「いいですね」

男性スタッフ「そのケーキが全部出来るまでお店はお休みにした方が良さそうですね」

ドラキュラ「うん、それで頼むよ。みんなの協力なしにはケーキを完成させるのは難しい。よろしくお願いします!!」

頭を下げるドラキュラさん。

男性スタッフ「ドラキュラさん、頭上げてください」

女性スタッフ「そうですよ。早速始めましょう」

ミーティングが始まり、それぞれの仕事を確認すると、マダムマサコのバースデーケーキ作りがスタートしました。


ナビコとナビ主さんの打ち合わせはまだ続いています。

ナビ主「後は当日の受付スタッフと司会してくれる人か…」

ナビコ「司会はMCフジモトさんにお願いしています」

ナビ主「相変わらず手回しがいいね。さすがナビコちゃん」

ナビコ「受付はナビコとナビ主さんでやりませんか?」

ナビ主「そうだね、そうしようか。…それにしてもナビコちゃんからマダムマサコの生誕祭をしたいと言われるとは思わなかったよ」

ナビコ「マダムマサコは、すべてのものがたりの母なのです。お祝いしたい人はたくさんいるはずだと思い、企画しました。2月9日はマダムマサコにもゲストの方々にも楽しんでもらえるように頑張りましょう、ナビ主さん」

ナビ主「ナビコちゃんが珍しくまともなこと言ってる」

ナビコ「ナビ主さん、随分失礼なことを言ってます」

ナビ主「ははっ、ごめん」


マダムマサコのお誕生日まであと2日。
ドラキュラさんのお店では、急ピッチでバースデーケーキが作られています。

男性スタッフ「なんとかギリ間に合いそうですが…何時から始まるんでしたっけ?」

ドラキュラ「11時からだ。受付は10時半からだが、搬入の時間は9時からと聞いている」

女性スタッフ「オーナーは参加されるんでしたよね?」

ドラキュラ「ああ。色々準備したいこともあるんだが…」

男性スタッフ「だったら、後のことは俺たちに任せてください。搬入もしますから」

ドラキュラ「君たちに任せていいのか?」

男性スタッフ「もちろんです!ドラキュラさん、またバルーンアートするんですよね?」

ドラキュラ「ん?君たちに話したかな?」

男性スタッフ「聞いてませんが、ドラキュラさんならやるんじゃないかなって」

ドラキュラ「バレてたかw
マダムマサコにどうしてもプレゼントしたくてね」

女性スタッフ「オーナーのバルーンアート、素敵ですものね。きっとマダムマサコも喜ばれると思います」

ドラキュラ「喜んでくれるといいんだけどね。それじゃ、ケーキはみんなに任せるね。私は帰らせてもうよ」

男性スタッフ「は~い、お疲れ様っした!」

女性スタッフ「バルーンアート、頑張ってください」

ドラキュラ「ありがとう。じゃあ、後はよろしく」

ドラキュラさんが帰り支度をして店を出ようとすると、なぎさとゆずがお店に入ってきました。

ドラキュラ「そうだ、生誕祭のこと話さないと」

ドラキュラさんが声をかけようとすると、2人が先に気づき挨拶します。

なぎさ・ゆず「ドラキュラちゃん、こんにちは」

ドラキュラ「なぎさちゃん、ゆずちゃん、こんにちは。来てくれてありがとう、食べに来てくれたのかな?」

なぎさ「はい。今日は女子会で」

ゆず「みんなも後から来ます」

ドラキュラ「そうなんだ、ゆっくりしていってね。……あ、そうだ次の2月9日の日曜日ってみんな予定あるかな?」

なぎさ「女子は、みんなでショッピングモールへ行く約束してます」

ドラキュラ「あ~、予定決まってたか」

ゆず「どうかしましたか?」

ドラキュラ「実は2月9日はマダムマサコのお誕生日でね、お祝いパーティーがあるんだ。みんなの予定が空いてたら一緒にどうかなって思ったんだけど」

なぎさ「そうなんですね。行ってみたいけど、ひなちゃんとみゆきちゃんの空いてる日が日曜日だけなんですよ。だから、今回はやめておきます」

ドラキュラ「そうか…そういうことなら仕方ないね。わかったよ、じゃあ俺はこれで。女子会楽しんでね」

ドラキュラさんは店を出ました。
家に帰ったらやることはたくさんあります。

ドラキュラ「呪文は覚えた。後はマダムマサコへのバルーンアートを何にするか……プードルもいいが、今回は違うものにチャレンジしてみたいな。また、漂流さんに相談してみるか」

