上級文学トリマー #文学トリマー #山岳カルマ #毎週ショートショートノート #ショートショート
伝説の文学トリマー。どんな荒い文章だろうと、間延びしてしまった文章だろうと華麗に仕上げてしまう。それが文章トリマー。
今年も『文学フリマ』に参加するための作品を文学トリマーに注文が入ってくる。
しかし、年々依頼される数が減っていくように感じた。
上級文学トリマーの仕事は丁寧で、今も仕事内容は変わらない。普通レベルの文学トリマーのレベルも上がってきたので、そちらへの依頼が増えたのかと思ったがそうではないらしい。
AIトリマーに依頼する人が多くなったためだった。文学トリマーに比べ安価で仕上がりが早いのが魅力だと、手軽に利用され始めていた。
しかし、確かに読みやすく教訓も得られる作品になって仕上がってくるが。すべてがハッピーエンドの作品にされてしまう。バッドエンドだとしても教訓としての説明文が作品の魅力を半減させていた。
安全、安心は大切だが小説の世界くらい過激で刺激的な体験をしたいと依頼者は、文学トリマーに再度依頼しだした。
【410文字】
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