類想が目立つ
「負けに不思議の負けなし」という名言通り、失敗には必ず原因がある。
○類想という失敗にも原因がある。
1:つきすぎ
×船名で呼び合う漁師鰆東風 (全体的に海に関する句材ばかり)
×透けし物透けし器に夏料理 (全体的に涼しすぎる。涼を感じさせるものばかりを詠んでいる)。
2:慣用句的な表現の安易な使用
「」部分が慣用句的な表現(=ありきたりな、陳腐な表現)といえる。
「捨て切れぬ」棚田~
「つつがなく」免許更新~
「汚れなき」ナースの白衣
3:俳句に相性がよすぎる句材(=すでに詠み尽くされている句材)
ダム湖に沈む村
地蔵
飛行機雲
○古風なものを古風に詠み、擬古典の句(過去の俳人の句のリメイク)を作るのが、俳句の目的ではない。「新しみは俳諧の花なり」(三冊子)という言葉通り、他の文芸と同様に新しさが求められるのである。(=類想を避ける努力が必要)。
それには、当然のことながら、視野を広げるための勉強(俳句以外の勉強もふくめ)も必要となる。
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