家に着くとすぐ漂流さんに電話します。

プルルルル…プルルルル…

漂流「はい」

ドラキュラ「漂流さん、こんにちは」

漂流「ドラキュラさん、こんにちは。なにか困ったことでもあった?」

ドラキュラ「ええ。ちょっと…」

暫く話し込む2人。

ドラキュラ「やっぱり漂流さんは頼りになりますね!アドバイスありがとうございます!!」

漂流「たいしたアドバイスじゃないけどね。バルーンアート、頑張って」

ドラキュラ「はい、ありがとうございます」

その後、夜遅くまでバルーンアートを練習するドラキュラさんでした。


2月9日。今日はマダムマサコのお誕生日。
夜遅くまで練習していたドラキュラさんは、なんとか新しいバルーンアートが出来るようになったようです。

ドラキュラ「ギリギリになったがなんとか披露出来そうだ」

時計を見ると5時。眠る時間はなさそうです。

ドラキュラ「仕方ない、とりあえず風呂に入ってなにか食べるか…」

お風呂と朝食を済ませ、時計を見ると7時です。

ドラキュラ「もうこんな時間か。ダンスわにが来る時間は8時だったか…あ、荷物準備してなかった」

ドラキュラさんは、バルーンアートの荷物と別にイジラとクルカの服一式を鞄にまとめました
。ダンスわにと話した時にイジラとクルカのおおよその年齢や体格を聞き、仕事終わりに買っておいたのです。

ドラキュラ「さあて、そろそろ来るかな」

ドラキュラさんが家を出ると、ダンスわにとヒザンド使いの順子さんがいました。

だんすわに「ドラキュラさん、おはようわに」

順子「ドラキュラさん、初めまして。ヒザンド使いの順子です」

ドラキュラ「ダンスわにさん、おはよう。順子さん、初めまして。ドラキュラです」

ドラキュラさんはイジラとクルカがいないことに気づきました。

ドラキュラ「ダンスわにさん、イジラとクルカは?」

ダンスわに「この先の池で待ってるわに。さ、行くわによ」

ドラキュラ「ダンスわにさん、池があるの知ってたのかい?教えてなかったと思うけど」

ダンスわに「ドラキュラさんのお家を調べた時に一緒に調べておいたわに」

池に行くと、大きなイルカと小さなクジラが待っていました。

ドラキュラ「君たちがイジラとクルカだね。じゃあ早速始めようか」

ドラキュラさんが呪文を詠唱するとイジラとクルカが浮かび上がります。
そのままドラキュラさんが次の呪文を詠唱をすると、イジラとクルカはシャボン玉に入ってしまいました。
更に次の呪文を詠唱するドラキュラさん。
シャボン玉の中が光でいっぱいになります。
見ていたダンスわにと順子さんは、眩しくて目を瞑ってしまいました。
シャボン玉の光が消え、2人が目を開けると、それぞれのシャボン玉の中には男の子がいました。

ダンスわに「イジラとクルカわにか?」
 
ドラキュラ「そうです」

順子「すごい!本当に人間の男の子になってるわ!2人とも服を着てないけど寒くないのかしら」

ドラキュラ「シャボン玉の中は暖かいので大丈夫です。服はこの鞄に入ってますが外は寒いので、一旦私の家に戻りましょうか。イジラとクルカは先に移動させます」

ドラキュラさんが呪文を詠唱すると、2つのシャボン玉が消えました

順子「じゃあ私たちも移動しましょう」


ドラキュラさんの家で服を着せてもらったイジラとクルカ。
下着姿の2人にホリベ画伯のショップで購入したイジラとクルカのトレーナーを着せ、裏起毛の暖かいズボンを履かせるとサイズもぴったりです。

