デスゲームの中で #告白水平線 #毎週ショートショートnote
海と空を分ける水平線。
その光景を眺める男女。
手を取り合い、見つめ合う。
ここがデスゲームに
選ばれた島だとは思えない。
彼らの空間だけは
綺麗な色を纏っていた。
古い建物の中には無数の同級生の遺体。
ここにくるまで、何人のクラスメートの
無残な姿を見てきただろう。
上半身だけの親友を見たときに
怒りと共に、絶望した。
僕はもう限界だった。
こんなゲームすぐに終わらせたかった。
彼女も同じようで、
「海で二人きりになろう」
そう言ってくれた。
二人で水平線を見ながら自爆スイッチを
押す事を決めた。
彼女の瞳を見つめてながら好きだと呟いた。
「やっぱり無理!!」
俺は叫んだ。漫画のプロットは
告白シーンから進まない。
どう頭をひねっても
ラブシーンは書けなかった。
思い切って、告白水平線を引き
彼女のスカートに忍ばせておいた
小型ナイフを彼の首元に刺した。
彼の自爆スイッチを押して
素早く森へ隠れる彼女の口角は
上がっていた。
これで、やっと
話しを進める事ができる。
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