赤い糸と歪んだ楔 #チョロいの、くさび #呪いの臭み #毎週ショートショートnote
僕とチョロは
ずっと一緒にいようと約束した。
僕達の仕事は常に危険と隣合わせだった。
そんな世界で、僕はチョロと出会った。
床一面どす黒い赤色で染まっている部屋。
そこに幼いチョロは立っていた。
彼女の手に握られた小さなナイフから1本の
赤い雫が流れ床と繋がっていた。
それは僕とチョロとの赤い糸だった。
僕達の幼さは暗殺にとって
最大の武器だった。
大物政治家も各国の客人も、
子供から受け取る花束に罠が仕込まれて
いる事を想像していなかった。
苦しく辛い中でも、僕は彼女の為に、
彼女といるために任務をこなしてきた。
僕は少年から青年に
チョロは少女から魅力的な女性へと
変わっていった。
そして、チョロは僕以外を選んだ。
僕だけがチョロを想っていた事に
気付かされた。
僕とチョロいの、くさびは儚く散った。
僕には、もう守るモノはない。
自分の命でさえ価値はない。
禁断の呪いの臭みが漂うコレを
使えば組織どころか、全世界を
死へと誘う事が可能だ。
誰にも僕のチョロは渡さない。
※
【毎週ショートショートnote】『ショートショート書いてみませんか?』お題発表!9/17|たらはかに(田原にか)
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