ドラキュラ「サイズは合ってたようだね、よかった。初めまして、ドラキュラです」

イジラ「ドラキュラさん、初めまして。イジラです。人間にしてくれてありがとう!!」

クルカ「ドラキュラさん、初めまして。クルカです。人間になれるなんて夢みたい!!ありがとう」

ドラキュラ「人間でいられるのは今日だけなんだけどね」

イジラ「マダムマサコと話せるなら今日だけで充分だよ」

クルカ「うん、今日だけで大丈夫。…でも、マダムマサコは僕たちのことすぐわかるかな?」

ドラキュラ「わかると思うよ。君たちの着てるトレーナーは、それぞれ元の姿のイラストがプリントされてるから」

イジラ「僕たちってこんな姿だったんだ」

クルカ「初めて知った」

ダンスわに「とりあえず生誕祭に行けそうわにか?」

ドラキュラ「そうですね。今、10時半過ぎだからそろそろ行きましょうか。開場は始まってるはずです」

ダンスわに「じゃあ順子さん、お願いしますわに」

順子「OK!!行くわよ!!」


ヒザンド使いの順子さんのお陰で、一瞬で会場に着いた一同。
受付に行くと長い行列が出来ていました。

順子「すごい人ね。時間までに入れるかしら」

ダンスわに「膝枕ナビコちゃんとナビ主さんが受付業務してるわにね。大変そうわに」

順子「ね、手伝いに行かない?」

ドラキュラ「そうですね、行きましょう」

みんなで受付に行くと、ナビコちゃんとナビ主さんは忙しそうにしています。

ダンスわに「ナビコちゃん、おはようわに~」

ナビコ「ダンスわにさん、おはようございます」

ダンスわに「受付業務、大変そうわにね~」

ナビコ「はい、私たちだけだと本当に大変です」

ダンスわに「手伝うわに」

ナビコ「え?いいんですか?」

ダンスわに「7人でやれば受付業務も速く終わるわに」

ナビコ「7人?」

ドラキュラ「俺も手伝いますよ」

順子「あたしも手伝うわ!」

イジラ「僕も手伝います」

クルカ「僕も」

ナビ主「皆さん、ありがとうございます。ではよろしくお願いします」

ダンスわに達が受付を手伝い始めてから、どんどん行列がなくなり、11時過ぎにゲストは全員会場に入りました。

ナビ主「受付業務終了です!ありがとうございました、皆さん」

ナビコ「11時過ぎてます、急ぎましょう」


会場に入ると、ちょうどMCフジモトのオープニングトークが始まるところでした。

MCフジモト「レディース&ジェントルメン!!本日は、すべてのものがたりの母・マダムマサコの生誕祭にようこそお出でくださいました。わたくし、司会のMCフジモトと申します。どうぞよろしくお願いします。」

会場に拍手の音が響きます。
ドラキュラさんが周りを見ると、色んな人がいます。一緒にいる膝枕たちはみんな分厚いクッション付きの専用カートに乗っています。
作家、医師、アイドル、芸術家っぽい人、会社員、女子校生、赤ちゃんを抱いてるお母さん…かと思えばおとぎ話に出てきそうなお姫様や王子様、他にもたくさんいます。

MCフジモト「では、単身渡米ラッパーさんと妻ヒサコさんによるラップバトルです!!」

最初の演目が始まりました。
すごく盛り上がってます。

ドラキュラ「ラップバトルか。初めて聴いた」

ダンスわに「ラップバトルも面白そうだわに」

ドラキュラ「ダンスわにさんもやってみますか?」

だんすわに「今日はわにだんとバナナ売りをやるわに。ラップバトルは難しそうだわに」

ドラキュラ「確かにそうですね。でも楽しそうだ。ダンスわにさんは次ですよね、楽しみにしています」

ダンスわに「アリゲーター!行ってくるわに~」

ラップバトルが終わりました。

MCフジモト「単身渡米ラッパーさん、ヒサコさんありがとうございました。次はダンスわにさんによるわにのダンスとわにのバナナ売りです」

ステージにダンスわにが登場すると、さっきより大きな歓声が上がります。

ダンスわに「マダムマサコ、Happy Birthdayわに。今からお祝いのダンスとバナナ売りしますわに」

マダムマサコにお辞儀をすると、だんすわには歌い踊りました。
客席からはヤジが飛びます。
踊りが終わると拍手喝采、大歓声。
続いてダンスわには、バナナ売りの口上を述べます。
持ってる扇子でリズムを取りながら述べる口上にみんな引き込まれていきます。
ダンスわにのバナナ売りが終わるとまたもや拍手喝采、大歓声です。

