おもねった句や大会の傾向に合わせた句は取らずー選者経験者として
美術品の鑑賞が趣味のため、「開運!なんでも鑑定団」をよく見る。箱書き、落款、書体などが美術書に載っている本物とうりふたつで、あまりにも出来すぎている品、つまり買い手にこびをうっているような品は、偽物(コピー品、模造品)であることが多い。
俳句でも同様のことが言えるように思う。いかにも選者が喜んで取りそうな句材を詠んだり、大会の傾向に合わせた句は、「類想句」(どこかで見た句)になりやすく、そのような句はやはり「出来すぎている」という印象を拭えない。骨董品の偽物がもつような雰囲気、「選者にこびをうるような投句マニアの手だれた感じ、物欲しげな感じ」が、句からにじみ出ているのである。(技巧や句材などから)。
選者によって俳句観は異なるため、上記のような句を取る選者もいるかもしれない。だが、私は、選者にこびた句や大会の傾向に合わせた句は、真っ先に落としている。
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