雌猫と唐変木と私 #イライラする挨拶代わり #毎週ショートショートnote
「いつも主人がお世話になっております」
と口にする私に
「こちらこそ、部長には
とってもお世話になっております♡」
とイライラする挨拶代わりをされた。
わざわざ
自宅まで忘れモノを
届けに来てくれた雌猫。
私の後で唐変木が、
真っ青な顔をしている。
京都だったら、
「ぶぶ漬け、どうどす?」
と言いたいところだが、
建前で、
「せっかくですから、
お茶でもどうですか?」
と声をかける。
「ありがとうございますぅ」
と言うと私を横切り
唐変木に近寄っていく。
リビングに案内して
机にインスタトコーヒーを並べた。
「挽きたてコーヒー美味しい♡」
なんて笑顔で言う雌猫と
真っ白になった唐変木との3人で
しばらくティータイムを過ごす。
「そろそろ遅くなるから
帰ったほうがいいかも」
と唐変木はカタコトで話しかけ
2人で玄関まで見送る事にした。
唐変木の根っこに躓いた
雌猫のピンクのカバンから
我が家に飾ってあった水晶が溢れ落ちた。
泥棒猫かと思ったら梁上君子だとは
夫の好みには、呆れるばかりだ。
【毎週ショートショートnote】『ショートショート書いてみませんか?』お題発表!9/3|たらはかに(田原にか)
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