ドラキュラ「ダンスわにさんって歌って踊るだけじゃなくバナナ売りも上手だなあ」

その後も、落語やことば遊び、歌や朗読と演目が続きます。

イジラとクルカの朗読と歌もとても可愛らしく終わった時には「可愛いー!!」の声が飛び交っていました。

MCフジモト「一部はこれで終了になります。この後は14時まで昼食、二部は14時10分からスタートです」


準備されていたケータリングのテーブルにみんな殺到したので、テーブルの前はすごい人だかりです。

ダンスわに「ん~、人いっぱいわにね」

順子「二部までにちょっとでも食べられるといいんだけど」

順子さんとダンスわにが話してると、イジラとクルカがマダムマサコに挨拶しに行きたいと言い出しました。

ダンスわに「そうわにね。先にマダムマサコにご挨拶するわに」

みんなでマダムマサコの所へ行くと、こちらも行列が出来ていましたが、そんなに長い行列ではありません。

ドラキュラ「これくらいの列なら、そんなに待たずにマダムマサコと話せそうですね」

ダンスわに「そうわにね」

話している間にも列はどんどん進み、ついにドラキュラさん達に順番がまわってきました。
挨拶は1人5分です。

順子「マダムマサコ、お誕生日おめでとうございます」

マダムマサコ「ありがとう順子さん、お久しぶりね。閻魔大王は元気?」

順子「はい、最初に会った時の情けない閻魔大王は、もういません。今は地獄が良くなるよう鬼達と頑張っているようです」

マダムマサコ「そう。順子さんが閻魔大王を変えたのね。私もいつか会ってみたいわ」

順子「ヒザンドでいつでもご案内します」

マダムマサコ「ありがとう、また連絡するわね」

順子さんが終わり、マダムマサコの前にイジラとクルカが来ました。2人の少年を見てマダムマサコは怪訝な表情でしたが、トレーナーを見ると笑顔になります。

イジラ「マダムマサコ、お誕生日おめでとうございます。イジラです」

クルカ「マダムマサコ、お誕生日おめでとうございます。クルカです」

マダムマサコ「2人ともありがとう。トレーナー見るまでわからなかったわw」

イジラ「マダムマサコのお陰でクルカに出会えました。ありがとうございます」

クルカ「マダムマサコのお陰で毎日楽しくイジラと遊んでます。ありがとうございます」

マダムマサコ「あなた達からお祝いしてもらえて嬉しいわ。さっきの朗読と歌もとても可愛かった」

イジラ・クルカ「ありがとうございます!!」

イジラとクルカの時間はここで終わり、次に来たのはダンスわにです。

ダンスわに「やあ、マダムマサコ。こんにちわに。お誕生日、おめでとうわに~」

マダムマサコ「ダンスわにも来てくれたのね、ありがとう。わにのダンスもバナナ売りも楽しかったわ」

ダンスわに「喜んでもらえたようでなによりだわに。わにのバナナ売りはいっぱい練習して、またお披露目するわに」

マダムマサコ「楽しみにしているわね」

ここでダンスわには終了。次はドラキュラさんです。

ドラキュラ「マダムマサコ、お誕生日おめでとうございます」

マダムマサコ「ありがとう。ドラキュラさんも来てくれたのね、嬉しいわ」

ニコニコしているマダムマサコに、ドラキュラさんはペーパーバックを渡しました。
マダムマサコが覗いてみると、夕日を思わせるような綺麗な赤いハート形の箱が入ってます。

