魔術師の道具 #秋の空時計 #腋の薔薇時計 #毎週ショートショートnote
私は渡された道具をみて
がっかりと肩を落とした。
指導員が、秋の空時計をセットすると
周り一面秋空の様な紅に染まっていく。
このフィールド内ならば
外部から干渉される事はない。
セクシーなドレスに、強烈な
フェロモンを出し、対象者達の感覚を
麻痺させ、腋の薔薇時計の針で
メッタ刺しにしていく相方。
元は、人の形をしていたとは思えない程
四方八方に向いた身体に
容赦なく突き刺さる針。
特に秒針の動きは、細い形状で
皮膚の間から│抉《えぐ》っていく。
赤黒い液体が飛び散る中、
漂う薔薇の薫りが、なんとも奇妙な光景だ。
一方、私は前回大失敗した為に
与えられたバールのようなものを使い、
叩き潰し、内臓のようなモノを
引き摺り出しては、振り回すという
物理的な方法を繰り返す。
妖術使いや、魔法使いが
バットのようなモノで
攻撃したのを見た事ある?
ああ……この戦いが終わったら、
魔術師が使うようなもので
戦わせて下さい。
とお願いする事を心に誓い
鉄パイプのようなもので叩きつけた。
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