絵巻物の恋文 Side-A #忍者ラブレター #毎週ショートショートnote
忍者からラブレターをもらった。
うん。
意味がわからないわよね。
私もわからない。
手にした絵巻物のようなモノ。
達筆で書かれた忍者ラブレターを
手にしたまま私は立ち尽くしていた。
ITの専門学校で彼と出会った。
彼は、入学時スマホもPCの知識もなく
家族に強制的に専門学校へと
入学させられたらしい。
一人戸惑っている彼に私から声をかけた。
どちらかと言えば陰キャの私だが
私より周りに馴染めていない
彼には、なんとなく声がかけやすかった。
彼のスマホ契約と設定
家で使うノートパソコンなどの
購入手続きを手伝ってあげると
喜んでくれてた。
今まで学校生活に馴染めなかったから、
こんなに専門学校に行くのが楽しく
なるなんて思っていなかった。
彼のノートパソコンの修理が終わり
2人で店まで取りにいった帰り道。
「俺の家系、忍者なんだ」
人生で一度も聞いたことのない
フレーズが彼の口から発せられた。
そして、冒頭に戻る。
私は就職するのか、くノ一になるか
決断を迫られていた。
※
サポートありがとうございます。 治療、子育て、罰金返済等に使用させていただきます。