マダムマサコ「綺麗…夕日の色みたい」

ドラキュラ「どうぞ開けてみてください」

蓋を開けると、夕日の色のような赤いチョコレートがたくさん入ってしまいました。

マダムマサコ「まあ、赤いチョコレートだわ。本当に夕日の色を写したみたい」

ドラキュラ「最初は赤いチョコレートの作り方がわからなかったのですが、調べて何度も作ってる内にこの色まで出せるようになりました」

マダムマサコ「ドラキュラさん、ありがとう」

ドラキュラ「こちらこそありがとうございます。マダムマサコのお陰でたくさん友達が出来ました。これはほんのお礼です。最初から見ていたのですが、マダムマサコは飲み物を少し口にしただけで、全然お食事されてませんよね?これでしたら演目見ながらでも食べられますので、よろしければお召し上がりください」

マダムマサコ「ドラキュラさんに見られてたのねwありがとう、いただくわ」

ドラキュラ「私はバルーンアートをします。順番はラストですが」

マダムマサコ「トリはドラキュラさんなのね。楽しみにしているわ」

ここでドラキュラさんの時間終了になり、5人は自分たちのテーブルに戻っていきました。
椅子に腰掛け、マダムマサコの方を見るとまだ行列が続いています。

ダンスわに「ドラキュラさん、いつチョコレートを準備したわにか?」

ドラキュラ「昨日です。マダムマサコはひょっとしたら食べる余裕はないかもしれないと思いまして…」

ダンスわに「どうしてそう思ったわにか?」

ドラキュラ「みんなが披露してる時に食べながら見るような方とは思えなくて…こっそり食べられそうなチョコレートを作っておいたんです。会場に入ってからずっとマダムマサコを見ていたのですが、案の定、飲み物を一口か二口飲んだだけで食事には手を付けてないようでした」

ダンスわに「マダムマサコを観察してたわにか?」

ドラキュラ「観察というほどのものではありませんよ。見るともなしに見ていた感じです」

ダンスわに「ドラキュラさん、すごいわに」

時計はそろそろ14時。
もうすぐ二部が始まります。

順子「じゃあ、行ってくるわ~」

イジラ「順子さん、いってらっしゃ~い」

クルカ「順子さんの歌、楽しみ!!」


14時10分。
いよいよ二部が始まります。

MCフジモト「皆様、大変お待たせしました。ただいまよりマダムマサコ生誕祭第二部開幕です。最初は元アイドルの順子さんによるバースデーソングメドレーです!では、順子さんよろしくお願いします!!」

