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創作難航?なハナシ
――登場人物の人格が定まらない。
キーボードを叩く手が止まった。年をまたいで久しぶりの新作を書き下ろそうと、せっせとアイディアや構想をメモして、書き始めたのが数日前。
物語の中でキーパーソンになる、ある登場人物のキャラクター性が定まらなかった。明るいように見えて、実は暗いのか。それとも完全なる根明(ねあか)なのか。何を考えて生きてるのか、何も考えず生きているのか。私の描く“これ”はほんとうに彼なのか。それとも“私が描きたいだけ”の、彼なのか。
彼が笑ったり語ったりしている姿は脳内に無限に溢れてでくるのに、その溢れ出る様々な表情のうちの、どの部分をピックアップ(抽出)して、どういう人物にセッティングすればいいのか、さっぱり方向性が分からなくなってしまっていた。
書いていけば徐々に彼の人間性が定まっていくだろうと当初は思っていたが、いざ書いてみると、まるで彼からかけ離れている、気がする。違和感。彼はこんな人じゃない。と思う。では、どんな人物なのだ? 答えられない。作者だけど、あまりに多面体な彼を語る実力が、私にないだけなのか。それとも、単に、色んな要素を詰め込みすぎているせいで迷走しているだけ、なのか。
何か、彼の中で軸のようなものが見えてくれば、書けそうな気がする。軸、軸。なんだろう。私は覗きに行く。彼の思考を、行動を。そこにいる彼は、街中で佇む彼は、友達と語る彼は、どんな顔をして笑ってるだろう?何を考えて生きてるんだろう?
――考える。でも分からない。彼は、なかなか“それ”(彼にとっての核になるもの)を教えてくれない。創作は難航中。さて、どうなる。