アタッシュケースと紙袋 #着の身着のままゲーム機 #毎週ショートショートnote
「ちわぁ〜す」
税理士事務所に入ってくる人とは
思えない声の主を
森中税理士は応接室に通した。
今日もアタッシュケースを
持って入ってくる少年。
私は、コーヒーを入れて
応接室のドアを開けた。
「コイツは、コーヒー飲めない
から1つでいい。」
と言われ、ボスの前にコーヒーを置く。
「コッチの方がすきだろ?」
ボスの手には、苺牛乳が握られている。
「森ちゃん!やさしい!」
そう言って、ボスから
苺牛乳を受取る少年。
※
「なぁ、お前バイトしねぇか?」
森中は机の上に紙袋を置いた。
「ん?何すんの?」
苺牛乳とカントリーマームで
頬を膨らます少年が聞く。
「このゲーム機持って、
駅前で男に渡してくれるか?」
紙袋の中には
中古のスーファミと
懐かしいソフトが何本か入っていた。
「うわっ!懐かしい!」
ソフトを取りだそうとしたが
止められてしまった。
「中身には触らず、渡せるか?」
ニヤリと笑いながら森中は言った。
「いいよ~」
軽く返事をして少年は
着の身着のままゲーム機を持って
駅前に向かった。
※
※
明日は新しいお題!
410字でまとめるのも
やっぱり難しですね(;・∀・)
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