ステージに出てきた順子さんは、イブニングドレス姿で大人っぽい雰囲気です。

ダンスわに「順子さん、綺麗わにね~」

順子さんはアカペラでバースデーソング5曲を歌い上げました。
圧倒的な歌唱力で、聴いている人たちはみんな順子さんの虜になっています。

イジラ「順子さんの歌かっこいいなあ」

クルカ「うんうん。すっごく上手」

順子さんが歌い終わると、拍手の嵐が巻き起こります。

MCフジモト「元アイドルの順子さんによるバースデーソングメドレーでした!順子さん、ありがとうございました~」

その後もカードマジックやパントマイム、寸劇…演目はどんどん続きます。
順子さんが戻ってきました。

イジラ「順子さ~ん、カッコよかった~!!」

クルカ「順子さんのお歌、素敵だったあ!!」

順子「イジラ、クルカ、ありがとう!!」

ダンスわに「順子さん、お歌、上手わに」

順子「ダンスわにもありがとうね」

ドラキュラ「さすが元アイドルですね。とても華やかなステージでした」

順子「ドラキュラさんもありがとう!」

いよいよ、二部もラストが近づいてきたようです。

ドラキュラ「そろそろかな?いってきます」

ダンスわに「ドラキュラさん、頑張るわに~!!」

順子「ドラキュラさん、頑張って~」

イジラ「ドラキュラさん、頑張れ!!」

クルカ「ドラキュラさん、頑張れ~」

トリを務めることになったドラキュラさん、内心ガクガクブルブルだったのですが、みんなの応援を背にステージに向かいます。


MCフジモト「さて、演目もいよいよラストとなりました。トリを飾るのは、あの有名パティスリーのオーナーシェフのドラキュラさん。バルーンアートを華麗にキメます!!」

ドキドキしながらステージ登場したドラキュラさん。でも、他の人からは落ち着いているように見えるようです。
まずはゲストにお辞儀すると、手始めに鉢巻きや剣といった簡単に作れるものを作っていきます。色んなバルーンが出来上がる度、ゲスト席からは大きな拍手が上がります。ドラキュラさんはゲストにお辞儀し、また新しいバルーンアートを作り出します。出来上がったのは…ガンダム。少しずつ難易度を上げていきます。
ペガサスが出来上がると一際大きな歓声が上がります。
更にレベルの高いバルーンアートを作り上げるドラキュラさん。最後に作り上げたのは…ミニーマウスのプレスレット。
ゲストにお辞儀し、ミニーマウスのブレスレットを抱えてマダムマサコの処まで歩いていくと、マダムマサコの右手首にミニーマウスのブレスレットを通しました。
まるで指輪を付けるかのような仕草に、ゲストからは歓声と拍手が沸き起こりました

MCフジモト「ドラキュラさんのバルーンアートでした!!ラストはマダムマサコにプロポーズしているようでしたね。ドラキュラさん、ありがとうございました。演目は以上です。さて次は、ドラキュラさんのお店の協力の下作られたバースデーケーキのカットです。カットするのは、もちろんマダムマサコです!!」

ステージにケーキが運ばれ、マダムマサコが登場するとゲスト席から大きな拍手。

MCフジモト「マダムマサコがバースデーケーキカットをします。皆様、Happy Birthdayを歌いましょう!!」

マダムマサコがカットナイフを握ると会場にBGMが流れます。

~Happy  Birthday to you  Happy Birthday to y
ou Happy Birthday Dear MadamMaSaKo Happy Birthday to you ~

歌が終わると、マダムマサコがカットしました。
カットされたケーキはスタッフがゲストに配ってまわります。
こうしてみんなでバースデーケーキを堪能したのでした。

マダムマサコ「みんな、来てくれて本当にありがとう!これからもよろしくね」

MCフジモト「さて、マダムマサコ生誕祭、いかがでしたでしょうか?こちらで生誕祭全て終了しました。改めまして、お誕生日おめでとうございます、マダムマサコ。そしてこれからもよろしくお願いします」


MCフジモトの言葉で生誕祭は終了しました。
ゲストはそれぞれ帰っていきます。
ドラキュラさん一行は、来たときと同じように順子のヒザンドでドラキュラさん家まで帰ってきました。

ドラキュラ「イジラとクルカを戻さないといけないね。順子さん、みんなを四季の海まで連れてってくれないか?」

順子「わかったわ。でもその前に…みんなで記念写真撮りましょうよ。イジラとクルカの人の姿はもう見れないかもしれないでしょ?」

ダンスわに「順子さん、何を言ってるわにか。ドラキュラさんにお願いすれば…ムグッ」

ドラキュラさんがダンスわにさんの口を塞ぎます。

ドラキュラ「魔法のことは内緒にしておいてください。俺は魔法を使えることを知られたくないのです。今回は仕方なく使いましたが…」

ダンスわに「なんでわに?」

ドラキュラ「そこも…ノーコメントで」

ドラキュラさんの言葉に何かを感じ取ったダンスわに。

ダンスわに「わかったわに。でも、写真撮ってからいくわに」

ドラキュラ「ありがとうございます。では、写真撮ったら四季の海に行きましょう」

写真撮った後、順子さんに四季の海まで連れてってもらったドラキュラさんはイジラとクルカを元の姿に戻したのでした。

ダンスわに「今日は楽しかったわに。ケーキも美味しかったしマダムマサコのお祝いも出来た。来年もみんなでお祝いしたいわにな」

ドラキュラ「そうですね。来年もみんなでマダムマサコをお祝いしましょう」


                終

お読みくださりありがとうございました。
こちらのお話は今井雅子先生のお誕生日お祝いストーリーとして書かせていただきました。
改めまして、今井雅子先生、お誕生日おめでとうございます。

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