ぶどう市場の考察(東京市場編)
おはようございます。
まず台風19号で被害に遭われた方々、お見舞い申し上げます。
人の命もさることながら、農被害もなかなか。
いちご農家さんを見る度に胸が痛みました。
1年かけて育てた苗が泥浸しになる恐怖。
前を向くしかないけれど、つらいよね。
できることを考えたい。
でもまあ部外者がじめっとしてるよりは、果物に興味を持ってもらえるトピックを発信したいなと。
地域ぶどうを考えたい
というわけで7月から10月にかけて、シャインマスカットを結構食べました。
一言で言えばシャインマスカットは甘さと香りがかなりいい感じの皮ごと食べられる人気定番マスカット。
香りのいいぶどうが大好きな私にとっては、とっておきの品。
これね、結構食べたので、産地ごとにまとめていきたいなと思います。
地域でどう変わるのか
これは主観的な話なんだけども。
私はぶどうは土壌と天気で大きく左右されると理解していて。
(いや、農家じゃないしわからんのだけど、でもまあ主観だから。笑)
土壌は生まれ持ってその土地の特徴としているものもあれば、一生懸命農家さんがこだわって改良してるものもある。
気候はもちろんそれも畑によって日当たりは違ったりするけれど、ぶどう作りで語られる寒暖差には大きく違いはないのかな。
地域だけではなく、本当に農家さんによっても味は変わるのだけど。
それでもいろんな産地でぶどうが作られていて、農家さんに思いを馳せるきっかけになったらいいと思ったので、マップを作ろうかと。
そんなわけで前哨戦。
そもそも今私たちが食べているぶどうはどこから来てるのか問題。
目的、と言うか結論から言うと、私は愛知県在住で、愛知のぶどうが好きなんですよ。
色づきこそ、他県に比べるとってのはあれど、甘みがしっかりしていて。
しかも意外と多品種出してる・・!
ところで、みんな愛知のぶどうはご存知かい?
って考えてみたら、めちゃくちゃ市場に出回ってなかったという。笑
そんなわけで、愛知産がいかに珍しいかということを示したいあまりに前哨戦なのです。
統計からの考察
今回は東京と大阪、名古屋の市場統計を引っ張ってきました。
関東関西で流通が大きく変わるだろうってのと、やっぱり名古屋の市場には愛知産が多いだろうのでこのセレクト。
だから農家さんの販売チャネルとしては農協になるのだろうかね。
H30年7〜11月の統計から引っ張ってきたので、今期とは少し差があるかもしれませんが。
ちょっと解析をしてみようかと。
エントリーナンバー1:東京
出荷量ランキング
1位:山梨県(6,498,957,695円・5,873,873kg)
2位:長野県(5,045,547,204円・3,400,395kg)
3位:山形県(1,405,310,904円・1,863,495kg)
4位:岡山県(1,407,641,722円・929,582kg)
5位:青森県(147,233,332円・327,677kg)
※量により順位を決めているので、金額とは多少前後します。
首都圏での市場取引は、山梨・長野・山形の順となりました。
山梨が結構ダントツで一番ってことになるのかな。
そして岡山はもう少し多くて3位くらいにはいるだろうという予想だったので、山形の検討にびっくり!
金額の考察
出荷量で行くとこれなんですが、3位と4位の金額差を見ていただきたいと思います。
なんと、出荷量が倍になるにも関わらず、順位が逆転。。。!
平均単価を見たところ、8.9月のぶどうが岡山産は高値取引されているので(山形とは3倍弱の差)それが原因と思われる。
お盆シーズンにしっかり贈答用の高値取引ぶどうを出荷していることが大きな要因だろうと思われる。
単価つながりで言うと、石川県がすごい!
全体(月・地域の合計)での平均キロ単価が1,157円に対し、8,090円という信じられない数値を!
出荷量は18/32位に対し、金額で言うと12位。なかなか面白い。
これはまだまだ話題の石川の赤ぶどう「ルビーロマン」が原因とみて間違い無いでしょうね。
で、愛知県は?
そしてさすが首都圏、海外4国と国内32都道府県からのぶどうを受け入れています。
て、32都道府県って7割弱でめちゃくちゃすごいことだと思うんですけど。
東京だとほぼ全国のぶどうが食べれるやんけ!ってことになると思うのだけど。
でも愛知三重岐阜の東海三県からの出荷はない模様。
東京にいる人は普通にスーパーくらいじゃ手に入らないんだぜ。愛知のぶどう。
海外ぶどうの考察
あとそれから海外のぶどうについて。
多いのはアメリカ産のぶどう。先ほど出てきた全体の平均キロ単価1,157円に対し、アメリカは530円。
まさに見事に半分となっています。
寮で言うと5位、つまり大阪からのぶどうより少し多いくらい。
(念の為ですが、都道府県別➕海外国別のグラフです)
海外全体の合計値で行くと、出荷量・金額共に3位の山形を超えるインパクト。
これは農家産にとってみたらめちゃくちゃ脅威だということが実感できる数値かと。
さて、なかなか自分的にはいろんな発見があった東京(関東)編でした。
(農家産にとってみたら当たり前かもしれないけど、データで出すとインパクトあるかな?)
愛知・大阪編へ続く。
※東京の統計については東京都中央卸売市場のデータをもとに算出しています。(http://www.shijou.metro.tokyo.jp/torihiki/geppo/)
統計データがもっとみたい方は個別にお送りすることも可能ですので、twitterやLINEなどでお声かけいただければ幸いです。
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