イミッシュ・イツァヤナという暴力
このカード、何か変。
イミッシュ・イツァヤナ。
このクリーチャーを見て、皆様が思い浮かべることは何でしょうか。
ほとんどの人が「生きたキューブだなぁ」「攻撃時も使えて2回ガチャ出来るんだなぁ」「でも進化元要るのかぁ」といったところではないでしょうか。
かくいう私もそう思っていました。
「何か妙なおもちゃカードが来たな」と。
しかしよくよく見ると、このカード。
何か、変なんです。
スタッツがデカすぎる
このイツァヤナ、5コス進化クリーチャーとしてはあまりにもスタッツがデカすぎます。
パワー12000、Tブレイカー。
これに近しいスタッツの進化クリーチャーは、バジュラ・ザ・スターとかダイナボルト〈エタフェニ.Star〉くらいしかいません。
明らかにデカいスタッツ。
只者でないことだけは確かです。
かといって、ただデカいだけではありません。
効果自体も別に弱くなく、なんならむしろ強い部類で、進化元条件も非常に緩いです。
このご時世、緑3コス1マナ加速のクリーチャーなんて星の数ほど居て、その何れからも進化可能なイツァヤナくん。
相当出しやすい部類の進化クリーチャーですが、しかし実際のところ、この手のガチャカードを使いたいと思うならば、せっかくなら出すクリーチャーもデカいものにしたいと考えるでしょう。
であるならば、進化元の低コストクリーチャーなんぞガチャのハズレにしかならず、じゃあ普通にキューブでええやんと思ってしまいます。
そう、このイツァヤナくんは、自身の持つキューブ系統の効果と、進化クリーチャーという特性が噛み合ってないカードなのです。
いったいイツァヤナくんはどう使ってあげればよいのでしょうか。
デカいハキリ
結論から申し上げます。
イツァヤナくんはデカいハキリです。
イツァヤナは、特定の暴力的な大型クリーチャーを高確率で出そうとするキューブデッキ用カードではありません。
こいつは、自身がデカスタッツで相手をぶん殴る暴力の化身となりながら、着実にリソースを伸ばしゲームテンポを手繰り寄せるカードです。
通常のキューブデッキを考えてみましょう。
キューブデッキは、デッキ内の大型クリーチャーの濃度が高い状態でガチャを行い、出てきたゲームエンド級のクリーチャーで盤面を制圧or妨害しようとするデッキです。
ドキンダンテやドルファディロム、キラーキーナリー等が主なアタリでしょうか。
そしてこのようにキューブデッキを見た時、その本質はゲームのコントロールにあると言えます。
早期に制圧力の高いクリーチャーを次々に出し、その後一気に攻める。こういったゲーム展開はまさにコントロールデッキそのもの。
普通の5Cコンや蒼龍との違いは、出力が不安定な代わりにコントロールデッキらしからぬ早さで展開を行える点であり、そこがキューブデッキの魅力なわけです。
さて一方、イツァヤナくんはどうでしょうか
出た時効果で、キューブと同様ガチャを行います。
しかしそれで終わりではなく、攻撃時にもガチャが行えるのです。
あからさまにコイツは「殴ってください」と言わんばかりなデザインをされていることがわかります。
つまり、イツァヤナくんの本質はビートデッキ。
相手を殴りながらボードを広げテンポを取っていく、ハキリビートのようなデッキだと言えます。
イツァヤナ独自の強み
このような視点のもと、改めてイミッシュ・イツァヤナというカードを見てみましょう。
なんとこのカード、手札リソースを使わずに盤面を展開してくれます。
手札消費の激しいビートデッキにおいて、展開を手札に依存せずに行えるというのは非常に強力です。
しかも、仮にガチャがハズレだったとしてもキューブと同様最低限マナ加速をしてくれます。
これを2回行えるので、最低保証は2マナ加速。
次のターンには8マナに到達するので、そうなればガチャに頼らずとも大型クリーチャーを順次手出ししていけるマナ域になります。
勿論、アタリが引ければ次ターン手出し云々をすっ飛ばして大型クリーチャーが直出しされるので、どちらにどう転んでも良いわけです。
相手からしてみれば、毎ターンガチャしてくるデカブツの処理を要求され、加えてその横に生えてきたデカブツ or リソースを伸ばされ次ターン以降手出しされるデカブツに対処していかなければならないのです。
相手を殴りながらクリーチャーを展開していくさまはまさにハキリビート。
ハキリと比較した時、イツァヤナ独自の要素として挙げられるのは、取り回しが少ししづらく出力が安定しない代わりに手札リソースとマナの枚数を必要としない、むしろ勝手にリソースを伸ばしてくれるカード、といったところでしょうか。
おわりに
デカブツ踏み倒し上等なキューブ面して、実際は己の筋肉で暴力しながらリソースを伸ばすインテリヤクザなイツァヤナくん。
次回はそんなイツァヤナくんのデッキを紹介していくので、併せてご覧頂ければと思います。
それではまた。