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犯行現場のらっきょう #壁に少々のらっきょう #スベり高等学校 #毎週ショートショートnote

犯行現場は実に酷かった。

部屋中にカレーと体液が混ざりあい
発酵した香りに包まれていた。
あまりの臭いに俺は眉間にシワを寄せた。

新人は、現場を見ただけで
すぐさま飛び出し外で嘔吐したようだ。

香りだけではなく、部屋中にこびりついた
カレーと血痕で壁も床も酷い有様だ。

犯人の通っていた高校に連絡したが
スベり高等学校在学中は
なんの問題もなかったようだ。

美術部での活躍も評判が良く
明るい性格だったと残念そうに
元担任は教えてくれた。


ご遺体は、運ばれ床は乾いたいたが
まだ生々しく残る血痕の後が
痛々しかった。

犯人は、何を思い
ここまでの残虐性を見せたのか。

精神鑑定中の犯人は
「芸術」だと繰り返して
まともな返答を得られていない。

ふと、母親が寄りかかっていた
壁に少々のらっきょうが転がっていた。

カレーの茶色と血液で書かれた壁の作品。
転がる白いらっきょうは
何を意味しているのだろうか。


ただ虚しさが通り抜けた。



事件の詳細はコチラ

事件後の話はコチラ

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