逃げる夢8 #逃げる夢　#シロクマ文芸部　

逃げる夢に捕まらなければ
物事がうまく行く吉夢。

今日はうまく逃げ切れたので
きっと仕事も大丈夫だ。

満員電車に揺られ朝から
クタクタになり出社する。

昨日の報告書を上司に渡し、
今日の仕事に取り掛かる。

事務職で入社したはずが
何故か配属先が
外回り中心の体力系って
どういう事？と思いつつ
仕事道具をまとめていく。

確かに面接で色々聞かれて
御社の為に頑張りますって
小学生みたいな回答した
私を採用してくれたのは
嬉しかったけど。


重たいバックを、持って
訪問先へ向かう。
体力に、自信がないから
移動だけでキツイ。

はぁ～。
ついため息が漏れた。

午前中に1本終わらせる。
指定されたビルのエレベーターで
部屋へ向かう。

セミダブルのベット座り
気持ちを落ち着かせる為に
タバコを1本吸う。

湯船にお湯を張ってから
仕事道具をベットの
上に並べて行く。


向かいのビルでは
忙しなくサラリーマンが
働いている。

熱めに設定したお湯で
浴室を温めておく。


ベットの上の道具を
組み立ててから
窓際で、先程のサラリーマンに
狙いを定める。


換気窓が空いた瞬間
逃げる間もなく鉛球が
標的を通過する。

ガラス窓に真っ赤な花が咲いた。


風呂に浸かりで硝煙の臭いを消す。
はぁ～。
午後は対人かぁ～。


逃げるモノを追う側も疲れる。

※

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