芹沢怜司の怪談蔵書「7.止まらないタイヤ」
「こんばんは! 今日もいい部屋ですね」
「いらっしゃい。こんな薄暗いところを好むのは君ぐらいだよ」
「まあそうかもしれませんね。はいこれお土産です」
「早急に隣の部屋に置いてきてくれ。いつ君が私を殺そうとするかわからないからね」
知人は呪われた小刀が入った桐箱を見せてきた。直接触れなければ大丈夫だと思うが、念のため早く彼の手から離しておきたい。
「相変わらず怜司さんは心配性ですねー。もうそんなの気にしなくてもいい段階じゃないですか」
「昔からの癖はそう簡単に変えられない